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デザイン思考を生かしたビジネスが重要になる理由と背景

2020 / 07 / 17

#コミュニケーション,#消費市場

デザイン思考を生かしたビジネスが重要になる理由と背景

物やサービスの消費が製造側主導から消費者主導に移行してきた現代では、消費者のニーズを的確にとらえ、消費者に受け入れられるものを提供できるビジネスモデルが重視されてきています。これに適合した発想方法の一つとして、デザイン思考が世界的に注目されており、日本のビジネス界にも徐々に浸透しつつあります。しかし、この思考システムは自社に導入しさえすればよいというわけではありません。運用する現場だけでなく、意思決定する経営陣の十分な理解が必要になっています。

ビジネスで重要視される“デザイン思考”とは?

多くの日本人は、ビジネスにおけるデザインというとグラフィックやファッション界でのアーティストやクリエーターの仕事というイメージを持っています。そのため、一般企業にデザイン思考を導入すると、イラストの表現力や装飾センスが求められるデザイナーの仕事をなぜ経営企画や営業の世界に持ち込む必要があるのか、と多くのビジネスパーソンが疑問を抱きます。世界規模でみればデザイン思考をすでに導入している大企業は多いですが、日本では導入したものの「デザイン」という言葉のイメージから現場に定着しないケースも相次いでいるのです。

こうした実態を払しょくするため、経済産業省と特許庁は2018年5月にデザイン経営宣言を行いました。デザインの持っている臨機応変な対応力を、事業開発や経営戦略に生かし、新たなビジネススタイルを作るという宣言です。また、経営チームや事業戦略の上流部門にデザイン責任者を参加させたり、デザインの手法を使って消費者の潜在ニーズを探ったりといった具体的な指針も示しています。端的に言えば、デザインの世界で使われている柔軟な思考法を、事業経営全体にも導入しようという発想です。

日本の大手通信事業は、デザイン思考のことを顧客志向経営と言い換えることにより、社員から賛同を得られ、導入に成功しています。また、中小企業では企業規模が小さいことから、社員に考えが行き渡りやすく、売上などの結果につながっているところも多いです。

なぜデザイン思考が重視されるのか

経営戦略や事業計画にデザイン思考が重視されている背景には、従来の経営思想や物づくりの論理では消費者の目にとまらない時代になってきたという実情があります。

現代社会には物もサービスもあふれかえっています。しかし、ほんの数十年前まで自宅には冷蔵庫もテレビもなく、消費者は冷蔵庫が世に出れば競って買い求め、モノクロのテレビでも十分な満足度を得ていました。しかし、現在は、商品もサービスもふんだんにあり、自由に選ぶことができます。つまり、消費者が選択権を握っています。会社目線で作られる物やサービスは淘汰されていき、ユーザーに寄り添った満足度の高い物やサービスが受け入れられる消費社会になってきたのです。ユーザーの価値観やニーズを重視した視点や手法での経営が極めて重要になるため、消費者に寄り添ったこの新しい思考戦略を導入することは、企業にとって重要な意思決定の一つになっています。


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デザイン思考の実践方法

デザイン思考を経営戦略や商品開発に導入するには、いろんなアプローチがあります。具体的な実践方法の一つとして、アメリカの大学教授が提唱している5段階の思考モデルがあります。このモデルに沿って新商品やサービスの開発を目指したり、新しい経営体制を構築したりする場合、チームとして作業を進めることが大切です。

第1段階:ユーザー観察によってユーザーに共感する
ユーザーの視点や心理に寄り添うことで、開発者の目線では見えない価値観や課題などが見えてきます。

第2段階:問題の定義
ユーザーが何を求めているのかが明確になれば取り組むべき問題が定義されます。つまり、企業の開発目標が定まります。

第3段階:第2段階で定義された問題をクリアするためのアイデア創出を行う
杓子定規な会議ではなく、参加者が予算や技術力を忖度しない自由闊達なアイデア発表の場にすることが大切です。

第4段階:創出されたアイデアを絞り込み、ユーザーが手に取り試せる状態のプロトタイプを作る
プロトタイプは完全体でなくとも、ユーザーが評価を判断できる最低限の状態であれば問題ありません。大切なのは迅速に製作・改善ができるかどうかです。

第5段階:検証
ユーザーの評価を分析し、受け入れられないようであればその理由となりうる仮説を立て、問題解決のために何度でも検証を重ねます。

検証が終われば完了ではありません。この思考モデルに関して注意するべき点は、段階という言葉に引きずられないことです。検証に至る前に、何度も前の段階に戻ったり、手順が遡行したり、同時並行する場合もあります。全体としては一つのサークルのような作業構成ですが、必ずしも一方向に作業が流れるわけではなく、自由に段階を飛び越えたり戻ったりする包括的な思考法と言えます。


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活用事例

実際にデザイン思考を活用して商品開発を行う場合、流れ自体は通常の商品開発時と変わりなく、流れそのものにデザイン思考を取り入れていきます。デザイン思考では、各フェーズでできるだけユーザーが求めていることや考えを聞き、それを商品開発に反映させていくことが大切です。ユーザーからできるだけ深い情報を引き出すには様々な方法がありますが、中でも定性インタビュー調査が有効とされています。

定性インタビュー調査を行うときは、好きか嫌いかという二者択一式の質問や数値での評価だけでなく、なぜ好きなのか、どのような状況の時に最も好きかなど、質問の翼をどんどん広げていきます。場合によっては質問を変えるなどの臨機応変な調査によって、商品を選ぶ際にユーザー自身が意識していない判断基準が得られる可能性もあります。

ユーザーニーズの把握が必要なのは第1段階だけではありません。例えばアイデアを絞り込む段階やプロトタイプ制作の途中などで定性インタビュー調査を活用すれば、評価されない理由や、好感を持っている深層心理に迫った商品開発ができます。開発現場だけではなく会社全体で取り入れることができれば、変化するニーズや時代の流れに柔軟に対応でき、ユーザーに求め続けられる企業へと成長できるでしょう。

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