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マスマーケティングとはどんなもの?活用事例や種類について解説

奥野 美代子
中小企業診断士/MBA/魅力発信ブランディングコーチ
株式会社アイリスプランナー代表取締役

外資系ブランドで27年のマーケティングの経験からマーケティング専門の経営コンサルタントとして、
クリニックや起業家250社以上の経営戦略・マーケティング支援・オンラインビジネス化をサポート。

奥野 美代子

2023 / 02 / 09

#コミュニケーション,#メディア,#リサーチ初心者

マスマーケティングとはどんなもの?活用事例や種類について解説

マスマーケティングとは、テレビなどのマスメディアを使ったマーケティングです。価値観が多様化した現在、マスメディアのあり方も変化し、それに伴ってマスマーケティングの効果も従来と変わってきています。この記事では、マスマーケティングの代表的な手法と活用事例や種類、マスマーケティングのメリット、デメリットなどを紹介します。

マスマーケティングとは

マスマーケティングとは、「マス(一般大衆)」を対象にしたマーケティングです。高度成長期の大量生産・大量販売の時代によく使われた手法で、テレビなどのマスメディアを使い、すべての消費者に対して大量プロモーションを行うことです。

マスマーケティングの手法

マスマーケティングは、不特定多数の消費者全体に対して、自社の商品・サービスを広く集中的にアピールする方法です。特に効果を発揮するのは、地域や年代の影響を受けない万人受けする商品・サービスの認知拡大・販売促進です。具体的には、テレビ・ラジオCM、新聞・雑誌広告、駅や街中のポスターなど、多くの人の目に触れる場で一斉に広告を出して認知を高め、購買につなげます。

マスマーケティングの種類

一般消費者を対象としたマスマーケティングに効果的なのは、マスメディアを使った広告宣伝です。中でも、下記の4つはマスコミ四媒体と呼ばれ、多用されてきました。
 ・テレビCM
 ・ラジオCM
 ・新聞広告
 ・雑誌広告
マスマーケティングが広がった高度成長期はテレビが普及した時代です。この時代には、テレビCMをきっかけにたくさんのブランドが日本中で知られるようになりました。
ラジオCMは、家事や仕事をしながらラジオを聞く視聴者に対して、BGMやキャッチコピーを繰り返し伝えて聴覚を刺激し、記憶に残します。
新聞広告は、新聞宅配率が8割を超えていた時代には多くの消費者に広く宣伝する効果がありました。最近では若い世代の購読者数が減少し、読者層も変化しています。
雑誌広告は、読者層にあわせて出稿できるので、マス広告の中でもターゲット顧客を絞り込むことができる方法です。

マスマーケティングの活用事例

マスマーケティングを効果的に使っているブランドや企業の事例を紹介します。高度成長期と異なり、最近ではマスマーケティングとターゲットを絞って発信できるSNSマーケティングを組み合わせた活用事例が増えています。

マクドナルド

マクドナルドといえば、日本進出時からテレビCMを中心としたマスマーケティングに巨額の予算を投じ、ハンバーガーの代表的地位を確立したブランドです。現在でも年間を通して、著名人を起用したインパクトのあるテレビCM広告を展開しています。
2015年以降はSNS活用にも力を入れており、SNS上でファンの声を集める一方、拡散効果を狙った発信で効果をあげています。

ゼスプリ キウイフルーツ

ゼスプリは、ニュージーランド唯一のキウイフルーツ輸出の専門商社です。「キウイブラザーズ」というキャラクターを使ったテレビCMで積極的なマス広告を展開し、日本でのシェア拡大に成功しました。
成功の秘訣は、輸入から販売、マーケティングを行う日本支社が多額の資金を投資し、日本の消費者に合わせたマーケティングを展開したことです。スーパーなどのフルーツ売り場でもテレビCMやSNSに連動したキャラクターのPOP掲示などを行い、購買促進につなげています。

コカ・コーラ

コカ・コーラは、特徴的なボトルデザインと赤と白のロゴマークや、「スカッとさわやかコカ・コーラ」などのキャッチフレーズを使い、スポーティで印象的なマス広告を展開したマスマーケティングの好事例です。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などを活用した全国展開のマスマーケティングで、清涼飲料水の中でもトップブランドとなりました。
特徴的なのは、屋内ではテレビ・ラジオCMでCM音楽やキャッチフレーズを繰り返し流して印象付け、屋外でも全国の街のいたるところにイメージカラーの赤い自動販売機や看板広告、ポスターを設置し、視覚・聴覚に訴える多面的なメディア展開をしていることです。

株式会社ブイキューブ

ブイキューブは、企業や教育機関にウェブ会議サービスなどを販売する会社です。もともと企業向けにインターネット広告を出していましたが、「テレキューブ」という防音型の個室ブースの提案にあたり、テレビCMを使ったBtoCのマスマーケティングを展開。テレワークや在宅勤務の需要が増えていることから、30〜40代の男性サラリーマンをターゲットとして、電車内に動画広告を流すトレインチャンネルやタクシー広告と合わせてテレビCMを活用し、認知度を上げることに成功しました。

マスマーケティングのメリット

マスマーケティングの主なメリットは、大量生産・販売によるコストダウンなど規模の経済によるスケールメリットです。そのほかの代表的なメリットについて解説します。

多くの消費者にリーチできる

マスマーケティングでは対象の消費者を絞り込まず、多くの人が目にする複数のマスメディアを使った大量の広告で広く商品・サービスの告知を行います。
自宅でテレビCMを見ているときに新しい商品を知り、新聞でもCMで見た新商品と同じブランドの広告が目に入り、外出先でも電車の中吊りや屋外看板に同じ広告が出ているなど、集中的かつ異なる媒体やタイミングで消費者の目に触れるようにします。消費者と接するタッチポイントが増えるので、より多くの消費者にリーチできるメリットがあります。

潜在顧客に対してアプローチできる

マスマーケティングでは、最初は関心が薄い顧客層でも、複数のメディアで繰り返し商品・サービスを目にすることでだんだん興味が湧いてくるという効果が期待できます。
これはマスマーケティングの消費者の購買心理を説明する「AIDMAの法則」と呼ばれる原理で、「A(Attention:注意・注目) 気が付く」→「I(Interest:興味関心) 興味が湧く」→「D(Desire:欲求) 欲しくなる」→「M(Memory:記憶) 記憶に残る」→「A(Action:行動) 購買」という流れを、消費者が無意識に行うことにつながります。当初は興味のない潜在顧客でも、このプロセスでアプローチすることで購買につながる可能性が高くなるのです。


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マスマーケティングのデメリット

マスマーケティングのデメリットは、スケールメリットが生かせない商品・サービスには使えないことです。幅広い消費者層から求められる商品・サービスでないと逆にコストパフォーマンスが悪く投資効果が得られません。また、新聞・テレビなどのマスメディアの利用頻度が少ない若い世代には接点が少なくアプローチが難しいとも言われています。
他にも下記のようなデメリットがあります。

多額の広告費を要する場合がある

マスマーケティングはテレビや全国紙などのマスメディアに広告を掲載するので、多額の広告費が必要になります。テレビ視聴者からの注目を集められる、インパクトが強いテレビCMや広告を作るには、広告費以外にもアートディレクターやタレントへのオファーなどが欠かせないため、制作費も莫大になります。
広告を出す頻度も、1回きりでは効果はありません。大量の広告費用を投下し、異なる媒体で繰り返し広告を出すことで消費者の記憶に残ります。それでも成功の確約はなく失敗するリスクがあるのです。

情報を拡散してもらうのが難しい

最近、主流となっているSNSを活用したマーケティングでは、商品・サービスや企業の考え方に共感した消費者がSNSで情報を拡散するので、より大きなマーケティング効果が得られます。
しかし、マスマーケティングは、幅広い消費者を対象に広告メッセージを出すので、消費者として興味は持っても、自分ごととして積極的に情報を発信することは期待できません。ゆえに、SNSで情報拡散してもらえないリスクがあります。

マスマーケティングと対をなすマーケティング手法

マスマーケティングが万人向けのマーケティングであるのに対して、顧客を絞り込んだマーケティング手法もあります。その中でも代表的なダイレクトマーケティングとターゲッティングマーケティングについて解説します。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、企業が顧客に対して直接コミュニケーションを図りながら行うマーケティング手法です。自社もしくは外部の顧客情報を活用しながら、商品・サービスに合わせてアプローチする顧客層を検索し、選択された顧客に対してDMや電話でダイレクトにコミュニケーションを図ります。
マスマーケティングが万人向けにコミュニケーションを図るのに対して、ダイレクトマーケティングは顧客一人ひとりに向けて行うマーケティングといえるでしょう。

ダイレクトマーケティング
https://www.cross-m.co.jp/column/marketing/util114/

ターゲットマーケティング

ターゲットマーケティングは、ターゲットの消費者層を絞り込んでマーケティングを行う方法です。
高度成長期と異なり、最近は消費者の嗜好や価値観が多様化・細分化しています。そのため、市場を細分化して自社の商品・サービスにあった消費者層をターゲットとして設定し、そのニーズを満たすための商品作りとターゲットに合った周知方法を選ぶことで、効率よくマーケティングを行うことができます。SNSはターゲットを絞ってアプローチするのに最適なメディアであり、小規模の市場をターゲットとすることの多い中小企業にもおすすめです。

まとめ

マスマーケティングは高度成長期の大量生産・大量販売の時代によく行われたマーケティングですが、現代でも万人受けする商品・サービスにおいては有効です。マスマーケティングを行う際には、現代の価値観が多様化・細分化していることを踏まえつつ、ターゲットの属性や業種に合わせてアプローチする別のマーケティング手法を組み合わせることでより効果が期待できるでしょう。

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