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  • マーケティングコラム

トキ消費・イミ消費とは?消費行動の変化とZ世代にささるポイントを解説

金森 努
マーケティングコンサルタント・講師
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
青山学院大学経済学部非常勤講師
日本消費者行動研究学会学術会員

大学でマーケティングを学びコールセンターでキャリアをスタート。「顧客の生の声」に触れ、消費者行動の面白さに目覚める。コンサルティング会社、広告会社を経て2005年に独立。企業に対してマーケティング戦略立案のコンサルティングとマーケティングの研修を提供している。著書「3訂版図解よくわかるこれからのマーケティング」(同文舘出版)。マーケティングの要諦は「顧客視点」であると主張している。

金森 努

2023 / 03 / 03

#消費者行動,#消費市場

トキ消費・イミ消費とは?消費行動の変化とZ世代にささるポイントを解説

時代の移り変わりやコロナ禍によって、世の中や人々の消費行動が変化し、マーケティング業界では「トキ消費」や「イミ消費」に注目が集まるようになりました。本稿では人々の消費行動の変化を追いつつ、「トキ消費」や「イミ消費」について解説し、マーケティング施策のヒントを探っていきます。

消費行動は時代とともに変化している

消費文化の萌芽である高度成長期(1965年~1973年)から「モノ消費」と言われる消費行動が始まり、バブル経済期(1986年~1991年)まで続きました。その後、市場が成熟化し、モノが満ちあふれた90年代以降には「コト消費」に消費者の関心が移り、近年はさらにそれが進化した「トキ消費」、そして最新の潮流である「イミ消費」が注目を集めています。

1. モノ消費

「モノ消費」とは、「製品やサービスのもつ機能的価値を消費すること」と経済産業省に定義され、第二次世界大戦後から高度成長期にかけて現れた消費潮流を指します。

モノ消費は、高度成長期に「必要最低限のモノを手に入れる」ことから始まりました。その後、「人並みな暮らし」「より生活が便利で快適な暮らし」を求め、バブル経済期には「さらに良い暮らし」を「モノを満たす」ことによって実現しようとしたのです。

モノ消費の事例

モノ消費の事例として、高度成長期に「三種の神器」と呼ばれて購入する家庭が増加した電気洗濯機、電気冷蔵庫、白黒テレビがあります。その後、技術の進歩により家庭向けのカラーテレビ(color TV)、クーラー(cooler)、自家用乗用車(car)が量産化されて普及し、それぞれの頭文字を取って「3C」と呼ばれるようになったのです。これがより豊かな暮らしを志向したモノ消費(モノへの欲求)であり、さらにバブル期になるとブランド品などを買い集めるような行動にエスカレートしていきました。

2. コト消費

バブル経済の崩壊によってモノへの欲求が冷め、「豊かな暮らし」には「可処分時間を『富』と定義する体験」が欠かせないという考え方が広まっていきました。すなわち、商品やサービスの購入によって時間や体験を消費する「コト消費」です。モノ消費が商品の「機能的価値」に対価を払っていたのに対し、コト消費は「体験的価値にお金を払う」という消費の風潮をまとめたものです。

川上徹也氏の著書『「コト消費」の嘘』(角川新書)では、コト消費を「純粋体験型」「イベント型」「アトラクション型」「時間滞在型」「コミュニティ型」「ライフスタイル型」「買い物ワクワク形」という7つのタイプに分類しています。

コト消費の事例

多くの場合、コト消費と呼ばれるのは「体験型消費自体」が商品になっている「純粋体験型」です。「神社・仏閣などの観光地に行く」、「山・川・海などでアクティビティを体験する」、「ライブ・フェス・花火大会などのイベントに参加する」などの単純なものから、「和服の着付け・書道・陶芸など伝統文化の体験」、「コスプレなどに代表されるポップカルチャー」など、日本ならではの文化体験も含まれます。


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3. トキ消費

コト消費がすっかり定着してきた2010年代には、単に「体験的価値に対価を払う」というだけでは説明がつかない潮流が見られるようになってきました。それを博報堂生活総合研究所は「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しむ消費」を指す「トキ消費」という概念で提唱しています。

トキ消費には、「非再現性」(時間や場所が限定されていて同じ体験が二度とできない)、「参加性」(不特定多数の人と体験や感動を分かち合う)、「貢献性」(盛り上がりに貢献していると実感できる)という3つの要件があります。つまりトキ消費における価値とは「参加の価値」であり、「人と一緒に生み出すトキに参加したい」というニーズが根底にあるのです。

トキ消費が増加した背景

トキ消費が増加した最大の理由としては、オンラインツール、特にスマホとSNSの普及が挙げられます。オンラインでいつでもどこでも不特定多数の人とつながれる現代では、時や場所を共有するハードルが極めて低くなりました。トキ消費の3つの要件である非再現性・参加性・貢献性はオンラインとの親和性が高く、「オンラインツールの普及がトキ消費を拡大させた」といえるでしょう。

トキ消費の事例

観客も歌って踊って場を盛り上げる「フェス・ライブ」や、コスプレ、声出し、手拍子などでにぎやかに観る「映画の応援上映」、企業の商品開発などを生活者の寄付で実現する「クラウドファンディング」、好きなアイドルや商品に投票する「総選挙型キャンペーン」などがトキ消費の代表的事例だと言えます。

4. イミ消費

「イミ消費」はホットペッパーグルメ外食総研エヴァンジェリストの竹田クニ氏が提唱した概念であり、「ある商品を消費することで生まれる、社会貢献的側面を重視する消費行動」を指します。
例えば「環境保全」「地域貢献」「フェアネス(正義)」「歴史・文化伝承」「健康維持」などがキーワードであり、「自分がどうありたいか?」あるいは「どうあるべきか?」を指標として経済活動を行うという特徴があります。

トキ消費はその盛り上がりをSNSで伝播させて「いいね!」をもらいたいという、マズローの欲求5段階説の「承認欲求」を満たすことも大きな比率を占めているのに対し、イミ消費は自らの「社会正義的消費観」に照らし合わせて「あるべき自分になりたい」という「自己実現欲求」にもとづいており、より高次の消費であるとも言えるでしょう。

イミ消費が増加した背景

「イミ消費」の背景としては、2011年の東日本大震災による被災地支援が始まりとされています。被災地支援、つまり「社会正義的消費観」によって、他者支援・地域復興活性化に貢献しようとするものです。また、世界的なSDGsの取り組みが高まり、環境保全やフェアトレードなどが注目されたこともそれを後押ししています。

イミ消費の事例

地域貢献という意味では「ふるさと納税」が顕著な例です。クラウドファンディングの中でも地域貢献や社会的正義を感じられる商品には多くの支援が集まると言われています。また、SDGsでカーボンオフセットや無農薬・無化調商品などにも関心が寄せられているほか、発展途上国原産のコットンで作られた商品などフェアトレード商品も人気を集めています。

参照:
経済産業省 地域経済産業グループ|平成27年度 地域経済産業活性化対策調査
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/chiiki/koto_shouhi/pdf/report_01_02.pdf

経済産業省 地域経済産業グループ|コト消費空間づくり研究会取りまとめ~マネジメント組織を中核とした地域協同システムの構築~
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/chiiki/koto_shouhi/pdf/006_02_00.pdf

ニッセイ基礎研究所|現代消費潮流概論-消費文化論からみるモノ・記号・コト・トキ・ヒト消費-
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=69930?pno=2&site=nli

インフィニティ|今後の生活製品の可能性~若者・世代マーケティングの立場から
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/seikatsu_seihin/pdf/004_04_00.pdf

ホットペッパーグルメ外食総研|変「質」する外食市場 ~マーケットの読み方と付加価値の磨き方~(前半)
https://www.hotpepper.jp/ggs/seminar/article/seminar/20180125_1


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トキ消費やイミ消費を活かすポイント

トキ消費やイミ消費は商品そのものの「モノの価値」ではなく、そのモノが持つ「意味」に対して対価が支払われています。それはコト消費にも共通しますが、その「意味」がより明確化されている点が大きく違い、「意味の明確化と提示」がポイントとなります。

複数の消費行動を結びつける

現代はニーズが多様化した時代です。その多様なニーズに応えるのは、何も新しい概念であるとは限りません。モノ消費、コト消費、トキ消費、イミ消費という複数の消費行動を組み合わせることで多様化したニーズに対応することが可能となります。

また、一人の人間でも常にニーズが一定ではないため、消費行動の組み合わせを用意し、取り込むタイミングを複数作っておくことが効果的だと言えるでしょう。

Z世代の共感を得る

Z世代、すなわち1990年代後半から2012年頃に生まれた、2022年時点では20代前半から10代の年齢層が、現代の消費行動を牽引していると言われています。

その世代はソーシャルネイティブである点が特徴でSNSとの親和性が極めて高い傾向があります。ゆえに、SNSなどで話題になる施策をすることでより多くのZ世代に情報が届くようになり、ビジネスチャンスにつながりやすくなるのです。SNSで拡散されるポイントは「共感を得ること」なので、SNS施策の際には必ず押さえるようにしましょう。

Z世代はエモ消費が増加中

「共感」という意味では、Z世代の価値観として「エモいか、エモくないか?」が大きな分かれ目になります。「エモ」は「エモーショナル(emotional=感情的)」が語源と言われ、「エモい」は「ロジカルに説明するのは難しいものの、満たされる」、つまり「なんかいい」という意味です。その「精神的な満足感」に着目したのが「エモ消費」にあたります。

エモ消費とは

「エモ消費」はコラムニストの荒川和久氏が提唱する概念です。前述の通り、精神的な満足度を重視する消費行動であるがゆえに、コストパフォーマンスなどで測ることはできません。

エモ消費に該当するのは不便な物・作り込まれていない物や一点ものなど、具体的には確実にシャープな画像を撮ることができず現像の手間がかかるフィルムカメラや、一点ものの古着などが挙げられます。そうした新しい価値観にも注目しておきましょう。

まとめ

消費行動は世の中の動きや時代の変遷によって、「モノからコトへ」と変化し、新たに「トキ消費」「イミ消費」や、さらには「エモ消費」などまでが誕生しています。しかし、いずれかの消費者行動に狙いを定めれば正解というものではありません。多様性が求められる今日では、各々の特徴を理解し、顧客のニーズにマッチする複数の消費行動を組み合わせたアプローチをしていくことこそが必要とされているのです。

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