【不祥事対策】正しい社内調査の方法とは? | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2019/11/22

【不祥事対策】正しい社内調査の方法とは?

【不祥事対策】正しい社内調査の方法とは?

 近年、企業関連の話題として横領や着服などの不正行為に加え、ハラスメントや情報漏洩などの問題が取り沙汰されることがあります。このような問題を解決するためには、社内調査などの対策を行うことが必要です。社員による不祥事では、証拠隠滅や口裏合わせなどが行われる可能性も考慮する必要があります。また、そこで対応を誤ると取引先の信用を失う、不当解雇訴訟などに発展するといったリスクもはらんでいます。不祥事が発覚したときは、すぐに社内調査を行い、適切な対策をとることが必要です。
 

社内調査の目的

 社内調査とは、企業で不祥事が起きたとき、事実関係を解明するために行う調査です。調査を通じて不正を行った者を特定し、この者に対して懲戒処分を行います。不正を正し、企業のガバナンスを回復することが目的です。
 

社内調査を行うタイミングはいつ?

 企業は社内調査をする権利を有していますが、社内調査は不正が疑われる場合に行うもので、不正の疑いがない場合に調査をすることはできません。
 すでに発生している不祥事に対して行う点で、防犯カメラの設置や電子メールのモニタリングなどの不正防止措置とは異なります。内部からの通報や取引先の指摘などにより不祥事が発覚したときが、調査開始のタイミングです。

 

正しい社内調査の方法

 社内調査の手順は、事前準備・不正調査・事後作業の大きく3つにわけられます。それぞれの段階で必要な作業は、不正の規模や不祥事の性質によっても違ってきます。調査開始後も、方法などを柔軟に修正しながら進めていくことが必要です。
 

【手順①】
不正の疑いが発覚したら、まず事実かどうか、その事実が不正・不祥事にあたるかどうかの事実確認を行わなければなりません。誰が、いつ、といったような5W1H別に情報を整理しながら事件の状況確認を行っていきましょう。内部からの通報により不正が発覚した場合には、通報者からのヒアリングを行います。被害額が少額の場合など、比較的軽微な事案では人事部や法務部など社内だけで調査を担当する方法が一般的です。被害額が大きかったり役職者が関わっているなど複雑な事案の場合には、調査チームの編成や弁護士など専門家のアドバイスを受けたり調査をお願いしたりすることも必要になってきます。

【手順②】
不正の事実を明らかにするには、証拠の保全が欠かせません。改ざんや隠ぺいを防ぐため、書類などは現物を保全し、メールなどの電子データについてはすべてコピーしておきます。ここまでが事前準備です。

【手順③】
事前準備の結果に基づき、対象者を絞り込んで、実際に調査していきます。現在も継続していないか、組織ぐるみではないか、不正が行われた背景などを明らかにすることが重要です。 客観的証拠を集めるためには、操作記録を確認するためのPC解析や行動監視などが必要となることもあります。これらは社内だけで行うことは難しく、特に行動監視はプライバシーの観点から問題になりやすい調査なので、社員の業務外の行動を調べるには探偵事務所の調査を利用すると良いでしょう。PC解析業者や探偵事務所など、調査が必要となったときの委託先をあらかじめ調べておくと円滑に調査を進めやすくなります。

【手順④】
集めた証拠をもとに、調査対象者へのヒアリングを実施します。ヒアリングのタイミングを誤ると口裏合わせや証拠隠滅につながりかねないため、周到な準備と予告なしのヒアリングが重要となってきます。ヒアリングで対象者の自白が得られれば、真相が究明されるとともに、不正の具体的な手口が明らかとなり、再発防止に役立てることが可能になります。

【手順⑤】
事後作業ではまず、不正調査の結果を踏まえ、不正を行った社員に対する処分を行います。横領など不正の内容によっては、懲戒処分のほか、損害賠償請求など民事責任の追及や、刑事告訴など刑事責任の追及を行うこともあります。これらの手続きでは厳格な証拠が求められるため、社内調査を開始する際に、マスコミによって自分たちが望まないような形で世間に情報が漏れてしまう、横領や不正による損害が想定よりも巨大規模であるなど、最悪のケースを想定しておくことも重要なポイントです。

 

社内調査の活かし方

 社内調査の結果から、組織の問題点が見えてくることもあります。長期にわたり不正が繰り返されていた場合には、企業の管理体制にも問題があったと考えられます。例えば、社内データを外部へ持ち込んでいた場合であれば、社内PCのセキュリティー対策に不備があった可能性が考えられます。そのほかの不正なども、目標達成へのプレッシャーが強い、風通しが悪いなど組織風土により起こった可能性もあります。そのため、対象者にどのような処分を与えるのかといった判断だけに社内調査の結果を使用するのではなく、事件の全容からなぜ不正が起こったのか、原因の分析を行い、再発防止策を講ずることが重要です。

 また、調査の過程で、弁護士、経営コンサルタントや探偵事務所に依頼したりアドバイスをもらったりするケースも多いでしょう。弁護士や経営コンサルタントは不祥事対応の経験が豊富で、再発防止策の立案についても相談できます。探偵事務所に防犯カメラの設置を依頼した場合には、防犯目的のセキュリティー会社とは違った視点からアドバイスを受けられます。防犯カメラは撮影した映像が不正の証拠となるだけでなく、設置自体が不正の抑止力として働く点も見逃せません。このように、調査の過程で得られたノウハウを再発防止策に役立て、社内調査を活かしていくことが肝要です。

 

まとめ

 不正や不祥事は犯罪であり、企業の存続にも関わる重大な問題です。企業がどのような対策を打ち出していたとしても、対策の弱点や技術の発展に伴って不正や不祥事が起こってしまうことはどの企業にも起こる可能性があります。不祥事が発生したとき適切に対処することができれば、被害の拡大を防ぐとともに、新たな不正の芽を摘み取ることにもつながります。だからこそ万が一に備えて、社内調査の方法や気を付けるべきポイントを把握しておくことが大切です。
 

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