ブランドマネージャーの考え方 第3回 ブランドマネージャーに求められる2つの役割 | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2014/5/16

ブランドマネージャーの考え方
第3回 ブランドマネージャーに求められる2つの役割

ブランドマネージャーの考え方<br />第3回 ブランドマネージャーに求められる2つの役割

担当ブランドの「社長」と意識すべき

ブランドマネージャーには、大きく分けて2つの役割があると考えています。ひとつがビジネスリーダー、プロジェクトリーダーとしての役割、もうひとつがマーケティングの専門職としての役割です。

まず、ビジネスリーダー、プロジェクトリーダーとしての役割からご説明します。新製品の開発から発売までのプロセスでは、製品の設計は開発部門の担当者が行うほか、パッケージや生産などについてもそれぞれ担当部署があります。そうした生産に関することに加え、日々の売り上げやシェアの拡大などを含めたトータルな視点で、社内外の様々な人達に進むべき方向性を伝えてドライブをかけていくことがリーダーに求められる役割です。

ブランドマネジメント制をとっている当社では、経営の最小単位がブランドであり、その集合体が企業であると考えています。各ブランドマネージャーは、ブランドというひとつの経営体の社長であるという意識で動くことが求められています。

開発や生産といった各部門の専門的な知識はなくても、何か課題やトラブルが発生したときにはリーダーとして先頭に立って進めていかなければなりません。ひとつひとつの専門的なことに通じていなくても、全体的には何でも知っている・知らないことも勇気を持って「分からない」と言えるという、ある種、相反した素養が求められるのではないかと感じています。

目標達成を最も信じている「旗振り役」

もうひとつの役割であるマーケティングの専門職としては、コミュニケーションのコンテンツ作りと、それをどうやって消費者に伝えるのかというところを決めることがポイントです。マーケティングで重要となるのは、前回事例を紹介したような消費者の知覚や印象の管理、つまりブランドイメージを維持していくこと、と捉えています。

ターゲットとなる人達にどう思ってもらいたいのか、そのためには何を言えば良いのか。例えば自分が良い男だと思ってもらおうとして「俺は良い男だ」と言い続けても、相手には「うざい」と思われてしまうでしょう。どう思われたいかを決めることも大事ですが、それ以上に「どのような伝え方をすれば目指す結果につながるのか」というコミュニケーションの管理や設計といったところがより大事なことです。

コミュニケーションの目的や伝えるべきメッセージは、そのリーチの広さであったり、ROIという側面からも、テレビや雑誌などの媒体に応じてその受け取られ方が変化します。そういった点を、専門知識を持っている社内のメディア担当部署や広告代理店の専門家にアドバイスをもらいながら、どんなメッセージをどの媒体で伝えるのが最も効率的かといったことを管理しています。

ブランドマネージャーの仕事は「旗振り役」と言っていいかもしれません。初めの目標値や目的は、達成が難しいところに設定することが多くあります。その目標が実現可能なものだと一番信じているのがリーダーですし、そうでないと人を動かすことはできません。

決められた目標や目的がブランドにとって必要で、良いことだと信じて率先して動く、途中に何か問題があれば解消する、そういった役割です。これからも「LUX(ラックス)」がよりよいブランドであり続けることができるよう、先頭に立って進んでいきたいと思っています。

ユニリーバ・ジャパン・カスタマー マーケティング ラックスヘア ブランドマネジャー 中川 晋太郎
慶應義塾大学総合政策学部卒。2001年より、外資系消費財会社でマーケティング・ブランドマネジメントの経験を経て、事業再生支援会社にてマーケティングを中心とした、複数の企業の事業再生に携わる。2009年にユニリーバ・ジャパンに入社し、アイスクリームブランドの BEN&JERRY’S の立上げを担当。2013年より、LUXのブランドマネージャーを担当する。

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