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関西と関東の違いとは?ビジネスパーソンが知っておきたいことも紹介

2024 / 01 / 05

#食品 料理,#生活 文化,#消費者行動,#観光,#アンケート調査

関西と関東の違いとは?ビジネスパーソンが知っておきたいことも紹介

同じ日本国内であるものの、関西と関東ではさまざまな面が異なります。方言や食文化の違いだけでなく、同じ言葉でも関西と関東で捉え方が異なる場合もあり、注意が必要です。遠方への出張や転勤するときは、関西と関東の違いを理解しておくとビジネスシーンで役立つかもしれません。今回は、関西と関東の違いをさまざまな観点からご紹介します。


関西と関東の違い 1. ライフスタイルと価値観

東京→関西あるいは関西→関東に出張や転勤するときは、カルチャーギャップに驚かないようにあらかじめ基本的な知識を身に付けておきましょう。
ここではライフスタイルや価値観の違いを解説します。

光熱費と水道代の支出

2022年に総務省が行った調査によると、関西と関東で支出額にほとんど違いがみられなかったのは、都市ガスと電気代の2項目でした。ただし、プロパンガスにおいては関西のほうが支出額は低い傾向です。

また、関西のほうが支出額の低い項目として、灯油や水道代も挙げられます。灯油に関しては、関東のほうが使用量の多いことが影響しており、4,000円程度の差があります。水道代の違いは2,300円程度です。


関西と関東の比較 光熱費

項目別では、関西のほうが一部低い傾向がみられつつも、全体的には関西と関東で大きな差はありません。関西の消費支出全体の金額をみると、全国平均3,490,383円とほぼ同じ3,508,721円でした。

出典:「(品目分類)第6表都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量(二人以上の世帯)」(総務省統計局家計調査)
出典:「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」(総務省統計局家計調査)

関東と関西で女性専用車両の利用ルール

関西・関東のどちらも、多くの鉄道会社において電車に女性専用車両が設けられています。ただし、各鉄道会社でルールや車両位置が異なっているため、乗車時には注意が必要です。
例えば首都圏から関西へ転勤または出張したとき、うっかり普段通りの乗り方をした結果、女性専用車両に乗ってしまう可能性があります。

関東の場合、多くが先頭または最後尾の車両が女性専用です。一方、関西では中央寄りの車両に設置されていることが多々あります。「エスカレーターを降りて目の前の入り口から乗車すると、女性専用車両だった」というケースもあります。

エスカレーターの乗り方

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公共施設の違いで話題に上がりやすいことのひとつがエスカレーターの乗り方です。エスカレーターは通常、左右のどちらも立ち止まって乗る方法が推奨されています。しかし、商業施設や駅など利用者が多い場では、片方を歩く方向けに空ける乗り方が浸透しています。

関西と関東では、「エスカレーターのどちらに立つか」も違いのひとつです。関東では左側に立ち、関西では右側に立つのが一般的です。

由来は諸説あり、関東の左側通行は武士が鞘当て(刀同士がぶつかることによるトラブル)を避けるためのマナーの名残とする説が挙げられます。関西の右側通行は、大手鉄道会社による浸透とも、大阪万博会場でのマナーの影響ともいわれています。

トイレットペーパー

トイレットペーパーの購買傾向も関西と関東で異なります。株式会社プラネットによる調査では、関西ではシングルのほうが購入され、関東ではダブルのほうが支出額は高い傾向です。

また、総務省による調査から、トイレットペーパーの支出額を地域別にみると、シングル派の多い関西(近畿)は4,200円、ダブル派の多い関東は4,434円でした。ちなみにもっともダブル派の割合が多い地域は東海で、支出額は4,478円です。

出典:「FromプラネットVol.135<トイレットペーパーに関する意識調査>
出典:「<品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格」(総務省統計局家計調査)

初乗り運賃の違い

交通事情の違いは、交通系ICカードにおける初乗り運賃にもみられます。関西と関東では同じJRでも、厳密にはJR西日本とJR東日本で運営会社が異なります。

JR西日本では、ICOCA(SUICAの関西版)の初乗り料金が1円です。残高不足でも乗車でき、降車時に精算機で不足分を支払う仕組みとなっています。

一方、JR東日本では初乗り運賃分の残高が残っていなければ乗車自体ができません。よって関西から関東へ転勤・出張する方や久々に帰宅する方は、交通系ICカードの残高不足に注意が必要です。

関西と関東の違い 2. 食文化

出張でほかの地方へ行くとき、食べ物を楽しみとする方は多いのではないでしょうか。
食文化においても、関西と関東ではいくつかの違いがみられます。

濃い口・薄口

関西と関東では、日常的に使用する醤油の種類が異なります。インスタントうどん・そばも、関西と関東で味付けが異なるほどです。

関西は薄口醤油が一般的で、色が薄く上品さがあります。うどん・そばのだしも、関東に比べて薄く透き通った色が特徴です。関東は濃い口醤油が代表的で、色が濃く、旨味がしっかりときいた味わいをしています。うどん・そばのだしも関西より濃い色に仕上がります。

だしの違い

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日本の料理は、だし文化が根本にあります。関西と関東でだし文化も異なっており、「東のかつお節、西の昆布」といわれています。

だし文化の違いは、土壌や地形による水の硬度の違いが理由です。関西が軟水で昆布だしをとりやすいのに対して、関東は硬度が高くだしをとりにくかったため、かつお節が主流となりました。ほかにも朝廷への献上品として昆布が使用されていた結果、関東には行き渡らなかったことを理由とする説もあります。

食パンの厚み

食パンの厚みは関西のほうが厚く、関東が薄い傾向です。消費量をみると、関東よりも関西の方が多く食パンを消費しています。

2人以上の世帯を対象として調査では、1世帯あたりの都市別消費量のトップ3を関西の神戸市・京都市・奈良市が占めているほどの消費量です。前述したような厚切りを好む傾向も、関西の食パン消費量の多さの一因になっています。

出典:「総務省統計局の家計調査(2人以上の世帯)」(総務省統計局)

肉の消費量

関東では豚肉を使用した中華まんのことを「肉まん」と呼びますが、関西では通じません。関西では「豚まん」と呼ぶのが一般的です。

関西では肉=牛肉をイメージする傾向にあり、豚肉を使用している時点で「肉まん」と呼ぶことに違和感を覚える方もいます。前述の総務省統計局による消費量調査でも、牛肉は関西以南のほうが多く消費しているのに対して、豚肉の消費量が多いのは首都周辺や北海道を中心とした関東以北でした。

「お通し」と「つきだし」

居酒屋文化についても、意識すると関西と関東の細かな違いに気づくことがあります。例えば関東では主に「お通し」として出される小鉢が、関西では「突き出し」または「先付け」と呼ばれています。

大晦日の夕食メニュー

大晦日に食べる料理も地域によって差があります。関西と関東のどちらも縁起を担いで温かいそばを食べる点は同じです。大晦日の夕食メニュー1位として、関西・関東ともに温かいそばが挙げられます。

大きな違いはそば以外の料理で、関西は握り寿司、野菜の煮物などが主流であるのに対して、関東では刺身を出す家庭が多い傾向にあります。


大晦日の夕食メニュー(2020年)

節分の夕食メニュー

節分に食べるメニューも関西と関東で大きく異なります。関西では古くから節分の日に恵方巻き(巻きずし)を食べる風習がありましたが、関東ではこのような風習がありませんでした。

恵方巻きが全国で知られるようになったのは1990年代頃です。コンビニで恵方巻きが売られるようになって以来、恵方巻きの知名度が高まり、現在では節分の恒例行事として親しまれています。

恵方巻を食べる家庭の割合は関西が5割以上、関東を含むその他の地域では2割程度です。


節分の日の夕食メニュー「巻き寿司」中食・内食率(2020年)

きつねとたぬきの違い

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うどんを注文するときも、関西と関東の違いに注意しましょう。関西でたぬきうどんを注文すると、「そんなものはない」と言われる可能性があります。

関西には関東で言うところのたぬきうどんが存在せず、「たぬき」と注文して出てくるのは油揚げがのったそばです。関西では、たぬきうどんに似た料理を「ハイカラうどん」と呼んで提供しています。
一部例外として、京都では油揚げ付きあんかけうどんが出てくる場合もあります。

関西と関東の違い 3. ビジネススタイル

転勤先や出張先でうまく立ち回るためには、地域ならではの付き合い方を理解しておくことが大切です。
ビジネスシーンでも、関西と関東でいくつかの違いが挙げられます。

人付き合いの傾向

関東の代表ともいえる東京都は企業や大学が多く、移住者の多い地域です。多様な価値観が混在しており、できるだけ互いに踏み込み過ぎない「表面的な付き合い」を重視する傾向にあります。

一方、関西の代表といえる大阪は、他社とどれだけ快適に過ごせるかを重視するのが一般的です。自己主張が強い面は、見方を変えると気さくな人柄ともいえます。

仕事の進め方

仕事の進め方も東京・大阪で比べると傾向が異なります。
作成した企画書を使用してプレゼンするとき、東京では企画書をあらかじめデータを送付したうえで、会議ではプロジェクターに投影する方法が主流です。

大阪の場合、作成した企画書はデータを送付せず、印刷したうえで会議に持参します。関東ではエコや無駄の削減を堅実に行うことを重視しており、関西ではエコを重視しつつも印刷物の手軽さも活用することを良しとする傾向です。

営業スタイル

東京では営業先を訪れるとき、アポイントの有無を重視する傾向にあります。一方、大阪ではアポイントをとって訪れる日もあれば、突然取引先に立ち寄ることもあります。特別な用がなくとも顔を出して、「担当者に顔や社名を覚えてもらってなんぼ」の考え方が浸透しているためです。

手土産の選び方も、関西と関東で傾向が異なります。関西では名物を持って行くほうが喜ばれ、関東では百貨店で購入した希少性の高い商品が喜ばれることが多いようです。

価格交渉

ビジネスシーンでは値引き交渉が生じることがあります。東京で値引き交渉をする場合、遠慮気味に伝えるケースがほとんどです。一方、大阪では値引き交渉を遠慮なく行うことが一般的です。

大阪では、プライベートにおいても購入した商品の値段に対してシビアな話題が出ることがあります。「言ってみて安くなったらラッキー」程度の認識で気軽に値引きを依頼する風潮があるため、ビジネスシーンでも遠慮なく交渉をもちかけて良いといえます。

まとめ

関西と関東の違いは、どちらが優れているというわけではなく、歴史や土壌などさまざまな理由によって異なる文化が形成されています。両者の違いをあらかじめ知っておくと、文化の違いを楽しめるのではないでしょうか。

ただし、関西人との会話の締め方には注意したほうが良いかもしれません。話の後に「オチ」を求めるのが関西人のサガです。「その話のオチは?」と聞かれたときにうまい返しができると、ビジネスパーソンとの距離がぐっと近付くこと間違いなしです。



※「ディナーサーベイ」調査概要
調査手法:インターネットリサーチ
調査地域:全国47都道府県
調査対象:18~69歳女性で、世帯の家事主担当者
調査実施期間:毎日365日
有効回答数:毎日 1,000世帯、年間 約36万5000世帯

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