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  • グローバルコラム

コロナで変わるグローバル環境。今後の海外展開で重要なこととは

谷村 真
株式会社gr.a.m
代表取締役

谷村 真

2021 / 06 / 25

#コミュニケーション,#消費者行動,#消費市場

コロナで変わるグローバル環境。今後の海外展開で重要なこととは

現在、日本では沖縄を除く9都道府県で3回目の緊急事態宣言が解除されたものの、まだまだ先行きが不透明な状況が続いています。新型コロナウイルスの感染拡大によって経済にも大きなインパクトをもたらし、各業界の企業は見えない出口に向かいながらも様々な施策に取り組み、生き残りをかけて展開しています。今回のグローバルコラムでは、新型コロナウイルス流行前から現在に至る状況を振り返りながら、今後どのような対策をとっていくべきか考えていきたいと思います。

コロナ禍における世界経済

まずコロナ禍前の世界の経済成長について、簡単に見ていきたいと思います。2005年から2019年の世界経済成長をGDPの推移でみると2005年は47.6兆ドル、2019年は87.3兆ドルと約83%増加しています。また世界経済が順調に成長するとともに日本企業の海外進出も進み、2018年にはアジアを中心に26,000以上もの企業が海外進出を果たしました。


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しかし、2020年に新型コロナウイルスの爆発的な流行が世界中に大きな影響を及ぼし、感染者数は全世界で1億7,000万人を超え、死者数は380万人にも達しました。(2021年6月16日現在)
これを受けて世界各国は、感染拡大を抑制するために対面コミュニケーションや渡航、外出などを制限したロックダウンを実施。このヒトとモノの往来を制限したことで経済活動におけるサプライチェーンが寸断されることになりました。その結果グローバリゼーションが進むことで、国際分業が進展したことによるサプライチェーンの脆さが浮き彫りになりました。
材料の供給はもとより生産活動もできなくなるという企業活動が抑制されたため、経済活動を大きく停滞させるという影響がありました。一方、需要においても同様に大きな影響を受けました。対面コミュニケーションを制限したことによってサービス業は経済的に大きな打撃を受け、結果的に世界のGDP成長率は2020年対前年比-3.3となりました。
※出典:IMF2021、通商白書2020


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ビジネス環境の変化

コロナ禍を契機にビジネス環境は急速に変化しました。例えば、以前は商談は「会う」ことが重要だと言われていましたが、そのほとんどはオンライン商談にとって代わり、「会う」といった重要な要素はデジタルの世界へ移行しました。このデジタルへの移行は、行動だけでなく、商品・サービスを届けるためのターゲット、パートナー、手法にも影響を与えました。
また、消費者にとってもリモートワーク、オンライン診断、デリバリー産業といったIT技術を活用したビジネスが瞬く間に定着し、消費行動においてもデパートやショッピングモールでしていた買い物はECへと移行しているものもあります。コロナ禍におけるデバイスの利用時間に関しても、Hootsuiteによるとモバイルの利用時間が最も長く、その時間は増加しているようです。


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※出典:Hootsuite


このように、コロナの影響でビジネス環境やライフスタイルが大きく変化することによって、あらゆる習慣・行動・意識にも変化が生まれました。その結果、マーケティングにおいても変化がみられます。

例えば、従来型のマーケティングにSTPという分析手法があります。Sがセグメンテーション、Tがターゲティング、Pがポジショニングを表します。


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特にこのコロナ禍で大きく変化したのがターゲティングです。デジタルの世界では国境は関係なくなり、その製品・サービスを求めるヒトの年齢、性別、地域といった既存のデモグラフィック分析では計れなくなりました。今後のターゲット戦略は、ターゲットの持つ不安、不満、不足による課題に焦点をあて、そのような対象に共通したソリューションを届けるマーケティングに変わっていく必要があります。
そこには従来のグローバル戦略、ローカライズ戦略といった概念とは大きく異なり、世界共通化マーケティング戦略といった文脈で語られていくでしょう。そこで重要なのは、その世界共通化マーケティングの文脈に沿ったマーケットの見方です。
ペルソナを設定する際は、従来のように住所、性別、年齢、どのような趣味趣向を持っているのかではなく、不安や不満などの課題を持つヒトといった概念が重要になります。共通の課題やニーズを見出し、我々のサービスによって解決できる対象が、それぞれの地域でどのような行動をしているのか、今後はそのようなマーケティングが必要になってきます。

このような環境を踏まえた戦略やマーケティングを考慮すると、今後の海外展開はECや越境ECなどを見据えたマーケットへの参入など新しい形態がますます重要となり、デジタルマーケティングを中心に海外展開が進むこととなるでしょう。

では既に世界各国で展開している企業はどのようなマーケティングを実施すべきでしょうか。
コロナ禍を経験した消費者は今までの考え方とは全く違う捉え方に変化しました。そのため、改めて現地の流通構造を把握した上で、マーケットの実情に合った施策が打てるようにマーケットの流れを読みなおし、場合によってはパートナーの選定をし直す必要があるかもしれません。
また、プロモーションも大きく変わり、ビジネスモデルすら変えなければならないかもしれません。

まとめ

世界中のビジネス環境が大きく変化している今、その変化に対応することで競争はより激化しています。このマーケット変化を捉えるための方法は様々なツールを駆使し、どのような対応をするか早期に確立することで、変化の激しい業界構造を把握し、新しいマーケティングを行えるパートナーを見つける必要があります。
これからは、このコロナ禍を踏まえて伸びる市場、響くメッセージ、届けるパートナーを改めて整え、競争優位性を作るために動かなければならない時期にきているのではないでしょうか。



<会社概要>
株式会社gr.a.m
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー24F
03-6859-2252
※「海外情報ナビ」https://global-biz.net 運営会社

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