ecbo cloakの荷物預け体験から生まれる新たな出会い 第2回 預かる側と預ける側双方の「安心」「安全」を高める | リサーチ・市場調査・マーケティング

インサイトスコープ
2018/8/3

ecbo cloakの荷物預け体験から生まれる新たな出会い 
第2回 預かる側と預ける側双方の「安心」「安全」を高める

ecbo cloakの荷物預け体験から生まれる新たな出会い <br />第2回 預かる側と預ける側双方の「安心」「安全」を高める

コインロッカーよりも高いセキュリティを実現するために

 荷物を預けるお客さまは、店舗の空きスペースに荷物を預けるとなると、荷物の安全が保たれるかどうかが心配事となります。預けた荷物の破損や、盗難が発生することはサービスとしては致命的です。
 一方で荷物を預かる店舗も、見ず知らずのお客さま、しかも言葉が通じないお客さまが来る場合もあり、コミュケーション面での不安があります。これもまたサービスを展開するにあたっては重要な課題となります。

 ライドシェアリングサービスの「Uber」では、乗客とドライバーが相互評価することで双方のクオリティを維持しています。これは他の多くのシェアリングビジネスでも踏襲されている仕組みです。私たちもこれを参考に、荷物を預けたお客さまが店舗のレビューをできる仕組みを導入しています。これによって、レビュー評価の低い店舗は自然と淘汰されていくと考えています。

 「ecbo cloak」では荷物を預かる店舗の受け入れ体制やセキュリティ面、安全面など、私たちが定める基準を満たす店舗だけが「ecbo cloak」のプラットホームに載ることができるようにしています。

 また、荷物を預ける側も、利用時に氏名、電話番号やメールアドレス、クレジットカードなどの個人情報の入力が必須になっています。こうして、荷物を預かる店舗、預けるお客さま双方に「安心」「安全」を感じてもらうことで、利用しやすいサービスを目指しました。

 

ユーザーとオーナをつなぐプラットホームを提供する

 加えて、荷物の破損や盗難という心配に対して、東京海上日動火災保険株式会社の協力を得て、私たちの企業として包括契約する形のオリジナルの保険を開発しました。これによって、お預かりした荷物に万が一のことがあった場合にも、1アイテム20万円まで補償することができるようになっています。

 通常であれば旅行保険のように、預ける際にその都度保険に入ることになりますが、私たちのサービスに付帯しているこのオリジナル保険であれば、面倒な手続きは不要です。この保険を用意することで、荷物の預かりを検討する店舗さまが「ecbo cloak」を導入するハードルを下げることができ、預けるお客さまにとってもより安心して利用することができるようになると考えています。

 私たちのサービスが存在感を発揮できているのは、「安心」「安全」に対して、しっかり考え、準備をしたからだと思っています。私たちの株主には駅のコインロッカーを所有するJR東日本やJR西日本がいますが、コインロッカーは匿名性が高く、無人なため、ある意味なんでも入れることができますし、預けたまま放置することも可能です。そういう意味では、「セキュリティに関しては私たちの方が高い」と評価してもらっています。

 

各地域に根付いた企業団体との連携で、サービスエリアを拡大

 「ecbo cloak」のサービスエリアは、日本全国に広まっています。東京、京都、大阪、福岡、沖縄、北海道といった観光客の集中する都市が店舗や施設も多くなっていますが、それらの主要エリアを含め現在37都道府県で私たちのサービスを利用できます。2018年中には47都道府県への拡大、全国1万店舗を目標にしています。

 とはいえ、私たちもまだ人員的なリソースは十分ではありません。東京近郊以外の店舗を開拓するにあたっては、企業や現地自治体との連携で進めています。関西ではJR西日本と提携し、店舗拡大をお願いしています。福岡には、担当者を常駐させていた時期もありますが、今はほかの地域と同様、地元の商店街などの協力を得ています。愛媛では、商店街の活性化を目的に設立された会社、沖縄は地元の旅行代理店と提携しています。

 地方では、インバウンドの観光客増加を期待しつつも、受け入れのための設備投資に課題がある場合が少なくありません。資金ももちろん、最も大きいのはノウハウです。そこで、私たちが荷物預かりのノウハウとインフラを提供することで、少しでも地域の課題解決に貢献できればという思いも持っています。

 地方では特に、新しいサービスへの心理的なハードルも高く、導入に苦労する面もありました。ですが、大都市でサービスが広まり、JRグループや郵便局、アパマンショップなどの大手企業とのコラボができたことで、受け入れてもらいやすくなりました。保険などと同様に、導入に不安を感じる部分をうまく取り除くことが大事だと感じています。

 サービスエリアが拡大するにつれ、荷物を預かる場所のバリエーションも増えています。飲食店や商店はもちろん、マンガ喫茶も24時間対応ができるということで人気です。JRグループとの協力ができたことで、駅での対応も実現しています。また、神社仏閣で対応してくださる場所もあります。

 2018年2月より一部の郵便局でも「ecbo cloak」が導入され、協力体制ができています。郵便局は荷物を預かるノウハウもありますし、海外旅行者にとってもどのような事業者であるかがイメージしやすいので、お客様にもこれまでよりも一層、安心感をもって荷物を預けてもらえるようになったと感じています。

 次回はより良い「荷物預け体験」を提供するためのコミュケーションと、今後の展開についてお話しします。

 

ecbo株式会社 代表取締役社長 工藤 慎一

1990年生まれ マカオ出身 日本大学卒。Uber Japan株式会社を経て、2015年、ecbo株式会社を設立。2017年、カフェや美容室、郵便局など多種多様な店舗の空きスペースを荷物の一時預かり所にする世界初のシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」の運営を開始。ベンチャー企業の登竜門『IVS Launch Pad 2017 Fall』で優勝。

このコラムを見た方へのオススメ