シリーズ アジアを知る (3)フィリピン~ビジネスサービスの外部委託分野で世界一となった東南アジアの島国~

グローバルコラム
2016/4/26

シリーズ アジアを知る (3)フィリピン~ビジネスサービスの外部委託分野で世界一となった東南アジアの島国~

シリーズ アジアを知る (3)フィリピン~ビジネスサービスの外部委託分野で世界一となった東南アジアの島国~

概要

・ 総人口:1億99万8,376人(2015年7月推計)
・ 公用語:フィリピン語(タガログ語を基に憲法で定めた国語)
・ インターネット普及率:39.4%(2014年推計)

歴史

 フィリピンは7,000以上の島々から成るが、急速に増加する人口の大部分は、そのうちの11の島々に住んでいます。
 フィリピンは、3世紀以上にわたってスペインの植民地だった歴史を持ち、国名も16世紀のスペイン皇太子フィリペにちなんでいます。スペインに対する反抗は長く続いたが、20世紀初頭には、統治権がスペインからアメリカに譲渡されました。
 今なお、スペインとアメリカからの影響は色濃く残っており、特に言語、宗教、政治への影響は顕著です。1935年に自治権が認められ、1946年にはアメリカ式の憲法のもと完全独立が成し遂げられました。

経済

 1990年代には東南アジア随一だったフィリピン経済でしたが、2000年にさしかかると停滞しました。しかし、2004年以降は順調に成長を続けています。現在フィリピンは、もっとも有望な新興工業国の1つとして認識されており、輸出産業は農業から電気製品、石油、その他の製品へと変化しています。
 サービス業がフィリピンの2012年のGDPのうち57%を、農林水産業は12%を占めています。また、製造業がGDPを占める割合は21%で、その他の産業が残りの10%を占めています。


 近年、フィリピンのサービス産業は急速に成長していますが、その一端を担っているのがビジネスプロセスアウトソーシング (BPO) サービスです。IBMによれば、2010年にフィリピンはインドを超えBPOサービスの分野で世界一となったと言います。BPOサービスの主な内容は、コールセンターや、金融サービスに関する業務、カスタマーサポートに関する諸業務などです。

 2009年、フィリピンの格付けは「下位中所得国」に引き上げられました。これは、援助への依存度が下がり、自力で発展を形成する能力が高まったことを意味しています。

 平和への見通しが立てば、資源豊富な南部への海外投資が増える可能性もありますが、先行きは不透明で、膨大な数の海外労働者から毎年送られてくる数十億ドルもの仕送りが現状を物語っています。

産業別GDP比率(2012年)

出所:www.cariasean.org

メディア・コミュニケーション分野

 フィリピンにおける最大のコミュニケーション媒体は、間違いなく印刷メディアです。情報サイトPress Referenceによれば、フィリピンには民間の全国紙が数百紙あり、42紙もの日刊紙の発行部数を合計すると470万部を超えています。
 識字率が人口の94%を超えることから、ニュースや娯楽の発信源として印刷メディアが好まれていることは驚くにあたらない事実です。
 一方、テレビ局は31局のみで、家庭に設置されたテレビはフィリピン全体でも370万台しかありません。
 人口1,000人に対してテレビが44.7台しかないということは、テレビが印刷メディアやラジオ放送ほど重要でないことを示唆しています。ラジオに関しては、フィリピン全体で人口1,000人あたり138.8台もの受信機があります。
 2003年、ラジオの利用人数は推計1,150万人で、自宅でのインターネットの利用人数 (200万人) の5倍以上でした。それからインターネットの普及率は増し、Internet World Statsによれば2011年末時点でのインターネット利用者数は3,300万人以上でした。

消費者社会

 生活の利便性を高めることで、フィリピン人の消費習慣を活性化し、ライフスタイルを変化させるため、今後10年間にわたる都市と中心市街地の開発が計画されています。
 成長によって都市が発展し、それと同時に所得や購買力も増しています。一方、都市化が進めばライフスタイルは加速し、消費者の時間はより貴重なものとなります。その結果、消費者はより便利な商品やサービスを求めるようになります。
 調査会社Nielsenが報告した最新の消費者動向では、コンビニエンスストアの利用率の高さが際立っています。過去4週間以内にコンビニを利用したと答えたフィリピン人消費者は29%にのぼり、2012年の8%から大きく増加しています。
 コンビニを利用する消費者のもっとも一般的な目的は、食事や軽食、またはどうしても食べたいものや飲みたいものを調達することです。こうした需要の増加に答えるべく、コンビニは即席食品の詰め合わせを増やしており、食事や会話のできる利用者向けの店内スペースを設ける店舗も増えています。
 フィリピンの消費者信頼感指数は、前期比で5ポイント下がり、117となりましたが、それでも2015年第3四半期において世界で3番目に消費者の購買意欲が高い国となっています。

情報源:
・ https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/rp.html
・ http://www.un.org.ph/country-profile
・ http://www.bbc.com/news/world-asia-15521300
・ http://www.cariasean.org/asean/economy-profiles/philippines-economy-profile/
・ http://www.isentia.com.ph/blog/understanding-the-filipino-media-culture
・ http://www.nielsen.com/ph/en/insights/reports/q2-2015/filipino-consumers-are-3rd-most-confident-consumers-in-the-world-in-q3-2015-report1.html

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