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4C分析とは?特徴や分析方法、成功事例を解説

小形 洸太
集客のサクセスパートナー 代表
店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入の支援業務に従事
その後、2009年にサクセスパートナーを設立し、実店舗の集客やマーケティングを支援

小形 洸太

2022 / 10 / 25

#リサーチ初心者,#市場調査,#データ分析・活用

4C分析とは?特徴や分析方法、成功事例を解説

商品やサービスがありふれている中で、マーケティング戦略の立案は生命線です。可能な限り早く市場に受け入れられ、シェアを獲得するためには、「顧客目線」が非常に重要な意味合いを持っていますが、その際に役立つのが「4C分析」です。4C分析を活用すると、顧客視点の開発、価格決定、流通、情報発信まで定義した上でマーケティング戦略を立案することができます。ここでは、4C分析と関連したその他の分析、実際に4C分析を行う際のポイントを紹介します。

4C分析とは

4C分析とは、マーケティング戦略を立案する時に、顧客視点から商品・サービスを分析するフレームワークの一つです。

4C分析の「4C」とは、顧客が商品・サービスを成約するまでに大きな影響を与える「Customer Value(顧客価値)」「Cost(コスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」という4つの要素の頭文字を示しています。

4C分析と併せて活用されることが多いフレームワークに、1960年に提唱された4P分析がありますが、こちらは売り手・企業側の視点が中心になっています。時代の変化とともに顧客中心に考え方が定着したことで、1993年に4C分析が提唱されました。

4C分析の要素

4C分析には上記したとおり、「顧客価値」「コスト」「利便性」「コミュニケーション」という4つの要素があります。それぞれについて詳しく解説していきましょう。

Customer Value(顧客価値)

顧客価値とは、商品やサービスに対して、顧客が抱く価値を指します。顧客は、その商品やサービスの性能、品質、デザイン、アフターサービスやブランド力など複数の要素にさまざまな価値を求めています。そのため、企業側は顧客が何を求めているのかを理解して、商品やサービスに組み込んでいくことが重要になります。

Cost(コスト)

コストとは、顧客が商品やサービスを入手する時に必要な費用(値段や価格)を指します。

コストは顧客価値に紐づいており、例えば顧客価値を十分に感じることができれば、高い価格設定でも顧客は「安い」と感じ、購入することがあります。それに対して、顧客価値をあまり感じることができなければ、低価格でも購入には至りません。

そのため、利益を出すための高価格設定だけではなく、商品やサービスの顧客価値から価格を設定するという視点も必要になります。

Convenience(利便性)

利便性とは、商品やサービスそのものの使いやすさという意味ではなく、商品やサービスを購入するまでの過程に不便さがなく、スムーズに進められるかどうかを指します。

例えば、特定の商品を購入する場合、自宅から距離があって利便性が悪いお店よりも、自宅の近隣で利便性の良いお店の方が選ばれる傾向があります。

例えば、ECサイトの利便性を高めたい場合は、サイト全体にわかりやすいデザインを採用して使いやすくしたり、決済方法の選択肢が多くしたり、カスタマーサポートをつながりやすくしたりといった工夫をするといった方法があるでしょう。

Communication(コミュニケーション)

コミュニケーションとは、イベントの開催、SNSでの発信やメールマガジンの送付などを通して、顧客と接点を持つことです。

顧客との接点を積極的に増やし、コミュニケーションを実施することで、商品やサービスの認知度拡大につながり、購買に良い影響を与えます。また、顧客からの意見を集めることも簡単になり、商品やサービスの改善につなげるグロースハックにも役立ちます。

このとき、大切なのか、顧客にとってコミュニケーションがしやすい媒体かどうか、顧客にとって価値のあるコンテンツが配信できているかどうかです。これらの効果検証をし、必要に応じて改善していくことで、顧客との関係性構築に効果が期待できます。

4P分析・3C分析・5C分析との違い

マーケティングの分析に活用される主なフレームワークには、4C分析と名称が似ているものがいくつかあり、4C分析の対になっている4P分析、外部環境を分析する3C分析や5C分析などが挙げられます。それぞれの違いをみていきましょう

4P分析

4P分析とは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通チャネル)」「Promotion(販売促進)」の4つの要素から構成されたフレームワークです。
「マーケティングミックスといえば4P」といわれるほど広まっている手法で、企業主体のマーケティングを立案する時に活用されます。近年、顧客主体の考え方が一般的になってきたこともあり、4P分析とは逆で顧客主体の4C分析が普及しました。

4P分析と4C分析は、構成される4つの要素が違います。4P分析の場合は視点が企業側で、4C分析の場合は視点が顧客側です。ただ、マーケティングでは企業側・顧客側の視点がともに重要になってくるため、4C分析と4P分析を併せて活用する例がほとんどです。

3C分析

3C分析とは「Customer(ターゲット顧客や市場)」「Competitor(競合他社)」「Company(自社)」の3つの要素で構成されるフレームワークで、外部環境と自社との関係性を分析するために使われます。

3C分析は、市場のトレンドに対して、競合他社と比較したときに自社が持っている強みと弱みを分析し、現状把握する際に役立ちます。

魅力的な商品やサービスを開発したとしても、市場のトレンドがわからず、顧客価値を読み違えたり、競合他社と同じような商品開発をしたりしてしまうと、競争を勝ち抜くことができず、なかなか売れません。

まずは3C分析で市場のトレンドと競合他社を把握してから、4P分析や4C分析を行うことが、商品開発の際に顧客価値を差別化することにもつながります。

5C分析

5C分析とは、3C分析の3要素に「Customer's Customer(中間顧客)」と「Community(地域)」の2つの要素を加えたフレームワークで、より詳細に外部要因の分析と調査を行うために使われます。

中間顧客とは、販売代理店、卸売業者、小売業者など、自社と顧客の間に入る存在をさします。もう一つの地域とは、社会的な変化、法規制、人口変動、世論、景気など事業に影響を与える外部要因を意味します。

5C分析は3C分析よりも細かく分析ができるため、より的確に主要成功要因(KFS)を洗い出すことが可能となります。

4C分析を行うポイント

4C分析を行う時には、以下のように事前に明確にしておくべきポイントがあります。

ターゲットの明確化

マーケティングでは、ターゲットを明確に設定することにより、特定のニーズを持った顧客にとって魅力的だと感じる商品やサービスを作り上げることができます。4C分析では顧客目線の商品やサービスを開発することが目的なので、まずはターゲティングを行うことが前提です。

ターゲティングを進める場合、まずはペルソナを設定します。ペルソナとは、対象とする市場にて想定される代表的な人物像です。ペルソナを設定することで、ターゲットのイメージを具体化することができ、チーム内でも共有しやすくなります。ペルソナ設定では、氏名、性別、年齢、仕事、役職、趣味、家族構成、ライフスタイルなどの具体的な要素を絞り込み、1人の人格になるように想起することがポイントです。

STP分析で自社のポジションを明確化

商品やサービスは、すべての顧客ニーズに応えることはできません。そのため、市場を細かく分けて、特定の市場に絞り込むことが一般的です。さらに、その市場で他社との立ち位置の違いを明確にすることで、顧客価値を具体化することができ、精度の高い4C分析を行うことができます。

ここで、必要となるのがSTP分析です。STP分析とは「Segmentation(セグメンテーション)「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の3つの視点で実施する分析です。顧客とニーズを整理し、市場における立ち位置(ポジション)を明確にするという目的があります。

STP分析を行う場合、まずはセグメンテーションとして、市場を地理的変数、人口動態変数、心理的変数、行動変数を使って細分化します。その上でターゲティングとして、細分化された市場の中から標的市場を選択し、ポジショニングとして標的市場でのポジションを明確にしていきます。


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各要素の整合性を保つ

4C分析では、それぞれの要素がSTP分析の結果に噛み合っている必要性があります。
例えば、ニーズに対して必要以上の顧客価値を追求したり、そのせいでコストが高くなりすぎたりしてしまうと、顧客が購入しにくい・できない商品になってしまいます。

例えば、高齢者をターゲットにしたコンサートチケットを売りたい場合、販売方法がECサイトのみだと、利便性の対策になっていません。そのため、電話一本で買えるようにする、コンビニの端末から注文できるようにするなどの対応が必要になることもあります。

4C分析で成功した「スターバックス」の事例を解説

4C分析の事例として有名なのが「スターバックス」です。同社がどんな取り組みを行ったのか、4つの要素に分けて説明します。

【顧客価値】
スターバックスの顧客価値は「人々が気軽に集まることができる場所」で、なおかつ家庭でも職場でもない、第三の場「サードプレイス」であることです。この顧客価値を達成するために、本場のコーヒーをはじめとしたドリンクメニュー、気軽に楽しめるフードメニューを用意しており、客席にはくつろぎやすいソファー席を採用するなどして、顧客が滞在しやすい空間を作り上げています。

【コスト】
数百円というお手頃価格で、本格的なコーヒーを味わうことができることから、高級感を求める顧客のニーズに応えています。

【利便性】
「Main&Main」という立地戦略にもとづいて人通りの良い立地を選択し、都市部の駅近や駅ナカに出店しています。郊外の場合はドライブスルー併設型にし、交通量の多いロードサイドに出店するという方針となっています。

スターバックスは全国に出店していますが、特に流行やファッションに敏感で、比較的所得水準の高い人が集まる千代田区、港区、渋谷区のような地域に集中的に出店していることも特徴です。

【コミュニケーション】
各店舗のスタッフによる高水準の接客が有名で、コーヒーの知識が豊富なのはもちろん、カップにその場でメッセージを書いてくれるといった特別感のある演出を実施している場合もあります。また、地域によってはワークショップなどを開催し、顧客とのコミュニケーションを積極的に図っています。

さらに、情報発信においてマスメディアを使わず、SNSを活用して新商品の認知度の拡大などを行っているのも、同社ならではでしょう。

参照:スターバックス コーヒー ジャパン「Our Mission and Values」
https://www.starbucks.co.jp/company/mission.html

まとめ

4C分析とは、顧客目線で市場に受け入れられるための商品やサービスのマーケティングにおいて役立つフレームワークです。

実際に4C分析を行う際には、対象となる顧客を明確にしたり、適切な標的市場を選択したり、自社が狙うポジションを定義したりすることがポイントです。その上で、ターゲティングやSTP分析を組み合わせることにより、最適なマーケティング戦略を立案することができます。

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