インターネットの普及によって、人々がパソコンや携帯電話を通してネットを利用する時間は、以前と比べてかなり増えています。今や人々の生活は、インターネットなしでは機能しないといっても決して大げさではありません。そのような観点からマーケティングに関しても、オフラインよりもオンラインマーケティングを重視する企業が多くなっています。この記事ではデジタルマーケティングについて、またビッグデータやマイニングとその活用法を検証していきます。
デジタルマーケティングとは
【定義】
パソコンやスマートフォンなどのデバイスによるデジタルテクノロジーを駆使したマーケティング活動のことです。Webマーケティングよりも広範な概念として用いられています。Webマーケティングが自社WebサイトをチャネルとしてWebのみのアクセス履歴を見て利用するのに対し、デジタルメディアによるマーケティングは、以下の様々な媒体から収集するデータを活用するのが特徴となっています。
【種類とアクション】
・WEBサイト:ページから問い合わせ、他のサイトとの価格比較
・ブログ記事:ショップの店長ブログなど記事更新あり
・Eメール:開封、クリック、返信
・コールセンター:データ入力
・DM・カタログ:資料請求、販促
・ポータルネットストア:検索、照会、発注、購買
・SNS:Facebook, Twitter,Instagramなどのソーシャルメディア
・実店舗:在庫管理、接客、販売、売上げ管理
【現状】
消費者のニーズも企業からのアプローチも多様化している現代は、デジタルツールを正しく理解し、有効利用している企業がよりビジネスの可能性を広げており、遅れをとっている企業との格差が出て2極化がすすんでいます。
ビッグデータの定義と情報抽出
ビッグデータはデジタルマーケティングを行うえで、重要視されています。ここではビッグデータの定義と情報抽出のマイニングを検証します。
【定義】
ビッグデータとは、複雑で多様な変動性のある大量な情報の集合のことを言います。事業においては、事業を行う上で役立つデータを知るための情報の集まりのことを指します。また、米国の調査会社では、「膨大なデータ量」、「データの日々の更新速度」、「多様性」のあるものをビッグデータとしています。ビッグデータは持っているだけでは役に立たず、その情報の集合体を分析することで、コストや時間の節約、市場の分析などに役立てることができます。
【データマイニング】
マイニングは採掘するという意味で、データマイニングは大量のデータから有益な情報を採掘する技術を指し、データを有効利用するための手法です。まずデータを収集してそのデータを保管してからマイニングします。
・データウエアハウス
データの倉庫ともいえる部分で大量のデータを蓄積することが目的の一時保管スペースです。
・データベース
収集されたデータを登録してその後データの削除や更新を行います。
・データ加工
採掘はコンピューターのシステム上で行われるので動作可能な状態にデータが加工されます。
・実施
収集と加工が終了すると採掘が実施されます。
デジタルマーケティングでビッグデータを活用する
【実際例】
・アマゾンや楽天などのオンラインショッピングサイトで商品購入の際に他のおすすめ商品が表示されます。これはショップにおける購買履歴やサイト内のアクセス情報などの大量データを基にしています。
・Yahooなどのビックデータを利用することによって見込み客を絞り込んで、該当するユーザーにキャンペーンの広告を表示させています。
・ソフトバンクで月間10億件以上の携帯電話のログ情報の処理して電波の接続率の改善に貢献しています。
・トヨタでは車載通信機DCMによって車両データを送信してトヨタのデータセンターに蓄積したものを解析し、各種サービスに利用しています。
・Facebookではユーザー間でアップされている500億枚の写真を処理しています。
・ファルコンクレジットカードの詐欺検知システムは全世界の21億にのぼるアクティブなアカウントを保護しています。
【活用法】
・販売店で各店舗ごとの売り上げ状況の把握
・日々更新されるSNSへの投稿
・車を運転する際の移動経路
・カーナビを使った自動車の走行記録
・病院など医療機関のデジタルカルテ
などの不規則で且つリアルタイムで変化や増減をなすデータを収集や保管、解析等をすることによってデータが活用されます。
まとめ
いつの時代でもビジネスを成功に導く鍵は、ユーザー及び消費者が求めているものをいかに正確に把握して提供することができるかにかかっています。アナログからデジタルの時代に移行して、マーケティング手法も従来のスタイルでは掌握できなかった、リアルタイムのデータを大量に収集することも可能になりました。ビッグデータを上手に使って利用することによって、リアルタイムで明確な道路交通状況の把握、売り上げ情報、デジタルカルテなどに有効利用することができ、あらゆるビジネスの発展へと繋がります。
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