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- グローバルコラム
ベトナムの今がよくわかる ベトナムニュース解説(2)
2015 / 08 / 18
畜産業界、TPP加盟で大打撃は不可避
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定で最も大きな損害を被る業界と見られ、最大の影響として輸入関税障壁の撤廃がある。業界にとって大きな逆風で、例えば鶏肉と豚肉は米国産、カナダ産、牛肉は米国産、豪州産、ニュージーランド産との競争を強いられる。(『Thanh Nien』2015年6月23日、p.07)
影響を受ける様々な業界 ― 解説
早期妥結を目指し交渉が進められているTPP協定。ベトナムと日本の2国間では、焦点となっていたベトナム産のコメに対する関税を現状維持とすることで実質合意し、2015年7月4日(土)、来日中のグエン・タン・ズン首相と安倍晋三首相の記者会見で、協議の基本的な終了が宣言されました。TPPにより国内の様々な業界が影響を受けると予想されていますが、プラスの影響があるのはベトナムが強い繊維、履物、水産物、農産物といった分野で、中でも最も恩恵を受けるのは繊維業界とされ、すでに外資を中心に多くの企業が工場の建設や能力増強をはかっています。
一方で、自動車、畜産など加盟各国に比べアドバンテージのない業界は、関税障壁の撤廃による他国品の流入で困難に直面することが懸念されています。
ほかに政府調達の開放で政府調達契約や入札の明白化が期待されますが、サービス業では世界企業の進出が加速し国内企業が困難に陥ることが予想されています。
情報提供:
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転載元:Sketch Co., Ltd.(http://www.vietnam-sketch.com/)
転載元記事:http://www.vietnam-sketch.com/2015081569688