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新規顧客獲得も可能な『ファンマーケティング』の成功のポイント4つ

2020 / 08 / 21

#コミュニケーション,#ブランディング

新規顧客獲得も可能な『ファンマーケティング』の成功のポイント4つ

不特定多数の消費者をターゲットにして自社の商品・サービス利用に誘導するマーケティングとは対極にある手法が、一部の熱狂的なファンに焦点を絞ったファンマーケティングです。どのような理論と発想に基づいて実践されているのかをまとめ、成功のポイントについて考察します。

新規顧客も可能なファンマーケティングとは

一部の熱狂的支持者に着目したファンマーケティングの理論的背景には、パレートの法則があります。イタリアの経済学者が発見した一種の経験則ですが、ビジネスシーンでいえば、利益の80%は全顧客の上位20%がもたらしているので、顧客全体を対象とするよりも、利益の多くをもたらす20%の顧客に的を絞ったビジネス戦略が効率的という考え方です。

余裕があるならば、貢献度に関係なく全顧客を取り込みたいところですが、全方位的なマーケティングを展開する余裕がない企業の場合はパレートの法則を戦略の根拠に置いて、20%の熱烈な支持層を徹底的に取り込む手法が有効な場合もあります。

消費者と一言で言っても、リピーターや消費額の大きな顧客など、その形態はさまざまです。しかし、ファンマーケティングで求められるのはこれらとは一線を画す、自社および自社の商品・サービスを愛してくれる熱狂的なファンなのです。そしてその熱狂的なファンの熱が冷めないように互いの距離を縮め、固い絆や信頼性を作り上げていけば、新規顧客の獲得が可能です。つまり、ファンが新たな顧客を連れてくる役割も果たしてくれるのです。

例えば、イベント開催時に誘ったファンの友人が新たな顧客になったり、ファンが発信した熱量を持ったメッセージのSNSに興味を持ったユーザーが新たな顧客になったりするといったパターンで、20%のファンは広報や営業の役割を果たしてくれるわけです。しかし、そうした流れが生まれるためには企業自身がファンの信頼や評価を高める努力を怠らず、ファンが自社商品やサービスをぜひ友人やネットユーザーにも知ってほしいというモチベーションを持つような深い信頼関係を構築、維持することが大切です。


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ファンマーケティング成功のポイント4つ

ファンマーケティングを成功させるポイントはいくつかありますが、中でも外すことができない中核的な戦略は4つです。

複数のコンタクトポイントの提供

20%の熱狂的なファンを逃さないためには、常にファンと繋がっていることが大切であり、そのためには複数のコンタクトポイントを提供し続けることが重要です。コンタクトはネット上のバーチャルな接触と、イベントなどリアルな接触がありますが、これらをいかに有機的に連動させるかが カギになります。自社運営サイトや、メルマガなどオウンドメディアに属する情報発信グループ、新聞やテレビ、webなど掲載費を支払って認知度を上げるペイドメディア、消費者の批評や要望が爆発的に拡散していくパワーを持つSNSなどアーンドメディアの3つを連携させ、複合的な情報発信体制を構築することがポイントです。その理由は、重要な上位20%のファンはさまざまな媒体をサーフィンするように動いているからです。あるファンがSNSで知った自社商品について、webサイト上で詳細を知ろうとしたり、その商品を紹介するイベント広告をテレビで見て会場に足を運び、その様子をSNSに投稿するというように、さまざまなチャネルを行ったり来たりするので、多様なコンタクトポイントが必須となります。

それぞれのファンとの絆を強化する情報の発信

熱狂的なファンであっても、きまぐれな行動をとるのは現代の消費者のよくある行動原理です。昔と違って、選択肢がいくらでもあるからです。そんな環境で、できるだけ長くファンでいてもらうためには、エンゲージメントを維持し続けることが大事です。エンゲージメントとは、ブランドや商品について消費者が積極的に関わる仕組みを構築することで生まれる企業と消費者間の絆であり、一体感です。ファンをつかんで離さないためには、ファンとの親密度を高めるための情報提供が欠かせません。しかも、一人ひとりの興味やニーズを反映した情報を提供することが求められます。例えば、Aというブランドのワインを購入したファンに対して、そのワインを飲めるワイン祭りに招待したり、ワイン誕生にまつわるメルマガを配信したり、アンケートを送付することで、よりエンゲージメントを強化するのです。


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ファンの心理やニーズを観察するDMP(データマネジメントプラットフォーム)の活用

きめ細かな情報提供でファンとの絆を強いものに育てていく作業は、情報量が膨大であるため人力だけではできません。一人ひとりの行動や購買データ、イベントへの参加率やアンケート回答率など、一元管理しつつ、効果的かつ迅速に情報処理ができるシステムが必要です。具体的にはインターネット上に蓄積された膨大なデータを管理するプラットフォームを用いて、自社サイトにアクセスした顧客の属性情報も含め、さまざまな管理データの分析を行い、顧客とのコミュニケーションを最適化する機能を持たせることで、ファンマーケティングに欠かせないコミュニケーション構築に繋がります。

イベントやコミュニティー運営でファンを動かす

自社のファンをしっかり囲い込むファンマーケティングで新規顧客を呼び込むためには、効果的な仕掛けが必要になります。例えば上位20%の顧客が、自ら新しい顧客候補を引っ張ってきてくれるような企画を展開するのです。自社のゲームソフトを長年支持してくれているファンを招待するゲームイベントを開いてファンとのリアルな接点を作り、同時に、会場にはファンの友人を連れてくるような形で新規顧客候補を誘引します。またファンを対象としたコミュニティーを運営することで、ファンに特別感を持たせ、より絆を深めます。こうした囲い込み作戦を濃密に繰り返すことで、ファンの知人や友人を巻き込んでもらったり、SNSなどでファンに情報を積極的に拡散してもらったりする流れが生まれ、さまざまな相乗効果や大きな熱量を生み出していけば、新規顧客の獲得につながります。つまりファンの一種の営業力によって、顧客の拡大再生産の道を開く可能性が生まれます。

まとめ

一部の熱狂的なファンを対象としたファンマーケティングは、いかに消費者と企業をより強固な絆で結ぶのかが重要視されています。そのためにはまず、ファンとのつながりを維持できるよう複数のコンタクトポイントを提供すること、エンゲージメントの強化を図ること、消費者一人ひとりの行動歴を一元化できるDMP(データマネジメントプラットフォーム)を活用すること、イベントの開催などによって消費者自身が新たに新規顧客候補を誘引することなど、ファンマーケティングにおける成功ポイントを押さえておくことが重要です。

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