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安全なスタジアムの実現を目指す浦和レッズ スポーツを通じた社会貢献は子供たちの笑顔で表現される

【中編】安全・安心なスタジアムの実現は世界平和にもつながる

2021 / 02 / 26

#コミュニケーション,#ブランディング

【中編】安全・安心なスタジアムの実現は世界平和にもつながる

浦和レッズは、1992年の会社設立以来スポーツの社会性に注力してきた。2009年には国連の友アジア−パシフィックとの提携し「SPORTS FOR PEACE!」プロジェクトで「MDGs」へ貢献。2019年からは正式にSDGs参画を宣言、活動を続けている。SDGsで何を実現し、その取り組みをいかにクラブ全体で進めているのか、引き続き同社コーポレート本部 課長 山内直氏に聞いた。

浦和レッズ誕生以前から活動の「芽」はあった。

堀:浦和レッズさんはSDGsの活動を通じてどのような世の中を目指しているのですか。SDGsの17のゴールで特に意識して取り組むものはありますか。

山内:端的に言えば「こころ」を育む活動で優しい人が増えて、けんかやいじめが減ること。そうした人が多くなれば戦争もなくせる、世界平和につながるのではないかということです。取り組むゴールについて、私たちの活動は「SPORTS FOR PEACE!」(SFP)がメインとなっていて、それによって実現できるものを広範囲で考えています。


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 浦和レッズはサッカークラブで、ファンやサポーターの皆さまに支えられている。「平和」ということで言えば安全なスタジアムの実現です。ファンやサポーターに安心してご来場いただき、安全に試合観戦していただくことを目指しています。これには人種差別の根絶も含まれています。私たちはスタジアムで起きた差別的横断幕事案をきっかけに2014年から差別撲滅アクションプログラム「“ZERO TOLERANCE”(絶対許さない)」を策定し、実施してきました。2019年にプログラムは終了していますが、活動内容そのものはSDGsの取り組みとして現在もクラブ内で継続しています。
 人種差別や人権保護の問題について、ハートフルクラブの授業サポート、ハートフルトークやSFPの活動などで小中高生向けに啓発活動を行っています。こうした問題についてはクラブのスタッフだけでは伝えきれないところもあるので国連の友アジア−パシフィックの協力を得て、専門家の派遣を依頼したり、専門機関の方に来ていただいたりしています。また、現役選手や元所属選手などで海外生活の経験がある長谷部誠選手や熊谷紗希選手、安藤梢選手などから話を聞いて伝えることも行っています。

堀:クラブ内でSDGsを担当する部署があるのでしょうか。

山内:SFPは活動が広範で、単体の部署で扱うことができるようなものではありません。以前は、ハートフルクラブはホームタウン・普及部 など複数の部署にまたがって運営されていました。2016年の組織改革を経て、コーポレート本部が引き継いで担当しています。

堀:ハートフルクラブの活動は地域貢献を超えて浦和レッズのSDGsへの取り組みに大きな影響を与えていると感じますが、そうした活動をはじめた人がいたのでしょうか。


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山内:元をたどると浦和レッズのサッカー以外の活動を知ってもらいたいという思いがありました。FOUANPとの提携は当時の社長だった藤口光紀さんと、当時の社長補佐 兼 経営企画室 副室長の白戸秀和さん(現パートナー・ホームタウン本部 本部長)がはじめたものです。国連での調印式にも藤口さんが出席しています。
 ハートフルクラブはそのさらに前、犬飼基昭元社長(第11代日本サッカー協会会長)時代にはじまっています。こうして振り返ると犬飼さんも藤口さんも三菱重工業サッカー部の出身で、三菱の活動を引き継いでいると言えるかもしれません。私もOBから聞いた話ですが、日本リーグ時代に車椅子の方をスタジアムにご招待したのも三菱が最初だったそうです。そういう意味ではやはり浦和レッズになる前から持っていたSDGs的な発想を私たちが引き継いでいるのかもしれません。

堀:SDGsの活動をどのように社内で共有されていますか。また、選手にも活動は伝わっているのでしょうか。一般企業だとなかなか社内に伝わらないという悩みもあるようですが。

山内:SFPの活動には選手も参加しますので、SDGsとして深く理解しているかはともかく、思いの部分は共有しています。そこは一般的な企業との違いだと思います。現役選手でも、遠征後に「東日本大震災等復興支援プロジェクト」などの被災地支援活動に参加したこともあったので、特に会社や私たちから伝える努力をするということはなくとも、日々の活動で伝わっていると考えています。


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 ただ、SDGsという点では公式にはじめたばかりなので、選手以外の社員、スタッフには日々の業務と関連づけて考えてもらうための取り組みをしています。

堀:それは勉強会のようなものでしょうか。

山内:アンケート方式で、今どのような業務をしているのかを書き出してもらい、その先にSDGsの事例を挙げて関連性を考えてもらうような形です。各部署で実施して、今ちょうど結果をまとめているところです。結果を可視化できれば、より意識も高まるのではないかと期待しています。すでに、一部の社員やスタッフは行動をはじめています。2020年7月からレッズランドは全面禁煙になっているのですが、これはタバコのフィルターが海を汚していることに気づいた社員の提案がきっかけでした。アンケートをきっかけに、レッズランドの禁煙化のように会社全体でSDGs的な行動を考えられるようになればと考えています。

~後編(3月19日配信予定)に続く~
浦和レッドダイヤモンズ株式会社
コーポレート本部 課長

山内 直

堀 好伸
株式会社クロス・マーケティンググループ
リサーチ・コンサルティング部 コンサルティンググループ コンサルティングディレクター

堀 好伸


<プロフィール>
生活者のインサイトを得るための共創コミュニティのデザイン・運営を主たる領域とする生活者と企業を結ぶファシリテーターとして活動。生活者からのインサイトを活用したアイディエーションを行い様々な企業の戦略マーケティング業務に携わる。「若者」や「シミュレーション消費」を主なテーマに社内外でセミナー講演の他、TV、新聞などメディアでも解説する。 著書に「若者はなぜモノを買わないのか」(青春出版社)、最近のメディア出演「首都圏情報 ネタドリ!」(NNK総合)、「プロのプロセスーアンケートの作り方」(Eテレ)

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