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シンガポールのクルマ事情 ~渋滞対策とスーパーカー~

野宮 成晃
Cross Marketing Asia Pte. Ltd.
Managing Director

野宮 成晃

2015 / 07 / 07

#ブランディング,#車 バイク

シンガポールのクルマ事情 ~渋滞対策とスーパーカー~

東京23区とほぼ同じ大きさで、人口密度が世界第2位のシンガポール。今日は、この小さな国でのクルマ事情について紹介させていただきます。

クルマを所有する権利を買う?

シンガポールでは、限られた国土の中でクルマの数が多くなり過ぎ、ひどい交通渋滞が発生しないように、政府がいくつかの規制をしています。
ひとつは、クルマを購入する際、クルマ本体の価格にプラスして、「クルマを所有するライセンス」をシンガポール政府から購入しなければならないというもの。このクルマを所有するライセンスは、COE (Certficate Of Entitlement)とよばれているもので、クルマを購入するすべての人に購入が義務付けられています。
シンガポール政府は、このCOEの発行枚数を調整することで、国内のクルマの数を適正な一定数に保つことができるというわけです。
COEは10年の有効期限付き、価格は毎月2回の入札で変動します。経済状況、発行枚数の増減等の要素により入札価格が決まりますが、非常に高い価格がついたピーク時には、1600cc以下向けのCOEで、700万円以上することもあったようです。

賢い渋滞解消策

20150707_02また、シンガポールでは、朝夕のラッシュ時にクルマで街の中心部に入っていく際に、お金を払わなければなりません。このシステムはERP(Electronic Road Pricing)と呼ばれているもので、設定されている中心部エリアに、ある時間帯にクルマで入っていこうとするすべての人に適用されます。シンガポールのすべてのクルマの車内には、日本のETCのようなERP課金用のデバイスが付いており(写真参照)、ここにお金をトップアップしたプリペイドカードを入れておきます。そして、規制エリアの各入口付近にあるゲート(写真参照)をクルマが通過すると、自動的にそのプリペイドカードから時間によって1シンガポールドル、2シンガポールドルというように、ERP料金が徴収されるという仕組みです。
ラッシュ時のピーク時間になればなるほど、ERP料金も高く設定されており、このようなシステムを適用することで、人々に中心部へのクルマでの流入を制限し、同時に公共交通(バスや地下鉄)の利用を促進し、ラッシュ時に過度な渋滞が発生しないようにしているのです。

街のあちらこちらにスーパーカー

20150707_03このように、シンガポールでクルマを所有するには、とにかく何かとお金がかかります。
シンガポール国内ではクルマの生産は行われていないため、すべて輸入しなければなりません。既にお話ししたCOEの金額に加え、その輸入に関わる輸送費用、輸送時の保険、関税等を合計すると、日本での日本車購入額の3倍、4倍以上になることもあるとか。
それでも、街のあちらこちらでは、頻繁に、ランボルギーニ、フェラーリ、ポルシェ等のスーパーカーを見かけます。 国自体もコンパクトで、どこに行くにも公共交通が便利で安いシンガポールでは、庶民の私は正直クルマを所有する必要性を強く感じません。
ここまで高いクルマの所有コストを考慮しても、このコンパクトな国で超高級車を所有する、シンガポールの富裕層たち。
是非、機会があれば彼らの超高級車を所有するインサイトについて、インタビューしてみたいものです。

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