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所有から利用へ 自動車の乗り分けを実現する「Anyca」 ー 第2回 イベントを通じて生まれる車好きのコミュニティ
2018 / 09 / 21
CtoCのシェアリングサービスでは、利用者の生の声「口コミ」が広まっていくことが重要になります。利用した人に「安心」「安全」を感じてもらい、それが人づてに伝わることで、Anycaを使うことへの心理障壁を下げていきます。
利用者の声が人づてに伝わることが最大のプロモーション
CtoCのシェアリングサービスでは、利用者の生の声「口コミ」が広まっていくことが重要になります。利用した人に「安心」「安全」を感じてもらい、それが人づてに伝わることで、Anycaを使うことへの心理障壁を下げていきます。利用した人に口コミをうながし、人に紹介してもらうための仕組みを整えています。友達にアプリを紹介した人に対するポイント付与や、オーナーにAnycaを紹介してくれた人に対する優待制度を用意しました。また、ソーシャルメディアにハッシュタグをつけて投稿することでポイントを付与するキャンペーンも定期的に実施しています。
SNSへの投稿は、フォロワーから「車買ったの?」という反応が来ることもあり、そのコメントの流れでAnycaを自然に知ってもらうことにもつながります。コメントは他のフォロワーにも見えるので、拡散にもつながります。
SNS以外にも、動画サイトやブログなどで個人的に発信している人も存在しています。私たちも公式にオウンドメディアを持っていて、利用者の声や、サービスを伝えていますが、実は、このオウンドメディアで取材や記事を作成してくれている人たちも、利用者としてAnycaを使っているファンの方々です。
彼らは、ある意味では運営している私たちよりもAnycaのサービスに詳しい。ある車のオーナーに会っただけで、どこで、いくらでシェアしているかを知っていることもあるほどです。利用する側として、どこに楽しさがあるか、どこに不安を感じているかをよく理解しています。
オウンドメディアでは、もともとAnycaのYouTube動画を制作していた利用者に、Anycaを楽しんでいる様子がわかる動画を作ってもらいました。公式のメディアで、私たち運営側がサービスの良さを伝えようとしても、その正当性にかかわらず、利用者に与える安心感には限界があります。そこで、実際に利用している人たちの力を借りることで、サービスの魅力を、より「自分ごと」に近づけて知ってもらえるのではないかと考えています。
ファンが直接参加するオウンドメディアを運営している
撮影会イベントでオーナーの満足とサービスの充実を高める
サービス開始当初、オーナーを集めるために、ある車種のオーナーが集まるイベントへ行ってAnycaの紹介をしていました。そうして、ドライバーが「乗りたい」と思う車を持っている人を集めていました。現在は、私たち自身でイベントを主催し、Anycaの魅力を伝え、サービスを向上させるために活用しています。オーナー向けの説明会や撮影会、サーキットでの走行会、希少車の試乗会など、さまざまな種類のイベントを実施しています。説明会では、私たちがサービスや、シェアをしてもらうためのコツをお伝えしています。また、撮影会イベントは、ほぼ隔週で実施しており、現在Anycaに登録されている車で、Anycaのクレジットが入っている画像は、この撮影会で撮った写真です。
撮影会では自分の愛車をプロに撮ってもらうことができる
撮影会に来る人は、当然車好きなので、他のオーナーさんとの交流が生まれます。同じ車のオーナーや、希少車種のオーナーどうし、あるいは憧れの車のオーナーと知り合う機会になっていて、普段はあまり話す機会のない、自分の車についてのこだわりなどを披露する場にもなっています。これらのイベントをきっかけに、リアルの繋がりが生まれ、飲み会などのいわゆる「オフ会」に発展することもあります。
イベントはオーナー同士だけではなく、ドライバーも参加できるものもあるので、オーナーとドライバーが直接つながる機会にもなっています。最近ではAnyca利用者が幹事となって実施する「Anycaカートグランプリ」のようなイベントもあり、Anycaを介した車好きのコミュニティが生まれはじめています。
次回は、自動車メーカー、中古車販売業界との取り組みや今後についてお話しします。