お客様を知る!ショッパーマーケティングとは。(第二回) | リサーチ・市場調査・マーケティング

マーケティングコラム
2015/8/20

お客様を知る!ショッパーマーケティングとは。(第二回)

お客様を知る!ショッパーマーケティングとは。(第二回)

女性は店頭訴求力を図るバロメーター

一般的に男性はお目当ての売場に直行する傾向が高いと一般的に言われますが、実際のところ、男女間における購買行動の特徴の違いはみられるのだろうか?

その答えはYes、つまり、男女間の買物行動の特徴は存在するのである。

様々な業種や業態の店頭でお客様の買物行動を観察していると、男女間の買物行動の違いに気づくことがよくみられる。その特徴のひとつは、女性の方が男性に比べ、立ち寄りセクション(売場)数が多いということである。
この特徴は、女性は入口付近から目につく売場や展示に興味を感じやすいという傾向があることを示しているといえる。
このような女性が入口付近から興味を強く感じる売場や展示を検討していくという特徴はあらゆる業種や業態でみることができる。この女性特有の行動特徴を利用して、売場の状況をチェックすることが可能である。

そもそも店舗にとって、入口の印象はとても重要な役割を担っている。お客様にとって、入店直後の環境は飛行機の滑走路のようなものであり、ここで気持ちを高ぶらせることができれば、その後の店頭での買い回りにもよい効果が生まれやすい。

ある店頭で入口付近の特設コーナーの立ち寄り状況を調べたところ、男性のみならず、女性の立ち寄りがきわめて悪いという結果が見られた。そこで、女性が反応しやすいように、ポスターなどのビジュアルを活用し、感性に訴える店頭を作り直してみると、女性の立ち寄りが大幅に増加。効果はそれだけではなく、周辺の売場への立ち寄り率も改善されたという結果が見られた。
このように、女性の行動から自分たちの売場の印象を簡単にチェックすることで、手軽に売場改善のきっかけを作ることもできるのである。

女性は店頭訴求力を図るバロメーター(イメージ)

女性の行動特徴を利用した売場作り

我々エンバイロセル社では、世界中で、お客様の買物行動に触れる機会に恵まれている。あるとき、世界数カ国でデジカメ売場での買物行動を調べたところ、興味深い結果が発見できた。
男性はカメラ売場に入場するなり、カメラを手に取り、そのまま撮影しようとする行動を取る人が多かったのに対して、女性はカメラを手に取ると、すぐにカメラの正面(デザイン)を見たり、重さを量るような素振りをしたりする人が多いことが分かったのである。しかも、この女性の特徴的な行動は日本のみならず、欧州や中東でも見られたのである。
とりわけ、この行動はデジカメの検討初期段階で多く見られた男女間の特徴であった。
買物の検討行動が進むと、女性も撮影しようとするなど、男女間の特徴が薄れてくる。
また、インタビューをすると、男女ともに、購買決定要因として、画質や撮影のしやすさなど、よりカメラの本来の機能を意識した内容が上位に回答されていた。

買物行動の検討初期段階には、お客様の潜在的なニーズが行動に表れてくることがよくある。たとえば、フルーツを選ぶときに、無意識のうちに、香りをかごうとするなど、味覚に加え、香りの良さを意識した行動が出やすいのである。

このデジカメ売場での行動は女性の潜在的なニーズが出た結果である。つまり、女性はデジカメの検討初期段階(商品を絞り込む段階)で、よりデザインや重さなどを意識している人が多いということを表しているといえる。

これらの特徴から、女性ターゲットの売場では、機能面やスペックなどを重視する売場よりも「こんな風に撮りたい」、「こんな風に持ちたい」という気持ちを意識させる売場が出来あがり、一定の効果を生むことができたケースも存在している。

このようにお客様の店頭での行動には、売場作りの改善につながるヒントが隠れていることがたくさんあり、これらのヒントを探し出すことがショッパーマーケティングの本来の役割と思われる。

エンバイロセルジャパン株式会社 代表取締役 福田 弘二
2002年よりエンバイロセルジャパン立ち上げに伴い、参画。 インストアマーケティング協会、日経新聞社主催セミナーなど、多数の講演を行うと共に、家電量販店、外食チェーン、アパレルチェーン、スーパーマーケット、通信キャリア、ブランド旗艦店舗のマーケティングコンサルとして幅広く活動中。 年間300店舗以上の店舗観察、多くの顧客行動データを分析。手がけた店舗は、ファストフードから銀行、ブランドショップ、ショッピングモールまで。日本のみならず、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでも多数の顧客購買行動調査経験を持つ。

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