競合ユーザー調査を行う目的と調査データの活用法 | リサーチ・市場調査・マーケティング

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マーケティングコラム
2019/6/14

競合ユーザー調査を行う目的と調査データの活用法

競合ユーザー調査を行う目的と調査データの活用法

 自社製品やサービスを購入したり利用してくれる顧客には2種類あります。囲い込みが完了してよそへ流れることがない独占的ユーザーと、ライバル企業と取り合うことになる競合ユーザーです。そして、ビジネスにおいて常に分析と対応が必要になるのは競合ユーザー層です。この層を獲得し、安定化させ、より獲得数や獲得率を引き上げるために行うのが競合ユーザー調査です。綿密な調査と正確な分析が直接的な目的ですが、これをもとに効果的な対策を構築して実践し、その結果を再分析するという一貫した戦略を進めることが大切です。
 

競合ユーザーに注目する理由

 ビジネスを成功させるためには、市場における3つの要素について正確に把握し、そこに発生するさまざまな競争要因の評価と対策を取ることが基本になります。市場は自社、ライバル、顧客の3要素の関係性で構成されます。第1要素は自社の強みや市場における評価を正確につかむことです。第2要素はライバルの強みや弱点などの情報を得て市場におけるシェアなどを把握することです。そして第3の要素は顧客の動向です。ライバルではなく自社の商品やサービスを購入してほしいターゲットである顧客が、いったいどのような属性を持っており、どんなニーズを持っているのかという情報です。

 顧客を自社が獲得できるか、それともライバルに取られてしまうかはビジネスの成否に直結するわけですから、顧客がいったい何を欲しているか、どのような点を評価しているか、今後はどのようなニーズを求めるようになるのかといった予測を行うための調査が必要になります。もちろん自社の分析もライバルの分析も欠かすことはできません。しかし、可能な限り顧客の多くを自社側に取り込んで利益を生むことがこれらの分析を行う目的としてあるため、3つの要素の中では顧客の情報収集、分析、戦略の構築がとりわけ大切であるといえます。

 

競合ユーザー調査とは

 現代のビジネスは情報戦です。ライバルがどんな新戦略を打ってくるのか、脅威になりそうな新興勢力はないかなどの、さまざまな角度からの情報分析と対応が求められます。中でもライバルや新規参入者と奪い合いになる顧客の分析は必須情報であり、そのために実施するのが競合ユーザー調査です。顧客目線で見た場合、自社の製品やサービスにおける市場の位置や、劣っている点と勝っている点などの客観的データを得て、戦略に生かすのが調査を行う目的です。
 

 具体的な調査ステップは、まず顧客が求める商品やサービスに関して自社と他社との優劣を検証し、○△×などシンプルな表示でランク付けします。商品やサービスの価格、性能や評価、接客レベル、webを含めた情報発信力や質問に対するレスポンス速度など項目は多岐にわたります。次に、得られた結果を自社とライバル各社ごとに採点し、集計結果から自社のランクを把握します。最後に、浮き彫りになった課題について正確で客観的な評価をおこない、何をどう改善するかという営業改善や訴求力のある広告戦略などを実施します。ここまでやらなければ、調査データを生かすことになりません。また、分析結果は常に変動するものですから、再調査や再分析を長期的に繰り返し行い、戦略のブラッシュアップを図ることが最終的な目標になります。
 

競合ユーザー調査から出る課題例について

 調査データを生かしていくためには、調査結果から出るさまざまな課題を認識し、課題に対する対応策も取らなければいけません。原則としてどのような業界でもライバルは出現します。それまでは独占的に囲い込むことができていた顧客が一転して競合ユーザーになるわけですから、調査結果で明確になった課題に取り組み、顧客の流出を防ぐ対策を立てることが必須となります。

 例えば、営業時間をどうするかは大きな問題です。午後7時に店じまいするヘアサロンの近くに午後10時まで営業しているライバル店ができたとします。これまでは閉店1時間前に駆け込んでくれた会社員が、ライバル店に流れてしまったという調査結果が数字に出たならば、課題は営業時間帯ということになります。そして、営業時間帯という課題から対策として需要に見合った営業時間に変更するという見直しができます。飲食業界は特にライバル店と比較されやすい業種です。メニューの豊富さ、料金のコスパ感、混雑する時間帯、駐車場の有無や台数、スタッフの接客態度、予約のレスポンスなど調査項目は多岐にわたりますので、課題が多く提示されることもあります。一度に解決するのは難しいのであれば、顧客のニーズの優先度を考慮し、不満点を解消することで自店の評価を改善するのも戦略です。

 

 組織の見直しという課題が出てくることもあります。ライバルの社内組織が優れていたり、常に短期戦略のスクラップアンドビルドを継続しているといったことが自社の敗因であるという結論が出れば、それがすなわち自社の喫緊の課題です。このように、調査結果で明確になった課題例を一つひとつ解決して、経営戦略に生かすことが肝要です。
 

まとめ

 ビジネス戦略を構築する上で分析が必要となる業界の競争要因には、「消費側の交渉力」、「販売側の交渉力」、「これからライバルになる新規参入者」、「自社商品やサービスの脅威となる類似品」、そして同じく「代替品」の5項目があります。5項目の調査はそれぞれ密接に関連していて、いづれにも顧客の心理や欲求を探査する競合ユーザー調査は非常に役に立ちます。人の心をとらえるのは容易ではありませんので、この調査は短期間で終わったり、単発実施では効力が期待できません。顧客は景気の動向に敏感であり、影響力が強い人の情報発信にも影響も受けます。ユーザーのニーズは日々変動し、価値観も変わります。したがって、長期的かつ定常的な調査でなければ信頼度の高い最新のデータを得ることはできませんので、十分に注意しましょう。
 

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