Insight Scope インサイトスコープ
- インサイトスコープ
大人向け音楽教室のユーザーインサイト
第2回 「体験」こそが最良のプロモーション

株式会社ヤマハミュージックジャパン
事業企画部 部長
鞍掛 靖
2015 / 04 / 17

「ヤマハ大人の音楽レッスン」では、定期的に受講生による発表会や演奏会を開いています。受講目的のひとつとして、特に男性は人前で演奏したいと思う人が多いというデータもありますが、性別を問わず各年代でそういう方は一定数存在します。こうした方に限らず、演奏を上達させるための目標やモチベーションとしても発表会は必要だと考えています。横浜みなとみらいで開催したウクレレの合同発表会「ビーチdeウクレレ」では、見る側はテーブル席でビールなどを飲みながら行うようなフランクな雰囲気で開催されました。楽器の種類や場所に応じてさまざまな形で実施しています。
「自分にもできるかも」と背中を押す
「ヤマハ大人の音楽レッスン」では、定期的に受講生による発表会や演奏会を開いています。受講目的のひとつとして、特に男性は人前で演奏したいと思う人が多いというデータもありますが、性別を問わず各年代でそういう方は一定数存在します。こうした方に限らず、演奏を上達させるための目標やモチベーションとしても発表会は必要だと考えています。横浜みなとみらいで開催したウクレレの合同発表会「ビーチdeウクレレ」では、見る側はテーブル席でビールなどを飲みながら行うようなフランクな雰囲気で開催されました。楽器の種類や場所に応じてさまざまな形で実施しています。現在各地で開催しているのが、楽器体験イベントです。前述のウクレレの発表会では、会場1階に「ビーチde弾くレレ」と題したウクレレの無料体験コーナーを設置し、来場者や通りすがりの方にも楽器に触れてもらえるようにしました。体験用の楽器はもちろん、講師も常駐し、簡単な指導も行います。2014年9月に東京・有楽町の東京国際フォーラムで実施された「東京JAZZ」では、サックスやトランペットが体験できる体験ブース「ヤマハ管楽器はじめてさんカフェ」を開催しました。日常ではなかなか触れる機会も少ない楽器ということもあり、行列ができるなど好評でした。

会員減から回復基調に転じる
楽器体験イベントは2014年の春に始めました。2013年の秋に「大人の音楽教室」のテレビCMの放映を開始しており、「思いっきり、音楽。」のコピーで訴求しています。楽器体験イベントでもコピーをあしらったのぼりを立てています。当初は東京や大阪といった大都市を中心に、「東京ジャズ」などのイベントや、横浜駅の西口、JR有楽町駅前など音楽教室を運営する楽器店の近くのスペースで展開しました。楽器店の近くで行う場合は、楽器体験ブースから楽器店へ誘導し入会へと進むような動線も意識しました。ただ、こうしたスペースの利用はコスト面のハードルがあるほか、音を出すイベントができない場所もあるので、会場選びには苦労もあります。
大都市での楽器体験イベントが好評だったことをうけて、14年の秋頃からは徐々に地方でも実施するようになっています。私たちは、各楽器店のイベントに告知のビジュアルやPOPを提供したり、楽器体験イベントでデモンストレーション演奏する人や講師の派遣をすることでサポートしています。
大人向け音楽教室は、実は2007年の11万4000人をピークに減少傾向にありました。近年テレビCMの放送を開始し、「思いっきり、音楽。」のコピーで楽器体験イベントを展開したことで入会者が増え、2013年を底に、2014年は反転上昇しています。楽器体験イベントが、新規の大人の方々を教室へ足を向かせる大きな効果があると感じています。
次回は、新たに進めている様々な施策を紹介します。