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- グローバルコラム
常夏の国、マレーシアで感じる四季
2014 / 04 / 22
マレーシアは常夏の国
「マレーシアは常夏の国」というイメージを持っている人も多いと思います。そのイメージ通り、スーパーや市場の果物棚には、マンゴー・ドリアン・マンゴスチン・ドラゴンフルーツなどなど、「ザ・南国!」を彷彿させるようなフルーツが一年中並んでいます。(一応旬の時期はあるようですが…)
マレーシアの気温は1年を通して日本のような変化がほとんどなく、どの時期でも日中の最低気温は25度前後、最高気温は30度〜33度くらいです。
湿度は東京より高いのですが、ジメジメした感じはなく、体感温度は日本の夏の方が遥かに暑いと感じます。ただし、紫外線量は日本の約2〜3倍あるそうです。
日本には6月頃に梅雨があるように、マレーシアも10月後半〜2月頃に雨期を迎えます。長い期間の様に感じると思いますが、一日中雨が何日も降り続くような事はなく、朝はカラッと晴れあがっているものの、15時頃から1~2時間窓の外が真っ白になるほどの豪雨が降り、その後またさっと晴れて夜には星が出るという繰り返しです。
外出中に雨に遭うと、多くの人が屋根のある地面に平気で座り込み、あるいは高架下にバイクが何台も停まって、雨をやり過ごす光景が見られます。長くても2時間ほどで雨がやむからですが、のんびりしているマレーシア人の気質なのか、ゆったり平然と雨があがるのを待っています。
マレーシアにも四季はある…?
日本では、お花見・海水浴・花火・紅葉・クリスマス…街の情景や道行く人のファッションも四季折々に移り変わり、全く違う顔を見せてくれます。一方、1年中「夏」のマレーシアはいつも熱帯雨林が青々とし、街は半袖やノースリーブの人々でごった返しています。
しかしショッピングモールを訪れた際、大変面白い光景に出会いました。日本が「秋」を迎える10月後半頃、マレーシアはもちろん「夏」なのですが、ショッピングモールのショーウインドウが秋一色に変わったのです。
コーデュロイのパンツやブーツ、ファー付きのジャケットにニット帽。日本のショーウインドウと同様に、マレーシアの町並みも秋の装いに変わります。ところが、道行く人々は真夏の格好のまま。ごくごくたまに、お洒落な若者がブーツを履いていますが、見るからに暑そうです。
そしてその数ヶ月後、ショーウインドウにはダウンジャケットやマフラー、セーターが登場します。しかし、街行く人々の装いは依然として夏真っ盛り。冬物満載の店内には買い物客も居ますが、皆、冬物エリアを思う存分品定めした後、店舗奥に確保されている夏服エリアの商品を購入していました。
最近のマレーシアには日本同様H&MやZARA、UNIQLOなどのショップがどんどん進出し、数年前に比べ若者たちがファッションに敏感になっている様に感じます。ショーウインドウが四季折々の変化を見せるのも、マレーシアの人々が世界の流行に注目していることの表れだと感じます。
マレーシアのクリスマス
11月も後半になると街は一気にクリスマスモードを迎え、日本と同様クリスマスグッズが至る所に並び、街中のスピーカーからは御馴染みのクリスマスソングが流れはじめます。しかし、人々の格好は半袖やキャミソールといった夏の装いのままです。装飾の色味や雰囲気は日本と変わりませんが、周囲の人々の格好に夏国のクリスマスを感じずにはいられません。私はまだ見てはいませんが、サンタクロースも半袖を着て登場したりするのでしょうか。
様々な飾りやイルミネーション、BGMは日本の冬と同じなのですが、ひとつだけ大きな違いを感じます。「雪」の演出がどこにも無いのです。
時期によって移りゆくショーウインドウや、イベントごとの街の装飾で、変化をみせるマレーシア。これからのファッション事情と夏国ならではの街の演出が増える気配に、ますます目が離せません。