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三和交通、自由な発想でタクシー業界に新風 ー 第2回 話題化と拡散を狙った企画

吉川 永一
三和交通株式会社
代表取締役社長

吉川 永一

2017 / 07 / 21

#ブランディング,#差別化,#車 バイク

三和交通、自由な発想でタクシー業界に新風 ー 第2回 話題化と拡散を狙った企画

 ゆっくり走る「タートルタクシー」では、プレスリリースを出した後、情報が世の中に拡散されていく流れを体感できました。ユニークなネタにはまずウェブメディアが集まり、そこからまとめサイトなどで取り上げられると新聞や雑誌からの問い合わせが入り、さらに新聞記事がポータルサイトのニューストピックスとして取り上げられると爆発的に拡散し、最終的にテレビから取材が来るという流れです。

PRの力を最大限に活用する

 ゆっくり走る「タートルタクシー」では、プレスリリースを出した後、情報が世の中に拡散されていく流れを体感できました。ユニークなネタにはまずウェブメディアが集まり、そこからまとめサイトなどで取り上げられると新聞や雑誌からの問い合わせが入り、さらに新聞記事がポータルサイトのニューストピックスとして取り上げられると爆発的に拡散し、最終的にテレビから取材が来るという流れです。

 こうしたPRの力を活用しようと、企画を考えるようになりました。それが「心霊スポット巡礼ツアー」や「タクシー流鏑馬(やぶさめ)」といった企画です。
 「心霊スポット巡礼ツアー」は、いわゆる心霊スポットと呼ばれる場所をタクシーでめぐり、最後に私たちの事業所内で、お札を取ってきてもらうなどのアトラクションをセットにしています。心霊スポットを回っても実際に何かが起こるわけではないので、最後に社員によるイベントを用意して、ちょっとしたスリルを味わっていただき、お客さんに「楽しかった」と満足して帰ってもらうようにしています。私がアイデアを出した当初は、クレームが来るのではないか、と社内から反対意見も出ました。それでもウェブメディアに取り上げてもらえるような企画で、新卒学生にタクシー業界に興味を持ってもらいたい、と2015年に実施し、2017年も継続する人気企画になっています。
 「タクシー流鏑馬」は、馬の代わりに走るタクシーの窓から矢を放つというゲームイベントです。本物の弓矢を使うことは断念しましたが、スポンジの弾を的に当てるこのイベントは、お子さんをはじめとする参加者だけでなく、ドライバーも楽しんで取り組んでくれました。

 こうした企画をしていくなかで、社外の企業とのコラボレーションも生まれました。「心霊スポット巡礼ツアー」を夏野剛さんにニコニコ生放送で配信していただいたことをきっかけに、ドワンゴさんと組んだ車載放送を行っています。カメラを設置したタクシーに、ニコニコ生放送で有名な配信者さんが乗って生中継をするというものです。横浜の有名観光地ではなくディープな裏スポットをめぐる車載放送は、人気の中継となり、この内容を実際に体験できるツアーもできました。

 他社との取り組みではほかに、ブランディングの一環としてホワイトデーにカンロさんののど飴を配りました。これは、もともと女性のドライバーがバレンタインデーにチョコレートを配りたいという希望から始まっています。私たちはドライバーが私物の飴などを渡すことを品質管理の面などから禁止しています。そこで、公式にカードをつけて市販のチョコレートを購入して実施していました。2017年のホワイトデーでは、カンロさんに、サンプリングにもなるということで協力いただき、コラボレーションが実現できました。ホワイトデーのわずか1日の実施でしたが400台で2万4000個近く配布することができました。


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新しい企画ができると、まずはステッカーを作って配布。それが実効性を高めるコツ。

アイデアを実現化する「ステッカー」

 昨年からは「ドローンタクシー」「ロボットのタクシー」といったエイプリルフール企画も始めています。サービスを紹介するWeb動画を制作して話題化しようというものです。これらの企画は、今のところ私のひらめきがもとに始まっています。意表を突いたものでないと話題化しない面もあるので、日々、思いついたタイミングで社員と話をしながら進めています。


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エイプリルフールのコンテンツとして話題になった「ドローンタクシー」


 これまでに経験がないアイデアを実現するために、工夫しているのが、企画が始まると同時にロゴを作って、ステッカーにして配布することです。企画の内容をドライバーに丁寧に説明することも大事ですが、“ロゴもできているし、もうやるしかない”という状況をつくって、実効性を高めています。ロゴが先にあると、新しい企画のイメージが共有しやすいという利点もあります。

 このステッカーは、サービス向上にも活用しています。ドライバーの技量を表す「新人」「熟練」「達人」といったステッカーを用意し、乗車時に目につきやすいところに貼っています。そうすることで、お客さまとドライバーとのコミュニケーションを円滑にすることもできています。「熟練」「達人」のステッカーが貼れるのは、私たちが実施しているモニタリングの結果、条件を満たしたドライバーに限られます。

 次回はサービス向上を目的としたモニタリングチェックについてや、今後のサービス展開についてお話しします。


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「達人」ステッカーは、知識や接遇面において優秀と認められたドライバーのみに認められる証。

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