コーヒー飲用者の消費者インサイトを探る 第3回 カテゴリービルドの戦略 | リサーチ・市場調査・マーケティング

インサイトスコープ
2014/9/19

コーヒー飲用者の消費者インサイトを探る
第3回 カテゴリービルドの戦略

コーヒー飲用者の消費者インサイトを探る<br />第3回 カテゴリービルドの戦略

コーヒー市場に「箱入り」で新機軸を打ち出す

〈ブレンディ〉スティックや〈マキシム〉スティックなどの「スティック」カテゴリーを築き上げ、けん引してきたAGF(味の素ゼネラルフーヅ)の取り組みを2回のコラムで紹介してきました。この背景には、コーヒー市場にパラダイムシフトを起こそうという当社のマーケティングに対する考え方があります。

AGFは長きにわたり、インスタントコーヒー市場でネスレ日本に次いで2番手のポジションにいます。「ストロングNo.2」として利益を享受するという考え方もありますが、これからはトップブランドだけが生き残る時代になると考え、トップを目指そうと挑戦を続けてきました。また短期的な成功だけを狙うのではなく、中・長期的な成功のために、発信する情報の鮮度を高めてブランド固有の価値と財産をつくっていこうとしています。

広告費も個別の商品ごとに配分するのではなく、ブランド全体で広告費を管理し、戦略に基づいてどこにいくら使うといったことを決めて適正な投資配分を行うようにしています。こうした戦略をもとに、新しい市場のスタンダードを作り、その中のナンバーワンとなって自社の強みを生かせるカテゴリーにしようということで、〈ブレンディ〉スティックは2002年に誕生しました。

〈ブレンディ〉スティックとティーハートのテレビCM

若年層の取り込みに成功

当時、インスタントコーヒーのパッケージは瓶か袋、レギュラーコーヒーも袋入りが主流でした。箱入りの商品は〈ブレンディ〉スティックだけで、カテゴリーのシンボルとして認知され、徐々に売れはじめました。また、「砂糖とミルクが入ったインスタントコーヒーの便利版」という商品特性を打ち出すのをやめて「カフェオレのスティックです」とシンプルなメッセージに変更し、インスタントコーヒーの一分野ではなく、外食で飲んだり、家庭でコーヒーとミルクを混ぜて作る「カフェオレ」を商品とする、新たな市場をつくり出しました。

ターゲットについても、高齢化が進むインスタントコーヒー市場で構成比の高い50~70代といったベビーブーマー世代を狙うのではなく、次の時代を見据えて団塊ジュニア世代をとらえるようにしました。実際、狙い通りに世代のシフトは進み、最近の20代の購入率を見ると、スティックがインスタントコーヒーを上回るようになっています。

スティックタイプで箱入りという販売方法と、「カフェオレ」として打ち出しでカテゴリービルドに成功し、購入世代のシフトも順調に進んでいます。市場を活性化させるための新商品やリニューアルは継続して行っています。

販売促進については、今期の後半は「アレコレドリコレ」というコピーを使った「ドリコレ」キャンペーンを実施し、さらなる市場の拡大を目指しています。

「ドリコレ」キャンペーンの店頭陳列イメージ

従来からスティックタイプの商品を気分に合わせて飲んでもらう「スティックドリンクバー」という提案はしていました。今回は会社を挙げた提案に拡大し、スティック以外の商品も含めた中で、店頭で様々な種類の商品から選んでもらい、家庭や職場でそのときどきに好きな味を楽しんでもらおうというものです。広告も含め、キャンペーンタレントも起用した施策を予定しており、今年の話題の目玉にしてきたいと思います。

味の素ゼネラルフーヅ株式会社 家庭用事業部家庭用第一部 Stickグループ 統轄マネージャー 三宮 智昭

東京理科大学大学院工学研究科を卒業後、トイレタリー関連企業での研究開発、マーケティング業務の経験を経て、2007年、味の素ゼネラルフーヅ株式会社に入社。〈ブレンディ〉スティック、〈マキシム〉スティックなどのプロダクトマネージャーとして、事業戦略、ブランド戦略の立案を中心に、製品開発/販売促進/IMC企画などを担当。2011年7月より現職。同社のスティック製品のすべてについて、生産から販売に至るバリューチェーン全体の管理責任を担う。

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