FIFA ワールドカップを盛り上げた「ネームボトル」キャンペーン 第3回 4カ月半にわたるキャンペーンを振り返る | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2014/8/8

FIFA ワールドカップを盛り上げた「ネームボトル」キャンペーン
第3回 4カ月半にわたるキャンペーンを振り返る

FIFA ワールドカップを盛り上げた「ネームボトル」キャンペーン<br />第3回 4カ月半にわたるキャンペーンを振り返る

知っている飲み物を「私の飲み物」に

FIFA ワールドカップブラジル大会に合わせ、4カ月半にわたって実施した「コカ・コーラ」のキャンペーンは、製品のセールス面と話題喚起の両面から成功を収めることができたと考えています。

デジタルでは、集めたカードや勝敗予想で入手できる壁紙がソーシャルメディアで共有され、話題になりました。特に、LINEユーザーにはカードを「スタンプ」のように使っていただくことができ、親和性が高かったと思います。ソーシャルメディアでシェアされた割合も80%近くがLINEからというデータが出ています。デジタルのキャンペーンに参加された方の数は、シリアルコードを入力した方という基準で約50万人(7月2日時点)と多くの方に楽しんでいただきました。

ネームボトルをデザインしたカードは、ソーシャルメディアでの拡散に一役買った。

今回のキャンペーンでは、ネームボトルをトライアルとして、デジタルはリピート促進を目的に設計しました。自分の名前や家族の名前が入ったボトルをきっかけにしていただき、自分の名前のボトルがなくても、ネームボトルを購入してPCや携帯サイトでシリアルコードを入力すればデジタル上で自分の名前にネームボトルを変更し、カードを集めたりすることができます。何本もコードを入力することで複数の名前のカードが作成できるなど、繰り返し訪問したくなる仕組みを取り入れました。ターゲットは年齢・性別を問わず、幅広く設定しています。

ネームボトルは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった販売チャネルによって購買層は変わるものの、幅広い層に購入してもらうことができました。デジタルに関しては、LINEユーザーに受け入れられたということもあり、年齢層としては20代から30代の比率が多くなりました。

「コカ・コーラ」ブランドは、一年間を通していくつものキャンペーンを行っています。今回のキャンペーンは4カ月半でひとつのものになっていますが、各フェーズをひとつとしてカウントすれば、ほぼ毎月何らかのキャンペーンが行われている形と言えるでしょう。それぞれ、目標を掲げて実施していますが、今回のキャンペーンのそれは、特に一人ひとりのお客様に「コカ・コーラ」を自分の飲み物として認識してもらう、お客様自身とブランドの「関与度を上げる」ことを一番の目標に掲げました。

「コカ・コーラ」は日本でもほぼ100%の人が知っています。しかし世界の他の国と比較すれば、日本は人口1人あたりに対する平均飲用量は決して高くありません。月に一度飲まれる方、週に一度飲まれる方というデータを毎月トラッキングし、また、「コカ・コーラに対するイメージ」という意識調査も毎月行っている中で、今回のキャンペーンをきっかけに「コカ・コーラ」を手にとってくださる方の増加、「コカ・コーラ」を自分の飲み物として認識してくださる方の増加というものをKPIに設定しました。

ネームボトルキャンペーンは、消費者と「コカ・コーラ」との新たな接点づくりに貢献した。

キャンペーン中もPDCAサイクルを回す

キャンペーンの実績評価は、終了後に効果測定を行って報告をまとめています。ただ、今回のように4カ月半と長い期間のものは、終わってからの評価だけではなく、途中の実績をみて評価をする手法を2012年頃から取り入れています。今回は、ネームボトルを発売した4月14日から1週間後に評価をし、その後、4週間後、6週間後という形でレビューを行い、修正できる点に関してはすぐに対応していきました。テレビCMのように翌週すぐという対応が困難な媒体もある一方で、デジタルやソーシャルメディアは即対応が可能です。ソーシャル上でのお客様の反応やご意見を受けて、cocacola.jpのインターフェイスのデザインを変えたり、新しい情報を加えました。

今回のキャンペーンは、コカ・コーラシステム内でも大成功したものと評価されています。名前が印刷されたラベルの「コカ・コーラ」をお客様にとって「自分のもの」と捉えてもらい、手に取るきっかけをつくることができました。自分の名前が入ったボトルを大切にしていただいた結果、ソーシャルメディアで「もったいなくて飲めない」「大事に取っている」といったコメントが見られたことは大変有難いのですが、やはり私たちとしては、世界的スポーツイベントの感動体験とともに、ぜひ「コカ・コーラ」を飲んでいただきたいと思っています。

FIFA ワールドカップの終了とともに、すでに次の「氷のボトルに入ったコカ・コーラ」のサマーキャンペーンが始まっています。私たちはこれからもたくさんの方に「コカ・コーラ」を飲んでいただき、身近な飲み物と感じてワクワクしてもらえるようなキャンペーンを実施していきたいと考えています。

日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 IMC iマーケティング シニアマネジャー 足立 浩俊

大手メーカーの貿易業務、IT系企業でのプロジェクトマネージャーを歴任。オンライン英会話スクールやBtoCを中心とした米国Web企業とのジョイントベンチャーを立ち上げ、子会社の取締役就任などIT系ビジネスに従事。2006年より現職。会員数1,270万人のサイト“コカ・コーラ パーク”の企画運営を担当。スマホを中心にした音楽キャンペーン“Share a Coke and a Song”は、Smarties APAC のモバイルベストプログラム賞を受賞した。

日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 炭酸カテゴリー コカ・コーラTMグループ グループマネジャー 小林 香予

青山学院大学経済学部卒業後、日本コカ・コーラ株式会社に入社。約3年のカスタマーマネージメントチーム所属後、マーケティング本部へ。セールスプロモーション担当として主要ブランドの全国プロモーションプランを担当後、コカ・コーラTMブランドチームへ異動。カロリーゼロ系ブランドを担当し、「コカ・コーラ ゼロ」の“Wild Health”キャンペーンを立ち上げる。その後、オーストラリアにて「パワーエイド」のブランドマネージャーの経験を経て、帰国後より「コカ・コーラ」のブランドマネージメントを担当。

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