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デジタルマーケターの心得
第3回 プロモーションを成功に導いた5つのポイント

宮野 淳子
日本ロレアル株式会社
コンシューマー事業本部 ロレアル パリ事業部 デジタル マーケティング マネージャー

宮野 淳子

2014 / 04 / 04

#テクノロジー,#美容 健康,#メディア

デジタルマーケターの心得<br>第3回 プロモーションを成功に導いた5つのポイント

前回は、「ロレアル パリ」が実施したオンライン動画の活用事例を紹介しました。このプロモーションが成功した要因は、大きく5つあると考えています。

社内の理解をいかに得るかが鍵

前回は、「ロレアル パリ」が実施したオンライン動画の活用事例を紹介しました。このプロモーションが成功した要因は、大きく5つあると考えています。

まずは(1)動画というプラットフォームの可能性を見極めたことです。私たちが持っているYouTubeのチャンネルを閲覧するユーザーの年齢層や滞在時間、サイト訪問時の検索ワードを分析しました。その結果からターゲットである層の女性に対してリーチできると判断しました。加えて、動画を作るだけではバイラルを起こさないので、見てもらう手段としてYouTubeに広告を出しました。

次に(2)ターゲットの拡大です。商品のターゲット層に限定してしまうと動画を見てもらう可能性を狭めてしまいます。なので、ターゲットの範囲を広げて、年齢だけでなく、男女の区別なく見てもらうことでバイラルを起こして、最終的にターゲットにリーチするという考え方をとりました。

3つ目は、(3)最初の5秒にインパクトを持たせたことです。YouTubeの動画はスキップすることができるので、最初の5秒で見る人の目を惹いて、動画を全編見てもらえるものにすることを意識しました。

そして(4)社内の説得と理解。これは必須です。今回は、オンライン動画を使うことで消費者をどんな動線で店頭へ送るのかというフローを作り、成功の図式と、施策によるメリットを提示しました。また、目標とする閲覧数をとるためには、ひとつの閲覧にいくらのお金がかかり、サイトへの滞在時間はどれくらいになるかといったシミュレーションを行い、数字による裏付けも行いました。

予算については、例えばサンプリングでも、コストを下げる指示が出されることがあります。下げられない場合は、その指示の真意が何かを考え、コストを下げなくてもうまく効率化する代案を提示して、結果を出すことが常に求められています。こうして上司やブランドマネージャーといった社内の上層部を説得しながら、もう一方で、社内の他部署などにも理解を求めました。Webのプロモーションはまだまだ社内でも理解が進んでいないので、デジタル広告がどいうったものか、動画や資料を作って認知向上に務めました。

最後は(5)社外の協力会社との連携です。プロジェクトに関わるクリエイティブエージェンシーやメディアエージェンシーなど全ての方々の協力なくして進めることはできません。社内だけでなく、社外の方ともチームワークを構築することは欠かせません。ここまでに挙げた、5つの要素を実現するためには多大なエネルギーがかかります。そういう意味では、そのためのパッションも必要だと思います。


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相互理解のために自ら動く

今回の施策を振り返って、デジタル部門が社内で孤立しがちなことに気づきました。「データドリブンマーケティング」や「DMP」と言っても、専門用語は社内でも理解が進んでいません。相互理解が不足すると、ますます孤立していきます。なので、デジタル部門には、社内スタッフのデジタル教育も役割のひとつとしてあると考えています。デジタル部門が会社の成長のためにどのような貢献をしているかを理解してもらうためにも、社内のデジタルリテラシーの向上が必要です。
具体的には、勉強会を開いたり“ヤフーがECを無料開放”といったデジタル系のニュースがあればわかりやすく作ったお手製のメールマガジンを配信したりしています。ほかにも、社内の立ち話に加わって、デジタル部門の可能性を理解してもらうといった地道な活動もしています。社外の関連会社についても、社内ではデジタル系の代理店は認知度がまだ高くないので、私たちのパートナーがいかに優れているかをアピールすることもしています。
私たちの取り組みに対して社内でネガティブな意見や見方があった場合でも、しっかり資料を出して説明することで社内の理解を深めることができれば良いと考えています。
社内外での理解が進むと、私たちのチームへの信頼が高まり、予算についてもよりスムーズに認めてもらえるようになります。デジタルのエキスパートとしての認知を上げ、社内のデジタルリテラシーを向上させることで、チームのプレゼンスを上げながら信頼関係を構築することが非常に重要です。
世界ナンバーワンの化粧品会社として、良い商品をお届けすることはもちろん、日本の女性のマインドを美しく変えるという使命もあります。これからも、その使命を果たすべく、感情に響くマーケティングを続けていきたいと思っています。

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