- マーケティングコラム
商品コンセプトと消費者ニーズ
株式会社ユーティル
シニアマネジャー
菊地 信彦
2014 / 11 / 19
食品、飲料、日用雑貨や自動車、住宅、旅行、保険など、商品にはその根幹となるコンセプトが重要ですが、そのコンセプトについてわかりやすい公式が経営学博士の梅澤伸嘉氏により示されています。
商品コンセプトの公式
見方を変えると、未充足の強い(充足されていない)ニーズに応えるものでなければ、商品のアイデアが優れていても魅力的なコンセプト、即ち魅力的な商品(買ってみたいと思わせる商品)にはなりません。上記式の考え方のプロセスは:
(1)消費者の未充足の強い(充足されていない)ニーズ(N)を探る
(2)N(未充足の強いニーズ)をベネフィット(B)に置換える
※NとBは対応関係にあります
(3)B(ベネフィット)を満たすようなアイデア(I)を考案、開発する
※アイデアとベネフィットの間には因果関係が成立します
(4)I(アイデア)を元に新カテゴリー名(NCN)を考える
となり、これらの要素を文章化してコンセプトを作成します。コンセプトの文章化には流儀がありますが、かなりのボリュームになりますのでここでは割愛させていただきます。
消費者ニーズの階層
先程の公式にも登場したN(ニーズ)というのは、漠然としていて捉えにくいものですが、前出の梅澤伸嘉氏はニーズを階層化して、最下層をHaveニーズ、順にDoニーズ、Beニーズという3層構造で説明しています。まとめ
身の回りにある、様々な商品について、そのコンセプトは何かを考えて公式に当てはめながら、各要素に分解してみると、コンセプトの構成やその必要性についての理解が進みます。実際、ベネフィットが不明確なもの、ベネフィットが未充足のニーズとなっていないものなど、商品の色々な性格がみえてくるはずです。また、ニーズの層構造については、ニーズの背景を考える手段として、消費者のインサイトを探るヒントとしてとても役に立ちます。以上、簡単ではありますが、自身の経験を元に、シンプルでわかりやすく、有用なマーケティングリサーチの手法について述べさせていただきました。