蚊とり線香で新しい価値の提供を 第3回 お客さま目線で「ちょっとした改善」繰り返す | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2015/9/4

蚊とり線香で新しい価値の提供を
第3回 お客さま目線で「ちょっとした改善」繰り返す

蚊とり線香で新しい価値の提供を<br />第3回 お客さま目線で「ちょっとした改善」繰り返す

蚊とり線香市場は「景気より天気」

広告については、パッケージや店頭での販促につながるものを中心に組み立てています。テレビCMは、蚊とり線香が売れる6月から8月くらいまでの期間に放映しています。今年は、5月の後半から香りつきの商品をメインにしたテレビCMを初めて展開しました。テレビCMの効果は消費者へ向けた認知度向上も当然ですが、小売店の仕入れにも影響があるので、営業の販売促進をサポートする意味でも非常に大きいと感じています。

テレビCMによって認知度を上げたり、店頭展開を拡大したりすることはできますが、売上については気温による影響に左右されてしまうのが蚊とり線香を含めた殺虫剤の宿命です。気温が25度から30度くらいで、適度に雨が降るような気候が蚊などにとっても活動しやすい環境です。ここ数年の猛暑のように35度を超える気温になると虫の活動も低下するので、社内では「景気よりも天気」ということがよく言われています。

例年、7月が販売のピークとなるのですが、7月前半の気温があまり上がらず、今年の売上としては少し不調の傾向が見られます。8月初旬の時点で殺虫剤市場全体としては前年比で下がっている状況ですが、蚊とり線香に限っていえば、私たちは前年同様の水準になっており、比較的健闘しているととらえています。

アース渦巻香の多様なラインナップ

アース渦巻香の多様なラインナップ

長持ちタイプと香りつきの商品で、蚊とり線香市場に新たな価値を生み出し、シェアを伸ばすことができました。今後も香りだけではなく「お客さま目線の商品開発」を進めていきたいと考えています。煙や香りといったことだけではなく、お客さまにとっての「ちょっとした使いにくさ」はあると思います。そういったことをいかに改善するかをテーマにチャレンジを続けています。

固定化された市場に風穴を開けたい

蚊とり線香という商品は歴史も古く、長い間お客さまに定着しています。一方、煙の刺激や臭いなど、お客さまが感じる使いにくさや、使用に対する抵抗感についてはこれまであまり手がつけられなかったのではないでしょうか。だからこそ私たちは商品開発を進め、新しい価値を提供しようと積極的に取り組んでいます。私たちのシェアが上がるということは、世の中に使いやすい商品が広がることだと考えています。

「お客さま目線の商品開発」を進めていくために、ユーザー調査にも力を入れています。マーケティング部門と連動して、有用なデータが取れる方法を日ごろから検討しています。消費者の方に来てもらってグループインタビューなどを行い、上手く使ってもらえるような商品はどんなものかということを捉え、良い提案につなげていくようにしています。

殺虫剤、蚊とり線香は年齢が上がるほど購入率が上がるというデータがあります。これは、殺虫剤を使い慣れて抵抗感が少なくなってくるという心理的要因や、家屋の築年数、若い世帯はドア・窓の開閉頻度が少ないという環境要因の影響もあります。ただ、市場としては常に新たな層を取り込んでいかなければいけないので、「今」の消費者が何を求め、どんなものが使いやすいと感じるかを捉えることを重視しています。

アース製薬 デジタルマーケティング部 研究開発本部 商品企画部
商品企画課 課長
飛田 憲一

2005年アース製薬株式会社入社。研究員としてトイレ用芳香洗浄剤や入浴剤の研究開発を担当したのち、2010年より商品企画部に異動。ハエ・蚊用、ゴキブリ用などの殺虫剤を担当しながら、モンダミンやお米用防虫剤など幅広い業務に携わる。

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