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エコでもあきらめない 生活者によりそうこれからのSDGsを表現するLOHACO

【中編】「デザイン」と「サステナブル」 ふたつの軸を両立させたことが受け入れやすさにつながった

2020 / 07 / 03

#コミュニケーション,#ブランディング,#差別化

【中編】「デザイン」と「サステナブル」 ふたつの軸を両立させたことが受け入れやすさにつながった

「LOHACO」が2015年にはじめた「暮らしになじむLOHACO展」。19年10月の第5回からは、「暮らしになじむデザイン」のコンセプトに「サステナブル」をテーマに加え、メーカーとの共創で企画開発を進めてきた。新たなテーマを加えながら、社外を動かすことができたのはなぜなのか。

テーマの追加はメーカーの上層部を刺激 トップダウンで推進力がアップ

堀:今回「サステナブル」をテーマに加えることについて、メーカーにはどのように説明をしていったのでしょうか。

田島:2018年の終わりに19年の「暮らしになじむLOHACO展」についての説明会を行い、そこで新たなテーマを加えることもお伝えしました。5回目の開催でもあり、皆さん“暮らしになじむデザイン”については考えを持っていただいていましたが、そこに新たなテーマを加えると開発のハードルは上がります。皆さんの率直な反応としては「大変」「展示会に商品は出せるだろうか」というものでした。
 こうした現場向けの動きと並行して、弊社の商品部のマーチャンダイザーや幹部社員とメーカーの担当部署の責任者や上層部の方とも定期的に会議を行っています。そこでもテーマ追加の話をしたところ、非常に大きな反応があったそうです。多くの企業が経営方針としてSDGsやサステナブルへの取り組みを考えていても、その表現方法を模索していたのではないでしょうか。どちらかというと今回は現場からの発信というよりもトップダウンで前進したイメージです。


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 多くの企業が集う展示会であれば、ひとつの企業が単独で取り組む「点」としてではなく、「面」で見せることができます。当社としては、「ASKUL」や「LOHACO」で「場」を提供することも使命のひとつです。そこに意義を感じてもらえたのだと思います。

堀:実際に企画開発を進めていく段階ではどのような苦労がありましたか。企業の取り組みとしては、先に「サステナブル」があり、いかに生産や商品のデザインに反映させるかという順番になると思います。今回うまくいっているのは、先に「デザイン」があったこともポイントなのでしょうか。

田島:やはり「サステナブル」「環境配慮」という言葉が先に立つと理屈っぽくなって、消費者のニーズよりも企業の発信が前面に出ているように感じてしまいます。その言葉を発信することが販売につながる、消費者のニーズとイコールになるかという課題もあります。
 当社のお客さまには女性が多いので、デザインに特化していた従来のLOHACO展でもパッと見た時に「かわいい」「素敵」ということがポイントになっていました。今回の展示会でも商品に近づいて詳しくみようとするお客さまは、見た目のインパクトに引き寄せられていたようです。そうして商品の説明を読んで、そこに込められたサステナブルな意識や工夫に気づいていただきました。どちらか一方で訴求するのではなく、「デザイン」と「サステナブル」の二本の柱にしたことは、支持や共感を生むポイントになったと思います。

堀:サステナブルを意識すると環境に良さそうな商品を探す、といった購買行動になります。LOHACOさんの場合はデザインの良いものを選ぶと結果的に環境に良いもの、というケースが多いのでしょうか。

田島:企業理念を表現していくためにも、そうなることを目指しています。事前のヒアリングでも、お客様の意向としては環境に良いものを買いたいという意識は大きく出ていました。ただ、お客様と直接話をすると、環境への配慮が商品を選ぶ際の1番の理由になるわけではないこともわかっています。私たちも最初はデザインとサステナブルを両立させることについて、そこまで意識できていたわけではないのですが、進めていくなかで二つの柱として取り組むことが消費者の認知を獲得する部分で大きかったのではと感じています。

エコでもあきらめない 7つのポイントが開発のヒントに

堀:サステナブルな商品は高額というイメージもあります。LOHACOさんは価格競争力もひとつの価値だと思いますが、そうした視点で既存のサステナブルをうたう製品と違いはあるのでしょうか。

田島:今回の展示会へ向けて若手社員が作ったコンセプトには「エコでもあきらめない」というものも含まれていました。もともとこだわっていたデザインに加えて、商品の本質的な機能や使い勝手が良いこと、そして買いやすい価格であること。この三つを押さえていないとどれだけ素晴らしいテーマを掲げていても購買には結びつかない。この考え方はコンセプトとともに協力いただいたメーカーに共有しました。


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 お伝えするときには、より具体的な方が開発するメーカーにとっても理解しやすいだろうと考え、7つのサステナブルポイントにまとめました。ポイントを作成する際には、SDGs推進の東たちとも議論し、それぞれの項目でどのような商品を考えることができるかを自分たちでも考えながら、メーカーの方に説明しました。
 これらのポイントは、もともと事業所向けのビジネスで訴求してきたことがベースになっています。私たちが独自に考え出したというよりも、「ASKUL」で大企業や官公庁に向けて打ち出していたものをわかりやすい言葉に直したイメージです。ポイントの中には「CO2の排出を減らそう」という言葉もありますが、一般向けにはあまり使わない表現かもしれません。事業所向けでは長く訴求されていることで、当社が20年間以上積み重ねてきたことを個人のお客さまにも知ってもらう機会にもなったのではないかと感じています。

堀:企画開発を進めていくうえで、何か苦労はありましたか。

田島:既存の取り扱い商品でもサステナブルにつながる要素を持ったものはあります。それらの商品を一つひとつ見直して、その商品にはこういう環境視点がある、ということを具体的に示しながら、メーカー側の開発コンセプトの参考にしていただきました。とはいいながらも、表層的なデザインの変更だけではなく、企画や仕様から考えなければならないものもあり、商品カテゴリーによって難易度が違うところは大変でした。


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 例えば、テッシュペーパーやトイレットペーパーなどの家庭紙は、もともとプラスチックの使用パーツが少なく、それを紙に置き換えることでプラスチックを減らすことができるので対応は比較的容易です。一方、洗剤などは化学薬品を含んでいるので、パッケージを変えるためには開発に一定の時間を必要とします。コンセプトを理解していても、半年後に形にできるかというとそうではありません。そうした場合は、詰め替えをアピールしました。商品のカテゴリーや特徴によって、難易度が大きく変わったり訴求の切り口の変更が必要になったりと、対応の幅が広くなったことには大変さがありました。
 大王製紙さんの生理用品「エリス」では今回、ひと目で生理用品だとはわからないブラウンのパッケージを採用した商品を開発しています。サステナブル観点では、売り上げの一部を寄付する形で表現する方針だったのですが、「デザイン」というテーマに合わせて商品のイメージを変えることにも注力されていました。従来にない消費者ニーズをとらえたデザインを検討する際にメーカー様社内でも意見が割れる中、これまで長く商品を販売してきた経験から、当社のMDが深くコミュニケーションを取ったことが大きくイメージを変えるデザインを生み出すきっかけになったそうです。

~後編(7月22日配信予定)に続く~
アスクル株式会社
BtoCカンパニー バリュー・クリエーション・センター本部 デザインエンゲージメント マネージャー

田島 眞弓

アスクル株式会社
コーポレート本部 コーポレートコミュニケーション SDGs推進 部長

東 俊一郎

堀 好伸
株式会社クロス・マーケティンググループ
マーケティング本部 プランニングディレクター

堀 好伸

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