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オウンドメディア立ち上げ記
第1回 お酒を飲む楽しさを知ってもらいたい
2014 / 11 / 14
アサヒビールは、2014年7月31日に日経BP社と共同で「カンパネラ」というサイトを立ち上げました。「酒文化啓発」と「コミュニケーション」を軸にしたオリジナルコンテンツを提供しています。アサヒビールから見ればオウンドメディアのひとつと位置付けていますが、当社の名前を冠することはなく編集を日経BP社に担当いただいています。こうした新しい枠組みでのメディアを立ち上げた理由や狙いについて、3回のコラムでご紹介します。
酒類メーカーだからすべきこと
アサヒビールは、2014年7月31日に日経BP社と共同で「カンパネラ」というサイトを立ち上げました。「酒文化啓発」と「コミュニケーション」を軸にしたオリジナルコンテンツを提供しています。アサヒビールから見ればオウンドメディアのひとつと位置付けていますが、当社の名前を冠することはなく編集を日経BP社に担当いただいています。こうした新しい枠組みでのメディアを立ち上げた理由や狙いについて、3回のコラムでご紹介します。2014年9月から経営企画本部の中に新設されたデジタル戦略部のミッションの1つは、アサヒビールの社会的価値向上であり、Webを活用してその実現を図ることであります。ビジネス誌でナンバーワン企業である日経BP社と取り組むことによって、読者に酒類の新しい価値を訴求したいと考えました。
「アサヒらしさ」を除いた理由
カンパネラの記事にはアサヒビールの社員やニッカウヰスキーの工場などの施設が登場しますが、バナー広告を除けば製品を直接宣伝するようなことは原則としてありません。編集を外部にお任せしているのも、メーカー側からの言い分に偏らない、消費者目線、読者目線から読まれるコンテンツを発信したいという思いがあるからです。サイトデザインも、今までにない新しいアサヒを感じていただけるのではないでしょうか。私たちはこれまで、当社のブランドを好きになってもらい、飲んでもらおうという狙いでプロモーションを展開してきました。どの広告も「アサヒらしさ」が前面に出ていると思います。
カンパネラは全く違ったアプローチです。消費者が興味を持つコンテンツを用意することで酒文化そのものに興味を持ってもらい、結果としてアサヒビールに好意を抱いてもらいたい、という流れです。社名を前面に出さないのは、ビールが苦手な人や、当社に親近感を持っていない方に対して先入観を持ってもらいたくなかったことと、そのような先入観を持たずにコンテンツに触れてもらうことで、当社のファンになってもらおうという狙いもあります。
日経BP社にパートナーとして加わっていただいたのは、影響力のあるメディアを運営されていて十分な編集力をお持ちであること、我々がターゲットとしているビジネス層に強いということがあります。
次回は、カンパネラの編集方針や、共同運営を実現させるまでの苦労などについてご紹介します。