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安全なスタジアムの実現を目指す浦和レッズ スポーツを通じた社会貢献は子供たちの笑顔で表現される

【前編】創設以来続けてきた「こころ」を育むハートフルクラブの活動がSDGsとつながった

2021 / 02 / 05

#コミュニケーション,#ブランディング

【前編】創設以来続けてきた「こころ」を育むハートフルクラブの活動がSDGsとつながった

Jリーグの浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)は、リーグ創設時から所属する10チーム「オリジナル10」と呼ばれるクラブのひとつ。クラブは1999年にJ2降格を経験したが、1年でJ1復帰を果たすと、2006年にはJ1リーグ優勝、2007年にはAFCチャンピオンズリーグ優勝とFIFAクラブワールドカップに出場するなど国内外の実績を残してきた。1992年の会社設立以来、Jリーグも掲げる地域密着活動に注力しており、ハートフルクラブなどの活動を続けてきた。2009年からは国連の友アジア−パシフィックと提携し、スポーツによる平和への貢献を目指す「SPORTS FOR PEACE!」プロジェクトや、「MDGs」に貢献してきた。国連が2015年に『SDGs』を策定したことを受け、浦和レッズも2019年から正式に参画を宣言、これまでも行ってきた活動を継続・発展させようとしている。浦和レッズのSDGsへの取り組みを同社コーポレート本部 課長 山内直氏に聞いた。

東アジアを中心に17カ国、のべ35回に及ぶ「ハートフルサッカーinアジア」

堀:浦和レッドダイヤモンズ(以下浦和レッズ)さんはJリーグのクラブとして、SDGsという言葉がない時代から、その理念に近い活動をされていると思います。SDGs参画の経緯と時期はいつになりますか。

山内:私たちは1992年の設立以前からスポーツの社会性(社会貢献)に取り組んでいました。「SDGs」の策定は2015年で、私たちの耳に届くようになってきたのはここ2〜3年だと思っています。浦和レッズは2009年に国連の友アジア−パシフィック(FOUNAP)と提携を結び「SPORTS FOR PEACE!」(SFP)プロジェクトを推進してきました。これはSDGsの前身にあたるMDGsにのっとった活動でした。


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 FOUNAPは国連本部の承認団体でもあり、SDGsにも策定以降参画し、活動をされていました。しかし、SDGsの認知が進まないことが課題になっていました。そこで、以前から協力していた私たちが一緒になって活動を広めていくことで認知の拡大と実現に貢献しようということになりました。そのことを正式に発表したのが2019年7月になります。

堀:「SPORTS FOR PEACE!」の活動はどのようなものですか。

山内:スポーツを健康や青少年育成、さらには平和へとつなげることを目指す国連のプログラム「SPORTS FOR DEVELOPMENT AND PEACE」に貢献する活動として、FOUNAPとともに行うものです。
 最も大きなものでSFPに該当する活動は「ハートフルクラブ」の活動です。「ハートフルクラブ」の活動はFOUNAPとの提携以前から行っている地域貢献活動を背景にしています。小中学生を中心に、サッカーを通じた活動で競技力の向上を主目的とするのではなく、精神面、「こころ」を育もうとするものです。
 サッカー教室や授業のサポートなどが主な活動で、埼玉県内はもちろんのこと、それだけではなく東日本大震災以降は東北地方でも「ハートフルサッカーin東北」を実施してきました。それを海外にも拡大したのがアジア版の「ハートフルサッカーinアジア」です。


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(写真提供=浦和レッズ)


 2007年のAFCチャンピオンズリーグ参加をきっかけにアジア各国でハートフルクラブによる草の根国際交流を開始しました。正確にはこれもFOUNAPと提携する以前から行ってきたものです。東アジアの国を中心に、これまで合計17カ国、のべ35回実施しています。

堀:国内では小中学生、海外でも同じくらいの世代を対象にしているのだと思いますが、反応はいかがですか。国内外で違いはあるのでしょうか。

山内:私自身が現地へ行っているわけではないのですが、ハートフルクラブからの報告を聞いていると笑顔が印象的だという話が多いですね。国や地域は関係なく、みんながサッカーをすることで笑顔になることに変わりはないようです。
 特に東北の被災地では、震災で大きなショックを受けて気持ちが不安定になる子供も多かったようです。そこでハートフルサッカーの取組みを通じて、子供たちに少しずつ笑顔が戻ってきたと聞いています。スポーツはそうした力を持っている、人々の感情を豊かにし、元気や活気を与え、そして「こころ」を育てることができるものだと感じます。子供たちの笑顔は運営するスタッフやハートフルクラブのコーチたちのモチベーションにもつながっているようです。

堀:「こころ」を育むというお話ですが、一般的にイメージするサッカー教室との違いは何でしょう。


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(写真提供=浦和レッズ)


山内:サッカー、スポーツに大切なのは技術やテクニックではなく「こころ」だと考えています。体を鍛えて、テクニックを身につけるだけでは上手くならないし、一流に近づくことはできない。最初にあるのは「こころ」。そこで1、仲間を信頼しおもいやる「こころ」、2、お互いに楽しむ「こころ」、3、何事も一生懸命やる「こころ」を身につけてもらうことを目指しているというのが目的になります。
 「こころ」を重んじる意識は浦和レッズの前身である三菱重工業・三菱自動車工業サッカー部時代から脈々と受け継がれるものだと聞いています。

~中編(2月26日配信予定)に続く~
浦和レッドダイヤモンズ株式会社
コーポレート本部 課長

山内 直

堀 好伸
株式会社クロス・マーケティンググループ
リサーチ・コンサルティング部 コンサルティンググループ コンサルティングディレクター

堀 好伸


<プロフィール>
生活者のインサイトを得るための共創コミュニティのデザイン・運営を主たる領域とする生活者と企業を結ぶファシリテーターとして活動。生活者からのインサイトを活用したアイディエーションを行い様々な企業の戦略マーケティング業務に携わる。「若者」や「シミュレーション消費」を主なテーマに社内外でセミナー講演の他、TV、新聞などメディアでも解説する。 著書に「若者はなぜモノを買わないのか」(青春出版社)、最近のメディア出演「首都圏情報 ネタドリ!」(NNK総合)、「プロのプロセスーアンケートの作り方」(Eテレ)

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