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SPFで農業を未来へつなぐ アグリゲート
第1回 消費者視点で食農業界を変える

2018 / 02 / 09

#食品 料理,#ブランディング,#消費市場

SPFで農業を未来へつなぐ アグリゲート<br>第1回 消費者視点で食農業界を変える

 私たちは2009年に創業し、2010年の株式会社化を経て2013年10月に「旬八青果店」1号店をオープンしました。2017年3月からは「旬八キッチン」をオープンし、野菜を使った惣菜や弁当を販売しています。青果の生産、物流、製造、販売の全ての過程に関わり、ミッションとしている「未来に“おいしい”をつなぐ」ために事業を展開しています。今回は、私たちが食農業界において、どんな思いをもって事業に取り組んでいるのかを紹介します。

生産から販売までを一気通貫する「SPF」の構築を目指す

 私たちは2009年に創業し、2010年の株式会社化を経て2013年10月に「旬八青果店」1号店をオープンしました。2017年3月からは「旬八キッチン」をオープンし、野菜を使った惣菜や弁当を販売しています。青果の生産、物流、製造、販売の全ての過程に関わり、ミッションとしている「未来に“おいしい”をつなぐ」ために事業を展開しています。今回は、私たちが食農業界において、どんな思いをもって事業に取り組んでいるのかを紹介します。

 創業から旬八青果店の第1号店をオープンするまでの間、営業コンサルティングの仕事をしながら、「Agrimart」というブランドでネット販売や、催事への出店で青果販売を行っていました。販売の現場を経験していくなかで、お客さんからたくさんの要望をもらい、また私たちもひとりの消費者として考えたときに、需要に対して十分な商品やサービスを提供できていないと感じ、改善したいと思う点がありました。

 産地からの出荷や配送など、販売までの過程で起こる問題を肌で感じ、そこから見えた最適なソリューションが、私たちの構築する生産、物流、製造、販売までを一気通貫するSPF(Speciality store retailer of Private label Food)です。アパレル業界の製造から小売りまでを一貫して行うSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)の食農業界版です。


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食農の業界で生産から流通・販売(消費)までを一気通貫させたビジネスモデル

農産物の生産から販売に至る過程では、各プロセスに存在感の大きなプレーヤーがいます。代表的なところで言えば、JA全農(全国農業協同組合連合会)をイメージしがちですが、全農が関わっているのは生産プロセスにあたる部分で、そこから先は仲卸や市場など、プロセスごとに大小のプレーヤーが存在しています。

 これらのプレーヤーは、各プロセス内で自分達の事業が確立しているため、変化の必要性を感じにくく、また別のプロセスに働きかけようという意識も生まれにくい構造になっていたのだと思っています。私たちはネット販売や催事を通じて、農家の方や消費者と接し、そこをつなぐ物流での苦労を一通り経験したことで、変化の必要性と意識を持つことになりました。

消費者のニーズと食農業界の思いをマッチングさせる

 そもそも「食べる」ということは生きていくために必要不可欠であり、そのための農業、食にまつわる産業は基幹産業であるべきものです。しかし、現実的には農家はそれほど儲かる仕事ではなく、それゆえに希望や熱意を持った人が参入しにくい業種になってしまっています。

 基幹産業ゆえに儲けを度外視で、という見方もあるかもしれませんが、それでは作り手は疲弊する一方です。私たちは、良いもの、美味しいものを食べてもらおうと努力している人たちや、それを売る人、その間をつなぐ人がしっかり稼ぐことができる環境を作りたいと考えています。地方で作られる美味しい野菜を、都心でも手頃な価格で手に入れられる、美味しい野菜を作る人がきちんと稼ぐことができる業界にしたいと考えています。

 SPFの各プロセスでの問題は、求められる商品を欲しいと思う消費者に届けるという物流だけのものではなく、生産者側にもあります。近年は生産者の顔写真をつけたり、泥付きのまま販売したりすることで安心感や安全性を訴えることも増えてきました。それらの取り組みそのものは良いのですが、消費者が本当に求めている形で提供できているかという点では疑問が残ります。

 農家がこだわりを持って生産していることは良いことですが、ときにそのこだわりは一方通行的になってしまっていることもあります。泥付きのまま出荷することは、安全性を訴えるためだけではなく、泥を落とすコストを省くことで買いやすい値段で消費者に提供するための手段であると捉えることもできます。生産者のこだわりも、それが行き過ぎて消費者の手が出ない価格になっては意味がありません。

 これまでの食農業界には消費者視点が不足していたと感じています。生産から店頭までのプロセスに携わる人たちの思いを、付加価値として適切に表現できていなかったのです。

 私たちは消費者としての視点で、また旬八青果店を通じて集めた消費者の声から、人々が日々どんな生活を送り、いつ、どのような商品を求めているのかを考えています。消費者が求めるものを、どうすれば提供できるのかを考えながらSPFを構築し、改善しています。

 今、このSPFが機能しはじめているのは、食農業界の各プロセスに携わる人々の思いと、消費者のニーズをうまくマッチングさせられたからなのではないかと感じています。私たちのSPFは、日々の事業展開で感じる課題や問題に合わせてアップデートを続けています。そうして生まれた取り組みが「旬八大学」であり、近年注力しているIT技術の導入による業界全体の改革なのです。

 次回は、旬八大学での取り組みについてお話します。


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旬八青果店の中目黒駅前店


左今 克憲
株式会社アグリゲート
代表取締役

左今 克憲

大矢 寛
株式会社アグリゲート
CTO

大矢 寛

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