成長市場を生き抜く商品ブランド戦略 第2回 少女マンガとタイアップする理由 | リサーチ・市場調査・マーケティング

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2016/3/18

成長市場を生き抜く商品ブランド戦略
第2回 少女マンガとタイアップする理由

成長市場を生き抜く商品ブランド戦略<br />第2回 少女マンガとタイアップする理由

あえて主張を抑えたパッケージに

カンロの「ピュレグミ」は2015年春に大幅なパッケージリニューアルを行いました。デザインに上質感を加えパッケージサイズを大きく、また内容量と価格も若干変更しました。

これにはいくつかの理由があります。グミ市場の伸長とともに売り場競争が激しくなり、ピュレグミの価値が同質化してしまっていたこと、また、グミにもプレミアム路線の商品が登場するなど、消費者の価格に対する感覚が変わってきたことなどが挙げられます。

主張を抑えたパッケージ

現在のパッケージ(一番右の「ブラッドオレンジ」は2016年の新商品)

パッケージは「おしゃれ」で「上質」、ターゲットである若い女性が「ジャケ買い」をしてもらえるようなデザインを目指しました。賑やかなグミ売り場の中であえて主張を抑えたことも挑戦でした。

リニューアルに合わせ裏面の上部にメッセージを書き込むスペースを設けています。これは、お菓子のパッケージにメッセージを書いて友人にプレゼントし、その画像ソーシャルメディアに投稿することが流行りつつあり、そこに「ピュレグミ」も多く登場していたことにヒントを得ました。

「ピュレグミ」は10袋中に1粒くらいの確率で、通常のハート形ではなく星型のものが入っています。それを見つけた人が画像をソーシャルメディアに投稿していたこともあり、ソーシャルメディアとの親和性が高い商品でもあると考えています。そこで、パッケージは写真に撮りたくなるようなデザイン、裏面にはメッセージ欄を設けて「人に贈るグミ」というポジションを目指し、ソーシャルメディアでの拡散やブランド価値の向上も期待しています。

キャンペーンでプレゼント需要開拓に取り組む

2016年の2月からは「人に贈るグミ」を訴求するキャンペーンとして、マンガ「君に届け」とのコラボレーションパッケージを展開しています。マンガの一場面を印刷したパッケージは全部で24種類あり、そのうちの半分はセリフの吹き出しが空欄になっています。セリフが入っているものも、日常的に使いやすい場面を選んでいるので、人に贈りやすいものにしています。また、空欄にメッセージを書いた「ピュレグミ」を撮影し、特設サイトに投稿することで応募できるプレゼントキャンペーンも実施しています。

コラボレーションパッケージ

「君に届け」とのコラボによる期間限定パッケージ
イラスト:「君に届け」椎名軽穂(集英社「別冊マーガレット」連載) ©椎名軽穂/集英社

「君に届け」という作品は、2005年から別冊マーガレットに連載されている人気マンガで、実写化やアニメ化もされています。発表から約10年というのは「ピュレグミ」の歴史とも近く、「想いを届ける」という作品のテーマも「人に贈るグミ」という私たちの狙いとも親和性が高いと考えてコラボレーションを決めました。また、学生の時にこのマンガを読みながらピュレグミを食べていた…など、懐かしく思い出してもらえるような効果も意識しています。

一般的に、他社も含めてグミのプロモーションは春先がピークであることが多いため、当社でも春のキャンペーンは継続的に実施しています。プレゼントキャンペーンは必ずというわけではありませんが、これまでは、期間中にたくさん買ってくれた方に純金プレゼントというものや、ひとつだけ色の違うグミを封入し、見つけた方に「王子様とデートできる権利」をプレゼントするものも行ってきました。

グミ売り場は新しいものがどんどん登場します。そのため、どれだけ店頭で新しさや面白さを感じていただけるか、興味を持っていただけるかが重要です。商品やパッケージで魅力を感じてもらうことはもちろん、キャンペーンについても、店頭で消費者を惹きつけられる、インパクトのあるものを実施するように心がけています。

次回は、新商品の開発やプロモーションに対する考え方を紹介します。

カンロ株式会社 開発本部マーケティング部 プランニングチーム 係長 入江 由布子

2004年4月カンロ株式会社入社。キャンディ以外の新たな事業開発を目的とした新規菓子チームに6年間配属。
その後、「ピュレグミ」のブランド担当として企画チームへ。2012年からマーケティング部門へ異動。引き続き「ピュレグミ」を中心としたグミの戦略立案、プロモーションなどに携わる。 

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