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チーズのブランドビルディングの挑戦
第1回 スローガンに込めた思い

金子 哲司
株式会社 明治
コミュニケーション本部 宣伝部

金子 哲司

2015 / 05 / 15

#食品 料理,#ブランディング,#差別化

チーズのブランドビルディングの挑戦<br>第1回 スローガンに込めた思い

私は2010年から宣伝部で、主にチーズ・マーガリン・アイスクリームを担当しています。この3回のコラムでは、私たちのチーズ事業における宣伝活動や、その目指すものについて、事例を交えながらご紹介していきます。

価格ばかりが注目されてしまう悩み

私は2010年から宣伝部で、主にチーズ・マーガリン・アイスクリームを担当しています。この3回のコラムでは、私たちのチーズ事業における宣伝活動や、その目指すものについて、事例を交えながらご紹介していきます。

日本国内で販売されているチーズは、スライスチーズや6Pタイプ、細切りのシュレッドタイプなど様々な形状のものがあります。チーズ市場自体は堅調に推移しているのですが、いずれの形状・タイプにおいてもブランド間にある差異は消費者にほとんど認識されていないのが実状です。そのため価格競争となり、その結果単価が下がるという事態に陥っています。消費者に「どれも同じ」と思われ、結果、競争のポイントが価格になってしまっていることがチーズ市場における大きな課題です。

そこで、私たちは主力ブランド「明治北海道十勝」で、他社ブランドとの差異化をはかるための施策を2014年5月から実施しています。このブランドは、当社のチーズにおいて売上の半分近くを占めており、スライスチーズをはじめとしてさまざまなラインナップを揃えています。名前の「十勝」からもわかる通り、国産原料を使用した高品質のものを提供しているブランドです。

高価格帯のブランドと位置付けているわけではありませんが、消費者には「アッパーブランド」、「良いもの」だと思ってもらう必要があり、そこが打ち出せていない、理解してもらえていないということが課題でした。


20150515_02


新しい価値を提供するブランドを目指す

2014年5月にスマートチーズの新商品が発売になったタイミングで、SMAPの香取慎吾さんを起用したテレビCMの放送を開始し、最後のワンカットに「日本のチーズを変えていく」というスローガンを挿入しました。明治北海道十勝というブランドが目指すもの、体現するものをちゃんと発信していこうという意識の象徴として、このスローガンを掲げています。


2014年から放映しているテレビCM 20150515_03


スマートチーズの特長である、「今までに無かった濃厚なうまみ」という商品ベネフィットを伝えるのはもちろんですが、こうした単品の訴求だけでなく、ブランドとして「新しい価値を提供している」ことを理解してもらうことを目指しています。具体的には、味、包装形態、形状などにおける新たなコンセプトを打ち出し、それがブランド価値向上に寄与していくような枠組みをつくることを意識しています。それによってブランドと商品が相互に価値を高めていくサイクルとなり、長期的なブランド育成や商品の認知拡大、普及につながっていくものと考えています。

テレビCMに入れたスローガンはひとつの象徴的な例ですが、テレビCMのクリエイティブでも、新聞広告などにおいても、全体のトーン・コピーを含め商品の新規性を強調し、「新たな価値を提供しているブランドである」というイメージを醸成することを意識して制作しています。

次回は、「明治北海道十勝」ブランドが新しい価値を提供していることを象徴する商品で展開する、新しいキャンペーンについてお話します。

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