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寺田倉庫、倉庫業から「余白」を創造するプロフェッショナルへ
第3回 ワイン、アートの保管と付帯サービス
2017 / 09 / 15
他社と「minikura」のコラボレーションによって、私たちの名前を知っていただく場も増えています。新サービス提供開始といった記事がメディアで紹介されると、パートナー企業に関心のある方にも寺田倉庫の存在を知ってもらうことができます。
利用者の広がり
他社と「minikura」のコラボレーションによって、私たちの名前を知っていただく場も増えています。新サービス提供開始といった記事がメディアで紹介されると、パートナー企業に関心のある方にも寺田倉庫の存在を知ってもらうことができます。「minikura」そのものは、幅広い方に利用していただけるサービスだと考えており、特にターゲットは絞っていませんが、他社とのコラボレーションでは、例えばフィギアコレクター向けのお預かりサービスといったように特色が出るようになっています。
「minikura」の認知向上のための施策としては、サービスと親和性の高いWebを中心に展開しています。ニュースやリリースによる情報発信を強化していて、記事などからオーガニック検索でサイトへ来てもらうことが最も効率的だと考えています。こうした狙いもあり、以前は月にリリースを3本以上出すことを目標にしていたこともあります。
既存事業の変化
「minikura」を始めたことで、ワインセラーやアートなどの既存事業にも変化が生まれています。どちらも保管庫の温湿度管理が必要で、専門知識のある倉庫業の強みを生かせる領域ですが、商品の保管のみにとどまらず、より利便性の向上を図ったサービスを充実させています。その一つが「minikura」のように商品を1点ずつ個品管理できる「TERRADA WINE STORAGE」です。このサービスは、お預かりしたワインを1本1本写真撮影し、オンライン上で確認できるだけでなく、産地やヴィンテージなどのデータも当社で入力しています。そこに、そのワインに関する思い出や購入場所などを入力していただくこともできますので、お客様だけのワインノートが出来上がるようになっています。ゆくゆくはワインのマーケティングにも活用できるような、データベース化も進められるのではと考えています。
利用者がクラウド上で管理できるようにしている。当日の配送にも対応。
アートについてもこれからですが、預けていただいている美術品のオンライン管理や、保管されている美術品の査定や売却代行といった対応をしていきたいと考えています。
今後も、「minikura」のプラットフォームを使ってサービス展開するパートナー企業を増やしていきたいと思います。「minikura」を介してたくさんのパートナーが集まれば、その企業が何をしたいと考えているか、どのように成長しているのかという情報も集まります。そうすれば私たちの新たなサービス開発や価値の提供につながり、共に成長していくことができます。多くの企業とこうした関係性を作ることによって、“倉庫を持つなら「minikura」”と言われるような存在になりたいと考えています。
どんなサービスも作って終わりではなく、状況に応じて変化していく必要性を感じています。私たちは「余白」をつくるプロフェッショナルとして、時代やニーズを捉え、日々変化を続けていきたいと考えています。
地震による保管品の落下、破損を防止している。