インバウンド消費を発掘せよ 第1回 中国富裕層の嗜好を現地で学ぶ | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2015/9/18

インバウンド消費を発掘せよ
第1回 中国富裕層の嗜好を現地で学ぶ

インバウンド消費を発掘せよ<br />第1回 中国富裕層の嗜好を現地で学ぶ

インバウンド向けでは初の大規模プロモーション

パナソニックは、2015年の3月に炊飯器「Wおどり炊き」シリーズのツーリストモデル発売に合わせて、訪日外国人観光客による「インバウンド需要」開拓に向けたプロモーションを強化しています。7月には羽田空港で大規模な展示イベントを実施しました。これからの3回のコラムで私たちの取り組みをご紹介します。

羽田空港国際線ターミナルで7月9日から20日まで実施した

羽田空港国際線ターミナルで7月9日から20日まで実施した

ツーリストモデルとは、日本国内で購入した製品のメーカー保証を、帰国した先でも受けることができる製品のことです。パナソニックでは、今のところ炊飯器、ジャーポット、加湿空気清浄機、デジタルカメラ、電気シェーバーと温水洗浄便座をラインナップとして展開しています。今回のインバウンド向けプロモーションの強化には、メーカーとして現地でも保証されている商品をきちんと消費者の皆さんに届けようという狙いもあります。

インバウンド向けプロモーションは、主に東アジア・中国からの観光客の方をターゲットとして想定しています。これは、海外からの観光客の70%近くが中国、韓国、台湾、香港といった東アジア4カ国であるという調査結果から設定したものです。中でもお土産の購入単価が高い中国からの観光客の方に注目しています。

3月にツーリストモデルのプロモーションを強化する前から、インバウンドを意識した売り場や、簡単な製品紹介付きのカタログはありました。ただ、今回のような規模のイベントやキャンペーンを実施するような体制ではありませんでした。訪日観光客が増えるにつれ家電製品の市場が伸びており、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催へ向けてさらなる上昇が見込まれています。そんな中で、メーカーとしてもっと商品の魅力を伝えていく必要性を感じていました。

上海は東京以上に洗練されている

今回、炊飯器を中心にしたキャンペーンを展開したのは、フラッグシップモデルが発売されたことが理由です。カタログに掲載されているツーリストモデルは全般的にインバウンド需要が大きいものです。為替や関税の関係もあり、自国で購入するよりも、低価格で良いものが買えるということもあるようです。

カタログやWebサイトの作成にあたっては、実際に中国へ行き、彼らがどんなものを好むかなどのリサーチを行いました。また、パナソニックの現地法人のスタッフからもアドバイスをもらいました。私たちが考える海外からの旅行客が好む「日本らしい」イメージの打ち出しは、意外と現地の人たちに受け入れられておらず、そのギャップは想像以上でした。現地法人のスタッフからは「上海などは世界有数の都市で、ある面では東京以上に洗練されているため、もっと商品の良さを真剣に伝えないとダメだ」という指摘があり、日本のものづくりの良さを表現することを重視しました。

Webサイトは羽田空港でのイベントに合わせて公開し、製品紹介とともに「100モノ語り」という日本のものづくりへのこだわりを伝えるWebコンテンツも作成しました。収録されている映像自体はもともとあったものもありますが、外国人は日本のものづくりでも「精緻さ」を評価しているということもあり、そのイメージに合わせて編集と再構成し、そこに中国語と英語の字幕をつけました。

日本のものづくりへのこだわりを伝えるWebサイト「100モノ語り」(写真は中国語ページ)

日本のものづくりへのこだわりを伝えるWebサイト「100モノ語り」(写真は中国語ページ)

海外では日本よりもスマートフォン普及が進んでいるところが少なくありません。プロモーションにおいてもSNSや動画を活用したものに対する浸透率が高く、Webサイトの閲覧や動画視聴もスマートフォンからが多いという情報もあります。外国人観光客の方へのアプローチは、SNSやアプリでの発信が効果的ではないかと考えています。

次回は、羽田空港でのイベントについて詳しくご紹介します。

パナソニック株式会社 アプライアンス社 コンシューマーマーケティングジャパン本部
コミュニケーショングループ クリエイティブチーム
高須 泰行
パナソニック株式会社 アプライアンス社 コンシューマーマーケティングジャパン本部
コミュニケーショングループ プランニングチーム
由良 拓也

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