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在宅勤務や休校、外出自粛…増加する巣ごもり消費の実態

2020 / 05 / 28

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在宅勤務や休校、外出自粛…増加する巣ごもり消費の実態

新型コロナウイルス感染抑止策として政府が出した緊急事態宣言によって、学校は休校となり、企業はテレワークへの移行を求められ、飲食店をはじめとする多くの店が休業や営業時間短縮に追い込まれています。このように国民全体が不要不急の外出自粛を強いられる中で、経済活動も変化しています。

外出自粛で変わる消費行動

巣ごもり消費は2008年のリーマンショックから広まった言葉です。世界的な景気が急速に悪化し、職を失ったり収入が落ちたりした人々が、外出を控えて支出を抑制するようになった消費行動を指します。

今回、政府が感染リスク低減策として、ライブハウスや飲食店など人々が出向いて楽しむ業界の営業自粛を求めたことで、イベントや外食といった外向きの消費行動に急ブレーキがかかりました。コンサートへ出かける代わりに家で音楽を聴き、高級クラブやおしゃれな店で飲食を楽しむ代わりに自宅でお酒をたしなみ、料理はデリバリーを利用するといった内向きの節約モードに変わってきています。

また、休校により書店では教育ドリルなど自宅学習用教材が売れ、インターネットを使った学習システムやオンラインゲームに関心が集まっています。政府は多くの企業に業務形態をテレワークにシフトするよう求めました。その結果、テレワークに必要な電子機器の需要が急激に高まるという消費傾向も出ています。

このように、外出自粛要請によってデリバリー事業やテレワーク関連機器産業、有料動画配信など、巣ごもり消費にマッチしている事業分野は伸びているという現象が起きているのです。

巣ごもり消費が増加

巣ごもり消費の拡大に伴って、特に需要が伸びている三つの事例について深堀りします。

事例1:フードデリバリーは既存店舗の戦略転換と新興勢力が併存

家庭で食事をするケースが増えたために急速に需要が高まったのが、出来上がった食事を個人宅まで届けるフードデリバリー事業です。今回の外出自粛要請によって、これまでは対応していなかった有名レストランや人気食堂などもデリバリー営業に乗り出しています。来店客激減にて減った収入を補うための、経営戦略の転換といえます。
しかし、自前ではデリバリーはできないというお店も多いことから急速に利用が増えているのが、飲食店と配送企業などが提携して料理の配達を行う代行サービスです。消費者側にとっても、さまざまなお店から食べたいものを選べるのは大きなメリットです。


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事例2:テレワークでPC周辺機器は需要急増

従業員を在宅勤務させるテレワークが、大都市の大手企業を中心に増えました。中小企業も一部で導入に取り組むケースがみられます。テレワークを実施するために欠かせないのが、パソコンとインターネット環境です。加えて、ビデオ会議などをするのであれば、ウェブカメラや、送話機能と聞き取り機能が一体になったインカムが必要になる場合もあります。こうしたテレワーク向けの需要に対応して、大手家電量販店ではテレワークコーナーが設けられているほどです。通信販売やレンタル事業も活況で、一部の商品では品薄現象も起きています。

事例3:配信事業やゲーム産業はビジネス拡大の好機

多くの学校が休みとなり、子供たちは自宅で過ごす日々を強いられています。書店では学習ドリルが売れ、ネット通信の授業ビジネスも利用されていますが、子供にとっては遊びも必要です。こうした背景から、オンラインゲームや動画配信サービス事業の人気も若者を中心に高まっています。
また、ライブハウスなどで生の音楽が楽しめない状況になったため、インターネット上でライブ感覚を楽しめる動画配信も若者たちに支持されています。有名な動画配信サイトでは、視聴者が配信者へ賞賛や応援の気持ちとして金銭を送る機能があります。人気ユニットのライブが配信された際には、この機能を利用した決済金額が急増したという事例もあります。人気ユニットのライブであるという事も決済金額が増加した理由の一つと考えられますが、ネット動画への関心の高まりを示す一例とも言えます。


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今後の消費行動はどう変わるのか

外出自粛が解除されて出勤や登校が再開されれば、外食したい、外に遊びに行きたいなどという気持ちを抑え込んで来た反動から、自粛解除後は一時的に消費が拡大すると考えられます。実際、日本のソフトウェア企業が3月中旬に実施した調査では、35%の人がウイルスの影響がなくなれば支出が増えるだろうと答えています。ただし、日本のとある研究機関の見通しによると、新型コロナウイルスの終息を2020年6月と仮定した場合、同年後半から徐々に消費経済が回復するとされています。

特に国内外の旅行のキャンセル数が増大したことから観光業における打撃は大きく、未来投資会議において終息後は全国各地への観光推進キャンペーンを行う必要性が示唆されました。消費拡大につながる動きによって、消費回復への後押しとなるでしょう。

一方で今の状態が長く続いた場合、雇用や所得へさらなる影響が出ると予測されます。既に8割の企業で業績にマイナスの影響が出ており、給与やボーナスが減少することが見込まれます。結果、自粛が解除されたとしても金銭的な理由から消費が困難であることに変わりありません。たとえば、娯楽関係やイベント関係は営業自粛に追い込まれ、利益を出すのが難しいことから従業員の所得は前年と比べて減少傾向にあります。この状況に歯止めをかけるために、飲食店におけるテイクアウト事業など新しいサービスを導入する企業も出てきています。このように企業も存続を懸け、変わりつつあるのです。

どちらにせよ、現在の状況が今後の消費活動に影響することは確実と言えるのではないでしょうか。消費者・企業側ともに今の状況を耐え抜き、今後に備えられるようにしたいところです。

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