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【若者に向けたマーケティング戦略(2)】若者に響くアプローチの検討

2020 / 12 / 25

#コミュニケーション,#消費者行動,#SNS,#トレンド

【若者に向けたマーケティング戦略(2)】若者に響くアプローチの検討

現在の10代から20代の若年層は、関心や興味のあるジャンルが細分化し、さらにいくつにもまたがり複雑化しています。企業にとってSNSを活用したマーケティングは不可欠ですが、多様化する若者たちの心に刺さる合理的アプローチ、琴線に触れるようなコンテンツの提供を心がけることが重要になります。

提供できる価値の明確化

若者の関心や価値観はいつの世も変化します。ファッションを例に取ると、1979年ごろにはハーレムスーツといった独特の服装の竹の子族、1980年代後半から90年代初めに起きたバブル時代には、ボディコンと称された体のラインを強調したワンピースや、ハイブランドのバッグが若い女性たちの間でファッションの象徴になりました。その後は、地球環境保護や健康志向といった観点から自然素材のものが受け入れられるトレンドも生まれるなど、常に大きく変化しながら歴史を刻んでいます。

そうした傾向は画一的なものでしたが、現代ではファッションにとどまらず、あらゆるジャンルや思考のあり方が変わり、非常に複雑になっています。例えば、1970年代に生まれたオタクという言葉は、誕生当時はアニメやゲーム、玩具など嗜好性の強い分野に限定して使用されていました。しかし、現在はアイドルグループを熱狂的に支持するオタク、韓国映画や俳優らに熱中する韓流オタク、鉄道や飛行機といった特定の乗り物に夢中なオタクなど、さまざまなジャンルに広がり、細分化や多様化が進んでいます。つまり、同じジャンルだからといって、同じとらえ方で画一的な戦略を立てると、ミスマッチを起こす恐れがあります。

ただ逆に考えると、細分化が進んだことで、だれに、どのような情報や価値を提供するべきかが明確になり、適合性の高いターゲット層へのアプローチが可能になります。このターゲット層へのアプローチ方法を分析するのに有効なのが、ハッシュタグです。SNSの投稿時、若者たちは自分が適合するグループのハッシュタグをつけて投稿することがあります。


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重要なのは、それぞれのオタクグループは決して孤立しているわけではないという点です。男性アイドルオタクの中にも、ファッションの系統によってさらに細かく分類され、#量産型オタクや#ピープス型女子などというハッシュタグを好んで使うグループがあります。

#量産型オタクと言われる人々が集まるライブ会場には同じようなファッションが多くみられ、同じようなツールを持っているために、量産型と呼ばれています。一方で、ピープス型女子は、黒などダークカラー中心のロック系のファッションを好むグループです。量産型オタク層に、まったく価値観が合わないピープス型女子のファッションやツールを提案してもなかなか受け入れられません。

そこで、#男性アイドルオタクと#量産型オタクのハッシュタグをつけることで、男性アイドルオタクの中でも、量産型オタク層へ絞った提供が可能になります。現在、性別問わず約6割の若者が利用しているTwitterでは複数のハッシュタグ検索が可能ですから、このようにジャンルをひとくくりにして提供するのではなく、細分化したハッシュタグを活用して、誰に何の情報や価値を提供するのかを明確に示すことが大切です。そして、そのためには各分野にマッチしたジャンルや考え方の分析が必要です。


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具体的なアプローチ方法

共感と共創を重視する

この企業は自分たちの心情や求めていることが分かっている、という若年層の共感を得るために、若者が関心を持つトレンドや心理の奥底を理解した上でアプローチすることが大切です。
例えば、音楽界では、少し前の若年層は安室奈美恵や浜崎あゆみのように完璧なカリスマ性を備えたアーティストに憧れていました。しかし最近は、無名であってもニコニコ動画やYouTubeなどでオリジナル曲を発表し続け有名アーティストになった米津玄師や、オーディション番組から誕生したガールズグループのNiziUのように、曲や生き方に共感したり、頑張っている姿に視聴者が親近感を抱いて応援したりできるアーティストが、次第にビッグになっていく傾向にあります。

また、誰にでも踊れるような振り付けで話題となった恋ダンスは、YouTubeをはじめTwitterやInstagramといった各種SNSに素人がダンスを踊っている動画が多く投稿され、一躍ブームになりました。このほかにも、短い動画投稿アプリであるTikTokは、15秒程度と短く、編集も高度な撮影技術も不要なことから日本のみならず世界各国で人気を博しています。このように、その気になれば誰もが参加することができ、みんなで楽しめる共創スタイルが現在若者の心をつかんでいます。
したがって、企業が若者をターゲットにした自社製品やサービスを展開する際には、完成されたものではなく、あえて彼らが共創できる余地、参加できるのりしろ部分を残すことが重要です。

若者が情報を得るメディアを使ったアプローチが効果的

アプローチの際に、若者が接触しないメディアをつかっても効果は得られません。彼らの情報入手経路をしっかり把握し、十分な効果が得られるメディアを使ってアプローチする戦略を練りましょう。現在、SNSは若年層のライフスタイルの一部になっています。今気になっていることや、日々の出来事が投稿されているSNSを見れば、今何に関心を持たれているかといった情報がリアルタイムで容易にわかるのです。そうした流行はものすごいインパクトを生むこともあれば、潮が引くように消え去っていくものもあります。企業としては、トレンドをしっかり把握し、タイムリーな情報提供を継続していく努力が必要です。


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若者に目線を合わせ、コミュニケーションを図る

SNSは便利なデジタルツールですが、多くの企業はこれをどうにかして宣伝の場として活用しようと考えがちです。しかし、物心がついたころには普通にSNSがあった若い世代にとって、SNSはコミュニケーションの場です。そのような場に、「うちの商品は素晴らしい」とか「うちのサービスこそ利用するべき」といった、広告が主体のコンテンツをどれだけ投入しても受け入れられませんし、そうしたアプローチは逆効果になる恐れすらあります。また、企業アカウントの場合は、サイトページの更新やエラー情報のお知らせなど、一方的な情報を提供する場となりやすい傾向にあります。SNSというコミュニケーションの場で、一方的な情報ばかりを提供し続けるのは場違いです。ユーザーと同じ目線、同じような言葉遣いでの投稿を積み重ね、コメントが得られれば必ず返信するという地道で継続的な作業が求められます。

まとめ

若者をターゲット層としたマーケティングでは、彼らの価値観に寄り添うため、まずはトレンドや考え方など若者の世界を知ることから始めましょう。そのうえで、自社の商品・サービスが若者の中でもどのようなグループにマッチするのかを細かく掘り下げて確認し、その層に提供できるようハッシュタグなどで誰に向けた情報かを明示する必要があります。
また、つながりを大切にする若者にとってSNSは、情報収集やコミュニケーションの場です。SNSマーケティングを行う際は、運営担当者の姿が見えるような内容の投稿や双方間でのやり取りを意識して続けるようにしましょう。

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