フルグラ、発売20年後に急成長した理由 第3回 No.1宣言で売り場を強化 | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2016/9/23

フルグラ、発売20年後に急成長した理由 
第3回 No.1宣言で売り場を強化

フルグラ、発売20年後に急成長した理由 <br />第3回 No.1宣言で売り場を強化

「第3の朝食」へ

 2013年の「No.1」宣言は、市場に大きなインパクトを与えました。大手ポータルサイトでトップニュースとして紹介されたこともあり、特にBtoB、流通の注目が集まりました。宣言のタイミングが2月だったので、新生活に合わせ4月に作られる売り場への配荷を伸ばすことができました。

 13年頃からは「フルグラ」をパン、ご飯に次ぐ「第3の朝食」と表現し「朝食革命」という言葉も使い始めました。「フルグラ」やグラノーラが単なる流行ではなく、これからの時代の朝食である。私たちのこうした考えを記者会見などでも明確にしています。「No.1宣言」やこうした企業姿勢の発信は、流通の方々への理解と認知をさらに深めました。

 店頭に関しては、従来「フルグラ」はお米の近くなど、消費者の通過率がそれほど高くない場所に設置されていました。コーンフレークと一緒にお菓子売り場に置かれていることも少なくありません。しかし最近はパン売り場の近くに置かれたり、シェアの拡大とともに、コーンフレーク中心だった棚におけるグラノーラのスペースが広がり、「フルグラ」も好ポジションに置かれるようになりました。私たちの取り組みが浸透してきたこともあり「朝食の売り場を作りたいが、どうすれば良いだろうか」という流通からの相談を受けることも出てきています。

 基本的に、私たちメーカーは売り場そのものを変えることはできません。ですが、マーケティングによって売り場へ人をいざなうことはできると考えています。前回紹介した「オトモダチ作戦」にはそうしたシリアル売り場以外の接点作りという狙いも含んでいます。

 

記者会見写真

記者会見では、企業姿勢を発信。写真は事業戦略を発表した時のもの。

顧客接点を増やす

 ヨーグルトだけではなく、シリアル売り場から飛び出して行ける“オトモダチ”として豆腐の製造・販売を行う相模屋食料さんとのコラボレーションも実施しています。豆腐もヨーグルトと同様、朝食における登場頻度の高い食品です。「フルグラ」の黒豆きなこ味を開発したときに、豆乳と「フルグラ」は合うことがわかっていて、豆乳から作る豆腐との相性も悪くないのではと考えていました。相模屋食料さんはユニークな発想の商品開発で豆腐の新たな可能性を模索されていて、同社の朝食カテゴリーにおいても豆腐の存在感を高めたいという課題があったことから、コラボレーションにつながりました。

 「フルグラ」も売上げの目標を100億と設定し、いろいろな施策を行ってきましたが、テレビCMを使って大々的なプロモーションをするのではなく、「オトモダチ作戦」などの売り場づくりと、レシピ本や秋バテ対策などPRをうまく組み合わせてファンをじわじわと増やしていきました。2011年に37億円だった売上げは13年に95億円、15年には223億円と伸びていくなかで、社内の営業担当者からも販売強化する対象として「フルグラ」を見てもらえるように変化していきました。

 11年頃に20〜30パーセントほどだった「フルグラ」の認知度は、ようやく40パーセント程になりました。残りの60パーセントの人に知ってもらうためには「オトモダチ作戦」も含め、新しい食べ方の提案を続けていきたいと考えています。今年度はグラノーラカテゴリーの中でも、カルビーの「フルグラ」というイメージを確固たるものにすべく、相葉雅紀さんをキャラクターに起用したテレビCMを展開しています。30〜40代女性を中心に幅広く人気がある相葉さんを起用したことで、認知度は非常に上がりました。

 「フルグラ」が市場としている「朝食」については、課題はまだまだたくさんあります。例えば共働き所帯で時間のない人へ「時短メニュー」を提案するなど、「フルグラ」で解決していくことができないかと考えています。朝食の選択肢の一つとして、美味しさや食べやすさを知ってもらい、ファンになってもらうための活動をこれからも積極的に続けていきたいと思います。

 

とうふで、グラノーラ。

 相模屋とのコラボ商品。豆腐売り場を「フルグラ」の新たな接点にした。

カルビー株式会社 マーケティング本部 フルグラ事業部 企画部 網干 弓子

1997年、神戸大学農学部卒業後、カルビー入社。98年よりマーケティング部門へ。産休・育休経て、2012年よりフルグラを担当。

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