アンケート調査を効果的に活用するために知っておくべきこと | マーケティングコラム | リサーチ・市場調査・マーケティング

マーケティングコラム
2016/12/22

アンケート調査を効果的に活用するために知っておくべきこと

アンケート調査を効果的に活用するために知っておくべきこと

アンケートとは

 「アンケート」とは、そもそもフランス語で、「実査活動を伴う調査」という意味ですが、日本では、調査票を使った調査全般を「アンケート」と呼ぶようになり、それが浸透、一般化しています。

アンケートを計画する前に…事前の情報収集

 まず、アンケートを実施する前に「セカンダリーデータを収集して、対象者に関する情報を得る」というステップが必要です。セカンダリーデータとは、「他の目的のためにすでに収集されたデータのこと」を意味します。総務省統計局、国土交通省、厚生労働省、内閣府などから公開されているデータを有効に活用することで、事前の情報収集を行うことが出来ます。その結果、「アンケートを実施しなければ、目的のデータが得られない」ということになればアンケート実施の検討に踏み切るべきです。アンケート実施には、かなりのコストがかかります。
 さらに最近「ビッグデータ」を活用する動きが活発化しているようですが、ビッグデータの活用でアンケートを実施する必要がなくなる領域も出現してくることでしょう。

アンケートにまつわる様々な分類

(1)調査票における設問
 アンケートの調査票は、「アイテム」と「カテゴリー」から成り立っています。「アイテム」とは、質問項目のことで、「カテゴリー」とは、回答項目のことです。多くのアンケートでは、事前に回答項目が作成されていますが、このような方式はプリコード式と呼ばれています。一方、質問項目に対して、調査対象者に自由に答えてもらい、その回答を事後に分類して、カテゴリー化することはアフターコード式と呼ばれています。
 プリコード式は、性別、年齢、住居形態、居住年数、居住地域といったような実態を把握するために有効です。データの入力処理が容易になるからです。しかし、対象者の意識といったような場合、あらかじめ用意された回答項目のいずれかに入ってしまう危険性が潜んでいます(これは「バイアス:ここでは偏りという意味で使用」と呼ばれている現象ですが、「バイアス」については、調査主体名バイアス、回答項目の順序効果バイアス、回答への助成想起バイアス、調査員バイアスなど様々なバイアスがあります)。
 一方、アフターコード式は、自由回答(フリーアンサー[F.A.]やオープンアンサー[O.A.]と呼ばれています)が基本となりますので、調査対象者が自由に回答した意識などを回収できるという点がメリットとして挙げられます。しかし、対象者の回答を全部読んで、カテゴリーに分ける、という膨大な作業が発生するというデメリットがあります。また、アンケート内容に興味がない調査対象者から回答を引き出すことが難しいというデメリットもあり、このような事態を支援するために「プロービング」(対象者に深掘りして質問すること)という回答を引き出す調査テクニックも存在しています。
 このようにプリコード式とアフターコード式のメリット・デメリットを挙げてきましたが、アンケートを作成する場合には、まず、質問項目の特性やアウトプット方法を勘案して、調査票を作成していくことが、調査をスムーズに進めるために必要な工夫のひとつです。

(2)サンプリング方法
 サンプリング(標本抽出)においても、方法によってメリット・デメリットがあります。アンケートは、母集団から無作為に一部を選んだ対象者の回答から、母集団全体を知ろうとするもので、ほとんどのアンケートでは、サンプリング(無作為抽出。一部で有意抽出があります)が行われています。4年に一度行われる国勢調査のように調査対象の母集団全員に調査を実施する「
悉皆(しっかい)調査」は非常に稀なケースです。
 サンプリングでは、全数を調査する必要がありませんので、莫大なコストが掛からないというメリットがあります。しかし、サンプリング誤差が生じてしまうこともあります。誤差はサンプル数が少なければ少ないほど大きくなります。サンプリングを行った場合、「常に誤差がある」ということを認識して分析しなければなりません。

(3)調査手法
 調査手法は、調査する対象によって最適の手法を選ぶ必要があります。以下は、主に定量的なデータを収集する場合の代表的な調査方法です。

・訪問面接調査
・訪問留置調査
・郵送調査
・電話調査
・インターネット調査
・街頭調査
・CLT(セントラル・ロケーション・テスト:会場に調査対象者を集めてアンケートを実施する方法)

 以下は主に定性的なデータを収集するための代表的な手法です。

・グループインタビュー
・デブスインタビュー
・ミステリーショッパー(いわゆる覆面調査のこと。訓練を受けた調査員が身分を隠して、実際に商品を買ったり、サービスを受けたりして、その際の店舗内の様子、従業員の態度など評価するというものです)
・行動観察法

 一言でアンケートと言っても、今回ご説明したように調査票の設問や調査手法など、種類は多岐にわたり、それぞれの特性は異なります。調査課題を明らかにする手段として、アンケート調査をより効果的に活用するために、これらの特性を理解することが重要です。
 また、調査会社に調査を依頼する場合には、自らの調査課題を伝えた上で担当者からのアドバイスを求めるといったことも活用すべきでしょう。


 

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