Insight Scope インサイトスコープ
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ヒット商品を生み出すマーケティング
第3回 新たな価値提供で制汗剤市場を切り開く
ライオン株式会社
ヘルス&ホームケア事業本部 ビューティケア事業部 ブランドマネジャー
大古 勝朗
2014 / 10 / 31
「Ban汗ブロックロールオン」が発売5カ月で累計販売数250万個突破というヒットを実現できたのは、 “汗が出る前に”ワキ汗をブロックするという機能ベネフィットと多くの女性の悩みであった「汗ジミ」を気にしなくて良いという情緒ベネフィットをわかりやすく伝えられたからだと考えています。加えて、販売店様からも評価いただき、店頭に積極的に置いていただけたこともポイントです。従来ロールオンタイプの商品をあまり取り扱っていなかったコンビニエンスストアにも、主要5チェーンで定番商品として採用されたほか、駅売店にも置いていただき、消費者の目に触れる機会が増えたことも良い循環につながりました。
ターゲット層の共感誘う多面展開
「Ban汗ブロックロールオン」が発売5カ月で累計販売数250万個突破というヒットを実現できたのは、 “汗が出る前に”ワキ汗をブロックするという機能ベネフィットと多くの女性の悩みであった「汗ジミ」を気にしなくて良いという情緒ベネフィットをわかりやすく伝えられたからだと考えています。加えて、販売店様からも評価いただき、店頭に積極的に置いていただけたこともポイントです。従来ロールオンタイプの商品をあまり取り扱っていなかったコンビニエンスストアにも、主要5チェーンで定番商品として採用されたほか、駅売店にも置いていただき、消費者の目に触れる機会が増えたことも良い循環につながりました。プロモーションに関してもトリンドル玲奈さんをキャラクターに起用し、元気でおしゃれなイメージで、ワキ汗や汗ジミといったナーバスな悩みとポジティブに向き合うというメッセージを伝えることができました。また、グループインタビューで引き出したワキ汗に関する悩みの事例を「ワキ汗あるある」として雑誌広告やWebサイトで紹介し共感を高めるようにしました。
店頭では、ボリューム陳列と多面展開、他分野、例えば女性用シェーバーなどとの連動展開を徹底しました。販売の好調なお店の特徴を分析すると、露出量が多く、高機能直塗り売り場に陳列したり、多面展開しているところがPOSデータでも良い成績を残しています。トリンドルさんの肉声による店内放送のPRテープを活用しているところもテレビCMとの連動で成果が出ています。
ロールオンタイプの復権へ
前回にも触れましたが、日本の制汗剤は長くスプレータイプが主流でした。ですが、日本の制汗剤の始まりは、1962年に当社が米国のブリストルマイヤーズ社とのライセンス契約(当時)でロールオンタイプの「ban」を販売したのが最初です。赤いパッケージから「赤バン」と呼ばれている商品は、50年以上経った今も変わらず販売しています。日本の制汗剤市場は今も成長を続けています。生活者のみだしなみや清潔感に対する意識は高まっています。臭いや汗といった悩みや問題へ、新しい提案をすれば反応が返ってくる市場です。私たちは「Ban汗ブロックロールオン」のように、高い機能や効果を持つ製品の開発に注力し、常に新しい価値を提供し「Banって毎年おもしろいね」と言っていただけるようなブランドをこれからも目指していきます。