ブランドスイッチを促すマーケティング戦略 第1回 若年男性をターゲットに据える理由 | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2016/1/22

ブランドスイッチを促すマーケティング戦略
第1回 若年男性をターゲットに据える理由

ブランドスイッチを促すマーケティング戦略<br />第1回 若年男性をターゲットに据える理由

男性向けシェーバー市場は横ばい傾向

フィリップスは1940年に電動シェーバーの販売を開始し、すでに75年以上の歴史があります。私たちの電動シェーバーの大きな特徴は、競合する他のメーカーが採用している往復式ではなく、回転式の刃を使用していることにあり、そのことをマーケティング戦略の中心に据えています。このコラムでは、私たちが販売開始以来こだわっている回転式シェーバーの良さをいかに伝え、どんな方法で理解促進を進めているかについて紹介していきます。

フィリップスの電動シェーバーは「回転式」。

フィリップスの電動シェーバーは「回転式」。切れ味の持続性や肌へのやさしさが特長だ。

国内の男性用シェーバー市場は500~600億円の規模で、ここ数年の成長率はほぼ横ばいで推移しています。かつてはシェービングというと、ヒゲをきれいに剃ってしまうのが主流でした。近年はヒゲを伸ばすことに抵抗のない人も増え、社会的にも受け入れられつつあり、シェービングもスタイルが多様化しています。また、手入れする部位についても顔だけではなく、他の身体の部位の毛を処理する人も増えてきました。そうしたことから、シェーバー(ヒゲ剃り)は横ばいで、それ以外のグルーミング分野が伸びている状況にあります。

ヒゲのスタイルの多様化を受けて、シェービング業界もこれまでのきれいに剃りあげるクリーンシェイブのみを訴求する製品戦略・コミュニケーションからの脱却を目指しています。フィリップスでは、シェービングだけでなくヒゲデザインもできる製品を市場にいち早く投入したり、ヘッドを交換して洗顔ブラシにもなる製品を投入するなどし、多様な市場ニーズに応えています。

ブランドスイッチに抵抗の少ない若年層がフィリップスを牽引

フィリップスの電動シェーバーは、世界的に見るとトップシェアですが、日本国内ではパナソニック、ブラウンに次いで3位です。他の多くの市場ではリーディングカンパニーとして、安全カミソリなどのブレードタイプから電気シェーバーへのスイッチを訴求するマーケティングを展開していますが、国内では電気シェーバーのシェア獲得を中心にした戦略をとっています。

ターゲットとするユーザー層については、18歳から39歳くらいの比較的若い男性に設定しています。これは、競合するブランドが40~50代への認知が高いということがひとつの理由です。また、私たちが行っているブランドイメージの調査でも、年齢が上がるにつれてフィリップスブランドのことをよく知らない人が増え、今使っているブランドへの満足度や、ブランドスイッチへの抵抗感が高くなっていくことも背景にあります。

フェイスブックを使ったプロモーション。

フェイスブックを使ったプロモーション。比較的若年ビジネスマンをメインターゲットに据えている。

2014年の調査でフィリップスの電動シェーバーは67%の人に認知していただいていますが、使用を検討する選択肢に入るかどうかという質問では30%弱にとどまっています。これらの調査からは、一定のブランド認知は獲得しているものの、実際購入につながるコンバージョンの点で課題があることがわかっています。

こうした国内の市場環境を踏まえ、ブランドスイッチへの抵抗が少ない若年層をターゲットに据えることにしました。さらに、すでにある認知を購買へとつなげるために、回転式電気シェーバーの機能や特徴への深い理解促進を目指したコミュニケーションを行っています。

次回は、ターゲット層を意識したプロモーションへのオウンドメディアの活用とコンテンツ制作についてご紹介します。

株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン マーケティング メンズグルーミング マネージャー 藤井 崇雅

2008年国内電機メーカー入社。グローバルマーケティング部で美容家電やエアコンなどの米州・アジア地域の事業企画・マーケティング・販促宣伝を担当。
2012年フィリップス入社。主にシェーバー・グルーミング製品のマーケティング戦略・宣伝企画などに従事。
「エクストリームシェービングキャンペーン」「トリプルゼロキャンペーン」などの企画を手がけ、毎年の二桁成長をリードしている。 

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