使用実態(U&A)調査の重要性とブランディング戦略 | リサーチ・市場調査・マーケティング

MENU
マーケティングコラム
2019/7/12

使用実態(U&A)調査の重要性とブランディング戦略

使用実態(U&A)調査の重要性とブランディング戦略

 自社ブランド・製品が、市場全体の中でどこに位置しているかを知ることはビジネスの基本です。単なるシェアだけでなく、どれほど認知されているか、シェアは小さくても良いイメージを得ているのではないか、といった重層的な情報をつかむことが必要です。そのためにはブランド・製品が市場においてどのように評価されているのかを、さまざまな角度から数値化できる使用実態(U&A)調査が大きな役割を果たします。
 

使用実態調査とは

 商品やサービスにも一定のライフサイクルがあります。一般的には、導入期で成功すれば成長期から成熟期にかけて売り上げや利益が伸びますが、やがて衰退期が来て両方ともダウンします。しかし、商品やサービスを改善して自社におけるブランド・製品の価値や立場、つまりブランド・ポジショニングを次の方向性へと定めることによって、今までとは異なるニーズに対応ができ、もう一度成長期から成熟期を迎えることができます。ブランド・ポジショニングは、定期的に、そして計画的に見直すことで成長期から成熟期を繰り返せるため、自社の売り上げなどを伸ばしていくことが可能です。そのためには、まず現時点の自社におけるブランド・ポジショニングを確認する必要があります。

 ブランド・ポジショニングは、市場全体の規模やトレンドの変化、自社および競合のブランド・製品が市場の中でどのポジションにいるのかといった市場環境分析と、どのユーザーがブランド・製品をどのように手に入れて、何に使用しており、どう評価しているかといった使用実態(U&A)を掛け合わせることによって見えてきます。

 すなわち使用実態(U&A)は、既存の自社ブランド市場に機能や価格などで差別化した派生ブランドを展開するラインエクステンションを実施したり、ブランド・ポジショニングを洗い直して再活性化を図るリ・ポジショニング戦略といった、次の一手となる指標を決める際に欠かせない調査の一つなのです。

 

調査からどんな情報が見えるのか

 使用実態(U&A)は、商品やブランドの大きなカテゴリーに対してユーザーの属性や利用状況や感想などを細かく分析できるのがメリットで、そこから自社ブランドが持つ優位性や課題が浮き彫りになります。さらに商品やサービスが属しているカテゴリー全体の傾向もとらえることができます。

 カテゴリーを中性洗剤とした場合、具体的に下記のことが使用実態(U&A)で把握できるようになります。

・市場におけるユーザーの割合
中性洗剤市場において全体を100とし、白い洋服専用の中性洗剤を購入しているユーザーが10パーセントだったとします。残りの90パーセントのうち、中性洗剤をまったく知らない層、知っているが購入しない層を把握できます。これによって中性洗剤市場にどれほどのユーザーがいるのかということがわかります。

・ブランド別でのユーザーの比率
中性洗剤市場で販売されているブランド別に購入割合を調査すれば、自社および競合がトップなのか、二番手、三番手なのかというポジションも把握できますので、この数字を通して、他社製品と比較した自社製品の優劣部分が見えてきます。

・ブランド別でのユーザーのプロフィール
ブランド別に30代男性、40代男性、30代女性といった購入者を性別や年齢別に分類すれば、どういう人たちに自社ブランド・製品が選ばれているかが分かります。そのため、商品改善によって新たな成長市場の発見につながります。

・市場における製品やサービスの使われ方
クリーニングに行く時間がないとき、費用を節約したいときなど、中性洗剤をいつ、どのような目的で使用しているのかをを調査することにより、現在の商品がニーズに沿ったものかがわかります。この時に合わせて性別や年代も合わせると、30代の男性は費用を節約したいときに使用し、20代の女性は通常洗剤で洗えない洋服を洗うときに使用するなどのより深掘りしたデータを取得することができます。

 この他にも使用実態(U&A)は、定期的、継続的にデータを積み重ねていけば、時系列の傾向がつかめます。これによって、今後ユーザーの意識やアクションがどう変動していくかを予測することも可能です。

 

調査結果を活用したブランディング戦略について

 使用実態(U&A)調査で得られる分析データは、ブランディング戦略に生かすことができます。ブランディングとは、たとえば白い洋服専用の中性洗剤といえばこの商品、このブランドといえば洗剤といったように、消費者に一定のイメージを持たせて市場における価値を高めるマーケティング戦略の一つです。

 まずは自社ブランドのマーケットシェアを確認したうえでブランディングについて戦略を立てる必要があります。自社ブランド・製品が市場のどこに位置しているかで戦略が異なるからです。

 

 市場シェアがトップのマーケット・リーダーであれば価格戦略を仕掛けて優位性を固め、新規投資で市場規模を拡大するブランディング戦略が有効です。市場シェア率がトップに次ぐポジション、マーケット・チャレンジャーであれば、トップとなるため積極的に新製品を投入したり低価格化路線でシェアを奪ったり、新たなブランドイメージを創出するなどして展開する差別化戦略が中核となります。それ以降のポジションであるマーケット・フォロワーやマーケット・ニッチャーであれば、むやみに差別化を図らず上位ブランドの模倣戦略を取るのも一つの選択です。シェアは小さくても特定の層に関しては固い需要がある場合は、独自路線を貫く手もあります。自社のブランド・製品は何位なのかを認識して、それぞれに適合したブランディング戦略を立てることが肝要になります。

 競合も含めて市場全体のポジショニングが調査できれば、ポジショニングマップを作成することでポジションの全体像を目で見て分かるようになります。

 

まとめ

 市場における自社の立ち位置を把握することは、ライバルの立ち位置を含む市場全体の勢力図を認識することになり有効な戦略構築につながります。しかし、その前提となるのは正しい情報です。有効な情報を得る手段として使用実態(U&A)調査があり、精度が高く分析が多面的であるほど威力を発揮します。マーケティングリサーチの専門企業のサービスを活用することで、こうしたメリットを享受し、最適の戦略構築につなげることができます。
 

このコラムを見た方へのオススメ