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- グローバルコラム
ブルネイ王国で黄金とムスリムに囲まれて
2016 / 01 / 26
ブルネイ王国の旅行会社にてインターンシップに参加することになり、未知の地に踏み込んだ初日、騒がしくサイレンを鳴らしたSPのバイク数台の間に黒い車が走っていた。「あれがブルネイの王様だよ」と会社の上司から知らされた。こんなにも王様が身近な様子を目の当たりにして「なんて凄い国だ」と思ったのが、ブルネイ王国への第一印象だった。
ムスリムの国の王様
国内の王様支持率は100%である。
観光地としてのブルネイ王国
ブルネイの一番人気の観光スポットは、18金と大理石でできた2種類のモスクである。現王様、前王様が1つずつ造ったものだ。モスクは、ムスリムが集う礼拝堂のことだが、旅行者たちはこれらのモスクを楽しみにやってくる。外観だけでなく中も大変美しいため、ここを訪れたことをきっかけにムスリムに関心を持つ旅行者は少なくなく、私自身もその一人である。金曜日はムスリムにとって一番大事な曜日。国の定休日は金曜と日曜であり、金曜日の12時から14時は国内では空港以外のショッピングモール・レストラン・博物館・スーパーマーケットさえ閉まってしまう。ムスリムが基準の国であるため、訪れる時には注意が必要だ。
ブルネイ王国のムスリム
ムスリムは一日に5回お祈りをし、豚肉や酒類などが含まれていないハラルという認証を受けた食事をするが、ムスリムの厳格さは、国や地域によってさまざまである。例えば、隣の国、マレーシアの首都クアラルンプールのムスリムは、ハラルマークがない食べ物は食べない人が多いが、マレーシアのコタキナバル市の人たちは、豚肉が入っていないことがわかれば食べてしまうムスリムが多いと個人的に感じている。ハラルマークは、国や認証機関によって基準が異なっており、世界で統一されているものではない。日本でもオリンピックに向けて、ハラル対応が進んでいるところだが、残念ながら「ムスリムの国ではない日本のハラルは信用できない」という声も少なくはない。だが、ブルネイのムスリムはとにかくハラルマークさえあれば大丈夫、日本製品は大好きだ。というムスリムが多い。ブルネイは小さな国で、マーケットは非常に小さいが、日本との関係はかなり良好である。日本のハラルは、ブルネイで最初に浸透するのではないかと推測する。
★Information★
次回よりさらに話題を広げて、海外に拠点を置くクロス・マーケティンググループの仲間からの報告をご紹介いたします。
ぜひご期待ください。