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Consultancy

株式会社TSI様
「顧客視点を根付かせる取り組みを支援」

株式会社TSI

調査に基づいた“ものづくり”がもたらす、新しいマーケティングの形

STORY

ファッションブランド特有の時代によって変化する消費者理解の難しさ

クライアントは国内外のアパレルメーカーやブランドを傘下に持つ株式会社TSI。ブランドやデザイナーのクリエイティブが重視されるイメージが強いアパレル業界を生き抜くには、クリエイティブの力だけでなく、時代の流れにそった消費者の理解とその変化に目を向ける必要がありました。その新たな視点でブランドを見直すために、2017年、マーケティング室を設置。しかし、チームを立ち上げてすぐ、ブランドの現状を知るためには“調査”が非常に重要な意味をもつことがわかりました。

「実際に“調査”を実施してから、企業やブランドの歴史やそこで働く人、ありたい姿などを理解する努力が調査の価値を左右することを感じはじめました。そして、調査結果に対して、単にそのファクトを鵜呑みにするのではなく、ブランドに携わるすべての社員にとっての“判断と決断”材料となることも理解しました。そこではじめて“調査結果”の価値を発揮できるものだと実感したのです」(株式会社TSI・加賀谷さま)

消費者への理解、そして調査に基づいた「共創プロジェクト」が変えるものづくり

消費者を理解するといっても、その方法はブランドによって異なります。共通項を探るとするならば消費者の「より良い人生を楽しむ」「より良い生活を楽しむ」に、とことん向き合うこと。そのためにできることとして、店舗やECサイトにおけるCX(カスタマー・エクスペリエンス)の向上があげられました。その調査や分析の手法としてNPS(Net Promoter Score)を導入。さらに市場調査などモニターを必要とする調査にはクロス・マーケティングのサポートを受け、消費者への理解を深めています。

NPSで消費者の顧客ロイヤリティを測ることにより、消費者のフィードバックに基づく改善サイクルが各店舗の日常的な行動に組み込まれ、組織文化が変わるきっかけに。さらに、店舗スタッフや本部社員もNPSを導入し、NPSのスコアを参考に次のアクションプランを考える場を設定しています。

「NPSはひとつの手段です。NPSのスコアとコメントをきっかけに、上司の指示や命令ではなく、個人個人が能動的に考え、チームとしての考えに昇華させるためにチームでアクションを考えて、実行に移すことが大事です」(株式会社TSI・加賀谷さま)

一方で、調査はものづくり、いわゆるファッションのクリエイティブ自体にも影響を与えました。ものづくりは消費者との“共創”ということで、クロス・マーケティングはターゲット層を決めるためのブランド調査からサポート。ブランド調査をした上で、ブランドのリアルなペルソナを形作り、消費者が本質的に求めているものを見つけ出すための市場調査を実施しました。

市場調査では「何が欲しいのか?売れそうか?」ではなく「今回ターゲットとする消費者がどのようなものを求めているのか?」という、本質的なWhatに向き合い、ヒントを見つけ出すという過程を繰り返しました。

顧客満足度を高めるためには消費者の不安や悩みといったネガティブな要素を解消する必要があります。一方、ブランドは洋服を買う時にワクワクする気持ちや期待を提供する必要もあります。その矛盾を解消するために、試作品をつくって定量的なモニター調査まで実施。このサイクルを複数回くりかえし、ペルソナが本質的に求めている商品に近づけていったのです。

「おかげさまで狙い通りにマーケティング室とブランドと共に目指した目標値は達成できました。ブランドとしても、今回の取り組みで得られた知見と情報を今後も活用していくという話なので、ブランドにとっても上手くいったという感触を得られました」(株式会社TSI・加賀谷さま)

知見と情報の獲得が導く、ブランドロイヤリティの向上

NPSや “共創プロジェクト”におけるクロス・マーケティングのサポートにより、これまでもブランドが顧客に提供できていた価値に加えて、新たに届けるべき価値や、新たなユーザーの一面を発見することができました。

さらに、ブランドのクリエイティブ担当者と店舗スタッフ間での会話が増えたというのも大きな成果のひとつ。これまでデザイナーが考える消費者像というのは具体的であるものの「点」で捉えられていました。しかし、そこに店舗スタッフとの会話や調査データを重ねることにより、消費者像がさらに深く、明確に浮かび上がってくるのです。それは結果的に、ブランド自体のロイヤリティ向上にもつながっていきました。

「“共創プロジェクト”のような取り組みは、あくまでもブランドが主体となってやるべきだと考えています。“共創プロジェクト“は消費者に答えを聞く場ではなく、消費者が求めている本質的なWhatを探り、学び、そして考えるためのヒントを求めるためにあるものだと感じました。ほとんど同じように見えても“こっちの方が良い”と感じさせることが大切です。デザイナーやクリエイティブの担当者が、そのちょっとした違いを生み出すことに集中するためにも、方向性を差し示す意味で“調査“はすごく大事な手法でした」(株式会社TSI・加賀谷さま)

その後、TSIのマーケティング室にはリサーチャーとしてマーケティングのサポートをすべくクロス・マーケティング担当者の席が置かれました。より密接に外部企業が業務に携わることにより、企業の視点に寄り添った具体的な話をすることができるのです。

「クロス・マーケティングさんには私たちのブランドを理解しようとするマインドを感じました。リサーチ会社として、調査とはこういうものですという型を押し付けず、型をベースに、それぞれの状況に合わせた「いま問うべき事」の調整に向き合ってもらっています。私たちも外部企業に丸投げの調査には懐疑的で、それではブランドが描くありたい姿に近づくための調査はできないと感じていました。なので、活動にコミットしてもらえるパートナーしてクロス・マーケティングさんに来ていただきました」(株式会社TSI・加賀谷さま)

アパレルは必需品でありながら嗜好品。選択肢が無限とある中で、自ブランドの商品を買ってもらい、さまざまな体験を通してロイヤリティを向上していくプロセスは、非常に複雑です。消費の在り方が変化している今、このような領域から生まれたマーケティングの好事例が、他業界を牽引していくことになるかもしれません。

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