FIFA ワールドカップを盛り上げた「ネームボトル」キャンペーン 第1回 “ワクワク”を持続させる3つのフェーズ | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2014/7/11

FIFA ワールドカップを盛り上げた「ネームボトル」キャンペーン
第1回 “ワクワク”を持続させる3つのフェーズ

FIFA ワールドカップを盛り上げた「ネームボトル」キャンペーン<br />第1回&nbsp;“ワクワク”を持続させる3つのフェーズ

ブラジル開催のFIFA ワールドカップを「みんなの大会」に

サッカーのFIFA ワールドカップブラジル大会に合わせて実施した、「コカ・コーラ」の「ネームボトル」キャンペーンはお陰さまで話題となり、販売実績もとても良い結果を残すことができました。250種類以上の名前をデザインしたボトルを期間限定で販売したもので、「コカ・コーラ」と「コカ・コーラ ゼロ」のペットボトルを対象に実施しました。

「ネームボトル」は、2011年夏にオーストラリアで行われた事例をモデルにしています。これは、グローバルカンパニーである当社の強みでもあります。この3回のコラムでは、FIFA ワールドカップに合わせて国内で実施したキャンペーン、特にネームボトルの展開についてご紹介します。

コカ・コーラ社は国際サッカー連盟(FIFA)とワールドカップのスポンサー契約を結んでおり、FIFA ワールドカップに合わせたキャンペーンはグローバルで展開しています。テーマやキャンペーンの実施方針は世界で共通し、具体的な展開内容は各国ごとにローカライズしています。

開催国のブラジルは人種や経済的な環境、文化も含めて非常にバラエティに富んだ国で、明るく、オープンで訪れる人を受け入れる国民性があります。さらにサッカーというスポーツが地球上で最もプレーされ、見られているスポーツであることと、「コカ・コーラ」が200以上の国と地域で飲まれ、愛されているということを合わせて「World’s Cup(みんなの大会)」ということがテーマに決まりました。

本物のFIFA ワールドカップ トロフィーを陸前高田へ 地元巻き込みイベント開催

この大きなテーマのもとに、テレビCMやデジタルキャンペーン、FIFAと共催の「コカ・コーラFIFA ワールドカップ トロフィーツアー」といった活動を世界共通で行いました。

デジタルでも、世界共通の「ハピネスフラッグ」のプラットフォーム上で、スマートフォンやインスタグラムなどのアプリで撮影した顔写真を日本を含め世界中から集めてモザイクアートでビッグフラッグ(旗)を作り、FIFA ワールドカップの開幕戦の前にピッチで掲げるということを実施しました。ハピネスフラッグのWebサイトでは、後日フラッグの画像を拡大して表示することができ、投稿者がフラッグの中から自分の写真を探したりできるようになっています。

世界中から募集した顔写真を集めて巨大な旗を作成し、開幕戦の前にお披露目した。

 

日本では、3月3日のキャンペーンスタートから7月14日の本大会終了までの4カ月半をワクワクし続けてもらうため、3つのフェーズに分けて実施しました。フェーズ1はスタートから4月13日までと設定し、そのフィナーレとしてFIFAワールドカップトロフィーツアーが4月10日から13日に日本へやって来ました。実際の優勝チームのメンバーと各国の国家元首しか手に触れることができない、本物のトロフィーが来るということを伝え、サッカーに興味がない人にも関心を持ってもらえるような、キャンペーンのスターターとして位置づけました。

トロフィーが来日した4日間のうち、1日は岩手県の陸前高田市へ運びました。2013年の夏頃から、現地の岩手県立高田高等学校の教員、生徒、元サッカー日本代表の中山雅史さんとプロジェクトチームを立ち上げて、ただトロフィーを運ぶだけではない、地元の人が一体になって元気づけられるイベントを一緒に考えてきました。当日は、小学校のグラウンドで大規模なイベントを行い、「みんなの大会」を東北でも実現することができました。

FIFAワールドカップのトロフィーが専用機で世界を巡る。羽田空港でトロフィーを出迎え(写真上)、
岩手県陸前高田市へ運んでイベントを開催した(下)。

エンゲージメントを高める施策として「ネームボトル」を採用

FIFAとの共催で実施したトロフィーツアーは、ニュースリリース配信、記者発表、メディアイベントなどを実施することで、非常に多くのメディアに取り上げてもらうことができました。同時に、ツアー翌日の4月14日からネームボトルを発売するということもニュースとして発信することができ、FIFA ワールドカップへ向けた盛り上がりを演出しながら、フェーズ1から2へとスムーズに移行することができました。

ネームボトルは、オーストラリアでの大成功があり、以前から日本でも可能なキャンペーンだと考えていましたが、どのタイミングで行うのがベストなのかという点が課題でした。今回、当社のFIFAワールドカップキャンペーンで「みんなのワールドカップ(大会)」というテーマを確定したときに、ボトルに名前を入れるという一人ひとりに対するエンゲージメントを高められるこの手法を、大会へ向けた3つのフェーズの中でも一番強い施策として採用することを決めました。

次回は、ネームボトルの具体的施策とデジタルキャンペーンについてご紹介します。

日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 IMC iマーケティング シニアマネジャー 足立 浩俊

大手メーカーの貿易業務、IT系企業でのプロジェクトマネージャーを歴任。オンライン英会話スクールやBtoCを中心とした米国Web企業とのジョイントベンチャーを立ち上げ、子会社の取締役就任などIT系ビジネスに従事。2006年より現職。会員数1,270万人のサイト“コカ・コーラ パーク”の企画運営を担当。スマホを中心にした音楽キャンペーン“Share a Coke and a Song”は、Smarties APAC のモバイルベストプログラム賞を受賞した。

日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 炭酸カテゴリー コカ・コーラTMグループ グループマネジャー 小林 香予

青山学院大学経済学部卒業後、日本コカ・コーラ株式会社に入社。約3年のカスタマーマネージメントチーム所属後、マーケティング本部へ。セールスプロモーション担当として主要ブランドの全国プロモーションプランを担当後、コカ・コーラTMブランドチームへ異動。カロリーゼロ系ブランドを担当し、「コカ・コーラ ゼロ」の“Wild Health”キャンペーンを立ち上げる。その後、オーストラリアにて「パワーエイド」のブランドマネージャーの経験を経て、帰国後より「コカ・コーラ」のブランドマネージメントを担当。

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