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トルコ就職回想録 ~現地の生活に溶け込むことで、トルコ語の習得スピードが格段にアップ~

佐々木 優子
株式会社クロス・マーケティング グループ
グループ経営戦略部

佐々木 優子

2019 / 09 / 04

#コミュニケーション,#生活 文化,#気づき

トルコ就職回想録 ~現地の生活に溶け込むことで、トルコ語の習得スピードが格段にアップ~

トルコといえば、何を思い浮かべるでしょうか。ラクダ?砂漠?トルコ料理?まったくイメージがないという方もいるかもしれません。

新卒でトルコ就職、トルコ語レベルゼロからのスタート

私は日本の大学を卒業後、日系のメーカーのトルコ拠点に新卒で就職し、3年ほど勤務しました。ヨーロッパ大陸とアジア大陸をつなぐ場所に位置し、多種多様な人種・文化が混在するトルコでの生活は、とても新鮮で、毎日が新しい発見の連続でした。

従業員1,000人ほどの会社に日本人はたった7人。同僚はほとんどトルコ人。そのうえ、住んでいた町に外国人は少ないという環境の中、トルコ語漬けの日々を送りました。就職前からトルコ語の勉強をしていましたが、全然足りず、議題がわからないまま会議が終わったり、同僚との日常会話がままならなかったりと、孤独な時間を過ごしたことを今でも思い出します。入社当初は、地面を這うような重たい気持ちで通勤していました。

現地の生活に飛び込む!“謎”だらけの毎日が始まった

そういう状況からぬけ出すことができたのは、言語学習に頼らず、現地の人々の生活を実際に経験して、彼らの文化を自分の中に取り込めるようになったからだと思います。

「現地で生活すると、言語を早く習得できる」とよく言われますが、その通りだと思います。ただ、個人的には、その言語に触れる機会が増え、話さざるを得ない状況になるからというより、その言語を使う人々の視点で、彼らの生活を経験できることが大きいと思っています。

例えば、トルコはイスラム教を信じている人が90%以上を占める国で、朝はどこにいてもエザン(アザン)と呼ばれる朝のお祈りを呼びかけるモスクからの放送が聞こえてきます。自分はモスクに行かずとも、この大音量放送を毎日毎日聞いていれば、いつの間にか「エザン」というものを認識し、その言葉を聞いた瞬間に「エザン」が思い浮かぶようになります。


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他にも、トルコのドラマを見ていた時、不思議な場面がありました。母親が小さな子供に対して「Annecigim、Annem(私のお母さん)」と言うのです。お母さんが子供になぜ「お母さん」と言うのか、全く意味がわかりませんでした。トルコ人に聞くと、何か意味があるというよりは、愛情表現のひとつで、親が愛情を込めて子どもを呼ぶときの呼びかけ方だと分かりました。

 友人たちとピクニックに行った帰りにも、友人が発した言葉が理解できないことがありました。その友人は足をさすりながら、「Karasular indi(黒い水が下りてきた)」と言い出したのです。どういう意味か知らない私が、「病気になった?大丈夫?」と問いかけると、足が疲れたときに使う表現だと教えてくれました。「足に黒い水=足の疲労」なんて、思いもしなかったので驚きました。

 言葉だけでなく、トルコには様々なジェスチャーもあります。たとえば、人差し指を下に向けてクルクルまわすと、トルコ人がいつも飲んでいるチャイ(トルコの紅茶)の意味になります。レストランで少し離れた所にいるウェイターに「チャイがほしい」と伝えたいときには、このジェスチャーが便利です。


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他にも、片耳の耳たぶを指でつまんだ後、机をコツコツと何度かたたくと、「嫉妬の目に当たりませんように」という意味になります。これは、素晴らしいものや美しいものは人の目につきやすく、嫉妬や災いが起きやすいことから、それらを遠ざけるという意味があるそうです。

現地の生活に飛び込み、新しい単語や新しい表現に出会い、ボキャブラリーが増えると、会話に奥行きが生まれ、さらなる出会いにつながります。そうやって“違い”という壁を壊しながら、現地の方たちとの交流を深め、彼らの生活を理解していく過程で、トルコ語の習得スピードは、日本にいたときの2~3倍になったように思います。恥ずかしい間違いも数えきれないほど経験しましたが、トルコ語の上達のためには必要だったと思いますし、今は笑って話せるよき思い出です(笑)。

今は、トルコから遠ざかった生活を送っていますが、いつかまたトルコで働きたいという思いがあります。政情不安が伝えられるトルコですが、様々なポテンシャルを秘めた国だと思います。日本企業のトルコ進出も活発化しており、日本でも、今後さらにトルコの文化や人々のリアルな生活について、関心が高まっていくでしょう。私もトルコの“これから”を、ずっと応援していきたいです。

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