ログインログイン

ご相談・お見積り依頼 ご相談
お見積り依頼

資料DL 資料DL

検索 検索

Insight Scope

  • インサイトスコープ

工房一体型店舗のBAKE、お菓子を進化
第2回 明確なブランドコンセプトの確立

黄 珊珊
株式会社BAKE
マーケティング統括部 部長

黄 珊珊

2017 / 11 / 24

#食品 料理,#ブランディング

工房一体型店舗のBAKE、お菓子を進化<br>第2回 明確なブランドコンセプトの確立

 商品開発では10人中8人が好きと感じる、「8割主義」を重視しています。新たに進出するカテゴリーでも「8割主義」が生かされています。アップルパイやシュークリームは、ほとんどの人が小さい頃から慣れ親しみ、好きだと感じているスイーツだと思います。そういったカテゴリーにあえて進出しているのは、私たちがお菓子のおいしさをひとりでも多くの人に届け、幸せになってもらいたいと考えているからです。

商品開発でこだわる「8割主義」

 商品開発では10人中8人が好きと感じる、「8割主義」を重視しています。新たに進出するカテゴリーでも「8割主義」が生かされています。アップルパイやシュークリームは、ほとんどの人が小さい頃から慣れ親しみ、好きだと感じているスイーツだと思います。そういったカテゴリーにあえて進出しているのは、私たちがお菓子のおいしさをひとりでも多くの人に届け、幸せになってもらいたいと考えているからです。

 8割の人が知り、好むカテゴリーだということは、一方で市場が成熟していることも意味します。つまり、私たちのブランドは常に「後発」として参入することになります。競合ひしめき合い、しのぎを削っているカテゴリーで認知を得るために大事なのはブランディングです。私たちがここまで支持されているのは、製菓業界の常識にはとらわれないブランディングを行ってきたからだと感じています。

 ただ、商品そのものは「8割主義」で、誰が食べても好き嫌いのないものであることを重視しています。素材や製法にこだわりながら、みんなに愛されるものを目指しています。私たちの代表的なブランド「BAKE CHEESE TART」の前身となる北海道の「きのとや」で販売していたチーズタルトにはブルーベリーが入っていました。しかし、ブルーベリーには好みがあり、より多くの人に食べてもらいたいという狙いで、「焼きたてチーズタルト」にはブルーベリーを入れませんでした。4月に誕生した「PRESS BUTTER SAND」も、一般的に「バターサンド」といえばレーズンが入っているイメージですが、レーズンは好き嫌いの分かれる食材なので、あえて入れずに商品化しています。

コンセプトを明確にする

 商品そのものは多くの人に愛されるように作りながら、コンセプトやパッケージでキャラクターを際立たせ、ブランドとしてのキャラクターを立たせるようにしています。「PRESS BUTTER SAND」の場合は、差異化のためにターゲットを30代から40代の男性に設定しました。ブランドコンセプトを「HONEST ENGINEERING」と定め、金型で挟んで焼く製造工程もふまえて、あえて職人的、工業的な雰囲気づくりをしています。パッケージや店舗デザインもこのイメージを元にデザインされています。

 ターゲットは男性になっていますが、パッケージなどのデザインでは、男性にしか受入れられないものにならないよう気を使いました。近年男性の物や男性風の物を買ったり、着たりすることが一部の女性の間でトレンドになっています。男性向け、女性向けという明確な線引きはあまり意識されないようになってきていると感じており、男性をターゲットにしつつ、女性にも受入れてもらうことは可能だと考えました。

 新たなカテゴリーへ進出するときには、商品の大枠がおおよそ決まってきた段階で、ターゲット層とペルソナを考え、そこに合うブランドのキャラクターとストーリーを固めていきます。この際、マーケティングとクリエイティブで行う議論にはとても時間をかけています。ペルソナが見えてくると、より具体的にイメージを共有するために、社内で一番近い人を探し、その人ならどうするか、という形で話をしています。最初に明確なブランドキャラクターを設定しなければ、後にブランドのあり方がぶれていく原因になると考えるからです。



20171124_02

30~40代の男性をターゲットにした、「PRESS BUTTER SAND」




 私たちは基本的に1ブランド、1商品で、複数のブランドを展開しています。立ち上げの前に社内の既存ブランドとキャラクターが似ていないか考えながら進めています。「BAKE CHEESE TART」は黄色、「PRESS BUTTER SAND」はグレーとオレンジというように、ブランドにはそれぞれカラーがあり、これもブランドのキャラクターを表現するものとしています。

 店舗のデザインも、それぞれの店にコンセプトがあります。商品を良く見せるという基本は維持しながら、京都なら日本家屋の特徴を生かした店構えにするなど、出店する地域の特徴などにもインスパイアされて作っています。

 これまで、こうした商品開発は創業者の長沼が起点となり、ある種プロダクトアウト的な形で進んでいました。しかし、8月に長沼が会長となったことを契機に、商品開発においては、よりマーケティングを重視する形にシフトしていくことになると考えています。

 次回は、自由が丘店でのイベントやコラボレーション、オウンドメディアについてお話しします。





20171124_03

古民家をリノベーションした京都寺町店



Related Column/ 関連コラム

Cross Marketing ホーム

コラム

インサイトスコープ

工房一体型店舗のBAKE、お菓子を進化
第2回 明確なブランドコンセプトの確立