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MaaSとは?仕組みやメリット、日本での現状を解説

2022 / 09 / 20

#テクノロジー,#車 バイク,#交通,#データ分析・活用

MaaSとは?仕組みやメリット、日本での現状を解説

クラウド化の進展により、最近はSaaS(Software as a Service)という言葉を耳にする機会が増えています。SaaSとは、クラウド上にあるソフトウェアを、インターネットを経由することで場所を選ばずに利用できるサービスです。そのSaaSとよく似た言葉に今回紹介するMaaS(Mobility as a Service)があり、こちらも近年注目を集めています。MaaSもSaaSと同じくクラウド上で利用できるサービスですが、交通やモビリティなど「人の移動」に焦点を当てているのが特徴です。本記事では、MaaSの仕組みやメリット、技術の発展に伴って企業に求められる対策について徹底解説します。

MaaSとはどのようなもの?

MaaS(Mobility as a Service / サービスとしての移動)とは、バスや電車、タクシーなどのモビリティサービスを1つのプラットフォームに集約させようとする考え方です。

これまではどこかへ移動しようと思ったとき、地図アプリで目的地を調べ、ルート検索サイトで行き方や所要時間を検索し、交通機関のWebサイトでチケットを予約するといった手順を踏む必要がありました。

一方のMaaSでは、ルート検索からチケット予約、決済に至るまで、必要な手続きを1つのプラットフォームで完結できます。利用者は、プラットフォーム側から提示されるさまざまな選択肢の中から、目的のプランを選ぶだけで済むという仕組みです。

MaaSのメリット

MaaSには、移動にかかる手続きを一元化できるというメリット以外にも、次のような利点が存在します。

・交通渋滞の緩和
・観光地の集客に寄与

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

メリット1:交通渋滞の緩和

移動にかかる手続きが一元化できるようになると、複数の交通機関をシームレスに乗り継げるようになります。なぜなら、事前にMaaSサービスで予約を行うと、当日は提示されたルート通りに交通機関を利用すれば良いだけだからです。

例えば、フィンランドの有名なMaaSサービスである「Whim(ウィム)」では、最初に目的地を入力するだけで複数の経路と利用料金が提示されます。この経路の中にはレンタカーやシェアサイクルなども含まれており、自分の好みに応じて選び分けられます。

このようにMaaSが普及することで、自家用車以外の交通機関の利用ハードルが大きく下がります。その結果、自家用車ではなく交通機関の利用者が増加すれば、都市の交通渋滞が緩和する可能性が生まれるでしょう。

メリット2:観光地の集客に寄与

MaaSの普及は観光地の集客にも寄与します。

そもそもMaaSとは、移動にかかる手続きをワンストップで提供するサービスですが、その中に観光地の検索や観光施設の予約機能までをも含めた、観光型MaaSという考え方も広がってきています。例えば日本では、JR東日本が地域と協力しながら実施している「TOHOKU MaaS」というサービスがすでに存在します。

MaaSによって従来よりも便利な移動が実現し、さらに観光型MaaSでより快適な旅行が可能になれば、観光地は旅行客にその魅力を強くアピールできるようになります。


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MaaSのデメリット

MaaSには数多くのメリットがある反面、デメリットや課題も存在します。

デメリット1:個人情報の取り扱いが難しい

MaaSを活用しようと検討している企業にとっては、個人情報の取り扱いが困難になり、プライバシー保護に関する業務が煩雑になる可能性があります。

移動にかかる手続きをワンストップで提供するためには、関連する事業者間でパーソナルな移動データを提供・交換しなければなりません。当然、MaaSの提供会社には膨大な個人情報が集積することになるため、個人情報保護法に則った適切な対処やセキュリティ対策の強化といった取り組みが求められます。

デメリット2:システム障害が起きた際のリスクが大きくなる

MaaSを正常に機能させようと思えば、さまざまなシステムを連携させる必要があります。そのため、ひとたびシステム障害が発生すると交通システムや決済システム、携帯電話のネットワークなど広範囲に悪影響を及ぼします。


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MaaSの現状と今後企業に求められる対策

最後に、日本におけるMaaSの現状と今後企業に求められる対策について、国内事例を踏まえつつ解説します。

日本でのMaaS普及はまだ時間がかかる

スウェーデンのチャルマース工科大学の研究者が発表したMaaSレベルにおいて、日本はまだレベル1の段階にあります。

MaaSレベルには0~4の5つの段階が存在します。レベル1とは下から数えて2番目に位置し、複数の交通事業者の運用情報や運賃に関する情報が統合され、それを1つのアプリで検索できるようになった状態です。

少なくとも日本でMaaSのサービスとして有効に機能するようになるには、予約・決済システムの統合や事業者間の協力、交通運賃の定額制導入、法律の整備といった課題を解決しなければなりません。

トヨタ自動車が取り組んでいるMaaS事業の特徴

MaaS推進に数々の課題を抱える日本ですが、モビリティサービスを提供する大手企業や交通機関を中心に、現在さまざまな取り組みが進んでいます。

例えば2018年11月には、トヨタ自動車が西日本鉄道と共同で、MaaSの実証実験「my route(マイルート)」をスタートさせました。バスや電車、タクシー、レンタカーといった幅広い移動手段とルートの選択肢を提示し、アプリ内では予約や決済まで行えます。

2022年8月時点においても横浜市や水俣市などが実験に加わり、順次全国への展開が進められています。

まとめ

移動にかかる手続きをワンストップで提供できるMaaSが普及すると、手続きにかかわる手間の抑制や交通渋滞の緩和、観光サービスの発展といったメリットが期待できます。

日本では、すでにさまざまな移動手段や交通機関が発達していることもあり、MaaSが普及するまでにはまだ時間がかかります。複数事業者による調整の難しさや、老朽化したインフラの整備などの課題を解決しなければならないためです。

とはいえ、モビリティサービスを提供する大手企業や交通機関を中心にさまざまな取り組みが進められているため、今後はMaaSに関連するサービスが増えていくことが期待できるでしょう。


【参考URL】
https://dx-with.jp/knowledge/2010/
https://samuraisoulinc.jp/archives/6890
https://www.sungrove.co.jp/saas-paas-iaas-maas/
https://digital-shift.jp/flash_news/s_201130_21
https://vti.com.vn/ja/current-status-and-case-studies-of-maas-in-japan/

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