インナーブランディングは従業員の満足度に繋がるのか | リサーチ・市場調査・マーケティング

マーケティングコラム
2018/12/6

インナーブランディングは従業員の満足度に繋がるのか

インナーブランディングは従業員の満足度に繋がるのか

 現在の日本では、第三次産業から第六次産業といわれるサービス企業をベースにした産業カテゴリーが発展しています。企業が求めているサービスを適切に提供できる優秀な人材は、サービス企業の顔といっても過言ではありません。ここ数年の間でAIなどの人工知能が著しく発達してきましたが、そんな今だからこそ人間が持つ温かみやおもてなしの精神などが再び重要視されています。今回はサービス企業のブランド像に欠かせない、従業員の満足度にも繋がっていることから重要であると近年注目を集めているインナーブランディングについて検証します。
 

インナーブランディングとは?

 最近サービス企業を中心に注目を集めているものが、社員向けに自社ブランドの価値観を再認識させる活動です。そもそもインナーブランディングとはアウターブランディングとは違い、コミュニケーションの対象を社員に絞って直接アプローチできる方法になっています。企業が各部署をはじめ社内全ての社員に、ブランドの理念やビジョン、価値を理解させて浸透させていくための長期的な啓蒙活動のことを指しています。これまでは顧客向けのアウターブランディングが主流で重要視されていました。しかしそれだけの活動では、ブランド像に近い理念や概念に到達することが厳しくなってきました。

 昨今活発化しているこの活動を通して、アウターブランディングだけでは賄えないサービスを向上させるため、インナーブランディングは再度ブランドの価値観をシェアし、意識や行動および言動やサービスを確認する重要な役割を果たしています。外向きと内向き、つまり顧客向けと社員向けの両面からブランドの方向性についても合わせていくことが目的です。顧客と社員が抱いている自社ブランドのイメージが合致しますと、そのブランドイメージに近付くように各社員の意識や働き方に変化が現れていきます。

 

注目されている理由

 昨今このインナーブランディングが注目されている理由として、まずブランド競争に打ち勝つための質の向上が挙げられます。様々なブランド企業が乱立している中、顧客向けと従業員向けの両方から方向性を定期的に確立していくことは、各企業にとって欠かせません。社員の行動ひとつだけでもブランドのイメージは、良くも悪くも変わっていきます。外部からの顧客は敏感に変化に気付きやすいことから、イメージにブレを生じさせないためにも取り入れる企業が増えてきました。

 また社員一人ひとりの意識が変わることも、注目されている理由のひとつです。ブランドの価値観や理念を理解している社員は、突発的な出来事が起こってもブランド像にふさわしい対応をとることができます。アウターブランディングだけでは不安定なサービスを提供した場合でも、この活動を取り入れることで失敗を最小限にでき、社員の意識を限りなく統一できるようになっています。さらに同じ理念を持つ者同士が同じ職場で働けることで、社員の間でライバル意識が芽生え、自社ブランドに対する意識を向上させ合う効果もあります。

 

得られる効果

 インナーブランディングで得られる効果は、意識改革や残業の削減などがあります。成功すると、従業員は一人ひとりがブランドを作っていく一員だという認識を持ち、確かな誇りをもって働けます。協力し合える環境も同時に作り上げられていくことから、離職率も低くなります。そしてブランドで一番のファンになり、なおかつふさわしいサービスや商品を提供できるような振る舞いができるようになってきます。そうなってくると顧客にもブランドの魅力が伝わりやすいです。

 サービスを提供する側という意味では、協力会社や外注先などもブランドを担う大切な一員です。時代の変化によって海外に進出する企業も増えてきました。これまでは日本や限られた地域でも賄えていたブランドのイメージが、広域的に発展したことでブランドにブレが生じやすくなり顧客に認識しづらくなります。そのようなことを防ぐため、場所や役割は異なっていてもブランドに関わりのあるあらゆる社員のブランドに対する意識を統一していく必要があるのです。大きく得られる効果としては、ブランドに関わるすべての人がブランドのために働きたいと感じることが挙げられます。

 

まとめ

 インナーブランディングは従業員向けに自社ブランドの意識を向上させていく活動です。内容はブランドの方向性を均一化することが主なのですが、それぞれ従業員の意識を確立していくための重要な役割を果たしています。活動に必要なことは、まず「課題の調査や把握」、次に「ブランド意識の共有」や「ブランドを実現するための行動」です。その3つの要素に社員をどれほど引きつけられるかどうかがポイントになります。

 それらの効果が発揮されるまでには、大きい企業であればあるほど時間がかかりますし、長期化することがほとんどです。しかしながら地道な企業努力を続けることで、安定した誰にでも分かってもらえるような良いブランド像を作ることができます。そして離職率が低く、企業理念や概念を理解して、誰もが働きやすい社風に変えていくことも可能です。

 

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