競争優位を保つ成功要因を見つけ出すための3C分析 | リサーチ・市場調査・マーケティング

マーケティングコラム
2019/2/28

競争優位を保つ成功要因を見つけ出すための3C分析

競争優位を保つ成功要因を見つけ出すための3C分析

 3C分析は顧客や競合、自社の現状を把握し、既存のビジネスを目指すべき方向に導くために活用される分析手法です。今回は3C分析がなぜ、そしてどのように行われるのか、具体的な分析手法を解説します。
 

3C分析とは

 3Cは「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの要素を表す英単語の頭文字をとったもので、マーケティングにおいて顧客・市場環境と競合を分析し、自社の現状と強みや弱みを踏まえて、経営戦略に生かす分析手法のひとつです。

 企業が営利活動を行う際には、政治や経済、社会の変化に大きな影響を受けます。さらにビジネスには顧客と競合の他に、株主や供給業者、メディアなど様々な組織や団体が関係しています。したがって、3C分析を行う際には、こうした外部要因の影響を測るため、マクロとミクロの視点を併せ持つことが大切です。マクロの視点とは、景気変動や規制緩和などの法規制を考慮に入れ、市場動向を俯瞰的に見ることです。ミクロの視点とは顧客の交渉力、新規参入や代替品の登場など、分析を行う対象を絞って微視的に市場の動きを見ることです。

 このような視点を持った上で、潜在的な顧客数や地域構成や市場の成長性を調べることによって、市場規模を把握し、顧客のニーズや購買パターン、購買動機などの観点を加えて顧客・市場分析を行います。
 競合分析は、競争相手の売上、営業人数などの経営資源、戦略などを調査することで、競争相手のシェアを奪うという視点を持って、競合の数、競合他社のパフォーマンスなどを分析します。自社よりも顧客に支持されている企業を分析することで、顧客ニーズを満たす商品やサービスの種類を把握することができます。
 自社分析は、自社のシェアや売上高、収益性といった定量的な要素と、ブランドイメージや技術力といった定性的な要素を偏ることなく精査することで、自社の強みや弱みを把握します。

 これら3つのセクションから分析を行うことで、商品やサービスを差別化し競合優位を保つ成功要因を見つけることができます。

 

3C分析の目的

 企業が利益を上げ、存在し続けるためには経営の方針を固める必要があります。そのためには、事業を成功させるための要因を見つけ出すことが重要です。
 3C分析の目的は、自社が行う事業を成功させるための要因を見つけ出し、自社の状況に適した経営戦略を立て、自社の優位性を高めることです。企業の経営状態や市場での優位性は、取り巻く環境によって大きく左右されます。そこで、利益が伸び悩んでいるときなどは事業の改善すべき点を見つけ、自社のマイナスな面をプラスへと変えられるような戦略を立てることが必要となります。

 3C分析で自社分析を行うことによって企業が成長すべき引き金、つまり成功要因を明らかにすることができます。市場における自社の立ち位置が明らかになるので、自社がこのまま既存ビジネスに対応していけるのか、市場変化に対応することで、どれくらいの成果が期待できるのかといった既存ビジネスに対して経営資源を投入し続けるべきかなどの未来予測が可能となり、中長期的な経営戦略を練ることができます。

 すべての会社は強みと弱みを持っています。しかし人材や設備、資金など経営資源は限られており、すべての面で完璧に注力することはできません。
 事業の戦略や今後の事業計画を立てる際に、なるべく低コストかつ高パフォーマンスとなるように3C分析が行われるのです。現在の市場から、もしくは既存ビジネス自体の撤退も視野に入れて今後の見通しを立てたいときにも行われています。

 

3C分析の方法

 ビジネスを行う上で一番重要なのは顧客です。したがって3C分析では顧客、つまり市場環境を最初に分析します。顧客や市場の分析でまず知りたいことは、ターゲットにしている顧客や市場が今の商品やサービスに満足しているかどうかです。加えて、テクノロジーや時代の変化によって、顧客ニーズが今後どのように変化していくのかも見極めます。こうした点を知るためには、PEST分析を使って、法規制の動きや景気変動などを把握して、市場へのインパクトをマクロの視点から測ることが有効です。さらに、5フォースモデルで、買い手の交渉力、新規参入や代替品の脅威といった、自社のビジネス環境に影響するミクロ環境の変化を捉えます。こうして得られた結果も踏まえて、顧客や市場の分析を行います。

 次に、顧客や市場の分析結果を踏まえて競合分析します。その際に競合他社の売上やシェア、コストといった結果と、その結果がもたらされた理由、つまり営業方法やブランド力、商品開発力といったリソースの使われ方の両方に着目して分析をします。さらに、競合の商品開発からマーケティング、流通といったバリューチェーンにも着目し、ビジネス全体の効率性を競合ごとに精査していくことで、競合の戦略にどのような成功要因が潜んでいるかを考察します。

 

 最後に自社分析ですが、市場の変化や競合の動向に対して、自社はどのような対策が取れるのかを検討します。競合の優れた点を取り入れたり、満たされていない顧客ニーズを先取りしたりして、自社の競争優位を高める成功要因を探ります。その際、VRIO分析を用いて、自社商品の価値や希少性、模倣可能性などを検証し、戦略立案に生かすのも効果的です。

 先に述べたように、企業活動は顧客や供給業者といったステークホルダーの動向からも影響を受けます。したがって、B to Bのビジネスの場合、顧客の業界と自社の業界それぞれに3C分析を行うと、顧客の業界における現状や影響点も知ることができるため、成功要因をより多面的に把握することができます。さらにSWOT分析を行えば、自社の強みと弱み、ビジネス上のチャンスと脅威を比較検討した上で、とりうるべき最善の策が見えてきます。

 

まとめ

 飽和状態と言われる小売業界においても、品揃えの豊富さやエンターテイメント性を取り入れた陳列で、差別化に成功している企業があります。3C分析を行うことによって成功要因を確実に把握し、自社が取るべき戦略を明確化できれば、自社の競争優位性を向上・維持することができるでしょう。
 

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