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個食市場を切り拓いた「プチッと鍋」
第2回 ポーション型容器を選択した理由とは?

2016 / 10 / 21

#食品 料理,#ブランディング

個食市場を切り拓いた「プチッと鍋」<br>第2回 ポーション型容器を選択した理由とは?

 消費者調査の結果、消費者が鍋物調味料に感じている不満を解消する鍵は「個食」であることがわかりました。次の課題は「1個で1人前」というコンセプトに対応するための形状でした。

容器は売り場での存在感も考慮

 消費者調査の結果、消費者が鍋物調味料に感じている不満を解消する鍵は「個食」であることがわかりました。次の課題は「1個で1人前」というコンセプトに対応するための形状でした。

 「個食」を考えたときに、どんな容器があるのか。納豆のタレが入っているような小袋や、砂糖が入っているスティックタイプのものも検討しましたが、現状の鍋物調味料の売り場を考えたときにパウチタイプやボトルと比較してインパクトが足りないと感じました。既存の売り場に並んだときに競合商品に埋もれてしまわないような「存在感」が欲しかったのです。

 ただ、インパクトがあっても使い方がわからなかったり、使いにくかったりするものでは意味がありません。そこで目を付けたのがこのポーション型容器でした。このタイプの容器は日本に入ってきて数十年経っていて、ほとんどの人が使ったことがある馴染みのある容器ですが、調味料に使われたことはほとんどありませんでした。この形状にすれば、斬新なイメージで売り場にもインパクトを与えられると考え、決定しました。

 容器は決まったものの、そこから商品化にいたるまでには苦労もありました。現在は容量が40mlのものもラインナップしていますが、2013年当時は既存の容器が20mlまでしかなく、その容器1個で1人前になる、濃縮した調味料を入れる必要がありました。

 濃縮というと一般的な手法は、熱をかけて水分を飛ばすものになります。しかし、その過程で原料となる調味料の風味も飛んでしまいます。調味料が一番美味しいのは、濃縮しないストレートの状態。そこで当社は、無駄な水分を加えずに、目指す濃度の調味料を作るという、これまで当社が培ってきた独自の「高濃度ブレンド技術」を活用しました。各原料の量や配合はもちろん、加える順番や熱のかけ方で最終的にできあがる味が変わるほど繊細な技術です。 


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鍋調味料の課題を解決する新しい形状を模索し、ポーション容器にたどり着いた

味の選定で消費者調査を存分に活かす

 商品ラインナップは前回お話した通り、寄せ鍋、キムチ鍋、白湯鍋の3種類を最初に発売しました。この3種類は、消費者調査の結果で決めています。商品コンセプトと、想定するラインナップを合わせて、食べたい味のランキングをつけてもらい、その上位に来たのがこの3種類でした。翌年以降、ラインナップは増えていますが、その選定方法は、他社も含めた鍋物調味料で人気がある味を選んでいます。 商品開発の過程では、街頭で通行人を対象に行う、セントラルロケーションテストを行いました。単品で試食し得点をつけてもらうだけでなく、同じ味の対象商品がある場合は、ブラインドで比較をしてもらい、どちらが好きかを選んでもらうというものです。誰が食べても美味しいと感じ、かつ同じカテゴリーの商品と比較しても選んでもらえるように、クリアすべき基準値を定め、それを満たすまで味を調整しました。

 2012年の開発開始以来、新商品の発売やリニューアルを続けていますが、いずれもこのテストを行い、味の調整を重ねています。

 次回は「プチッと鍋」のネーミングやプロモーション戦略、新たなキャンペーンをご紹介します。 


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ポーション容器の特徴を生かした店頭ツール
石渡 宏美
エバラ食品工業株式会社
マーケティング本部 商品開発部 新カテゴリー商品開発第一課 課長

石渡 宏美

桑原 慶昭
エバラ食品工業株式会社
マーケティング本部 マーケティング部 販売促進課 課長

桑原 慶昭

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